京浜急行電鉄800/1000形/高松琴平電気鉄道1080/1300形/北総開発鉄道7150形/京成電鉄/千葉急行電鉄1000形
概要
800形は京浜急行電鉄が1958年に製造した電車である。4両編成1本が投入された。1965年に1000形に編入された。
1000形は京浜急行電鉄が1959年から製造した電車である。1978年にかけて8両編成7本、6両編成28本、4両編成29本、2両編成6本が投入された。1986年から2011年にかけて廃車され、一部が北総開発鉄道、高松琴平電気鉄道に譲渡および京成電鉄、千葉急行電鉄にリースされた。
高松琴平電気鉄道1080形は1988年から京浜急行電鉄1000形を譲受した電車である。1991年にかけて琴平線に2両編成6本が投入された。
高松琴平電気鉄道1300形は2007年から京浜急行電鉄1000形を譲受した電車である。2011年にかけて長尾線に2両編成4本が投入された。
北総開発鉄道7150形は1991年に京浜急行電鉄1000形を譲受した電車である。8両編成1本と4両編成2本が投入された。1998年までに廃車された。
京成電鉄1000形は1988年に京浜急行電鉄1000形をリースした電車である。4両編成2本が投入された。1992年までに返却された。
千葉急行電鉄1000形は1992年に京浜急行電鉄1000形をリースした電車である。4両編成1本が投入された。1994年に返却された。
外観の特徴
◆前期形
1965年に製造された800形(以下、前期形)は車体幅が狭く、白熱灯の大型な前照灯が特徴である。前面窓は2枚窓で非貫通形である。1968年には前面に種別行先表示器が設置され、前照灯がシールドビームに改造された(前面改造A)。1973年には前面に貫通扉が設置され(前面改造B)、モニター屋根を撤去のうえ屋根上に通風器が設置された(通風器)。塗装は全車両が赤に白帯(●標準色)である。
◆中期形
1959年から1968年に製造された1000形(中期形)は車体幅が拡大され、前照灯にシールドビームが採用された。なお、1959年から1960年に製造された車両は前面が非貫通形(前面A)であり、1961年から1962年に製造された車両は前面が貫通形(前面B)である。1962年に製造された車両は前面に種別行先表示器(前面表示器)が設置され、1961年に製造された車両は1966年から1967年にかけて前面表示器が設置された。1964年以降に製造された車両は前面が貫通形であり、前面窓から独立した種別行先表示器と運行番号表示器が設置された(前面C)。1968年に製造された車両はモニター屋根が廃止され、屋根上に通風器が設置された。
改造による変化として、1969年から1972年にかけて1959年~1960年製造車に貫通扉が設置され、前面Cに準じた形状に改造された。同時にモニター屋根が通風器に改造された。1974年から1976年には、1961年~1962年製造車の前面表示器が改造され、前面Cに準じた形状になった。1976年から1986年には冷房化改造が施され、屋根上に分散式冷房装置(冷房)が搭載された。
◆後期形
1971年から1978年に製造された1000形(後期形)は新製冷房車として、屋根上に集中式冷房装置が搭載された。改造による変化として、1988年から1994年にかけて屋根上の通風器が撤去された(通風器撤去)。
◆高松琴平電気鉄道1080/1300形
高松琴平電気鉄道1080形は導入時に塗装が変更され、白と赤色のツートン(●琴電色)に変更された。2001年から路線別の車体色が導入され、琴平線の車両として白と黄色のツートン(●琴平色)に変更された。2022年に開業111周年記念として、1087Fが導入時の塗装に復元された。高松琴平電気鉄道1300形は長尾線の車両として白と緑色のツートン(●長尾色)である。
◆北総開発鉄道7150形
北総開発鉄道7150形は導入時に塗装が銀色に濃淡の青帯(●北総色Ⅰ)に変更された。1994年から1996年にかけて、7154Fと7158Fの側扉が扉ごとに異なる色に変更された(●北総色Ⅱ)。
◆京成電鉄1000形/千葉急行電鉄1000形
京成電鉄1000形は京急時代の塗装のまま使用され、1989年頃に前面貫通扉に種別表示器が設置された。1992年に1029Fが千葉急行電鉄にリースされ、車体塗装が青色に白帯(●千葉急行色)に変更された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●標準色 |
A02 | 消滅 | 前期形/●標準色 [前面改造A] |
A03 | 消滅 | 前期形/●標準色 [前面改造B][通風器] |
B01 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面A] |
B11 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面B] |
B12 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面B][前面表示器] |
B21 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面C] |
B22 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面C][通風器] |
B23 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面C][冷房] |
B24 | 消滅 | 中期形/●標準色 [前面C][冷房][種別表示器] |
B31 | 現存 | 中期形/●琴電色 [前面C][冷房] |
B32 | 現存 | 中期形/●琴平色 [前面C][冷房] |
B41 | 消滅 | 中期形/●北総色Ⅰ [前面C][冷房] |
B42 | 消滅 | 中期形/●北総色Ⅱ [前面C][冷房] |
B51 | 消滅 | 中期形/●千葉急行色 [前面C][冷房][種別表示器] |
C01 | 消滅 | 後期形/●標準色 |
C02 | 消滅 | 後期形/●標準色 [通風器撤去] |
C11 | 現存 | 後期形/●長尾色 [通風器撤去] |
各バリエーション解説
A01 | 前期形/●標準色 |
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1965年に製造された800形の落成時の姿。車体幅が狭く、白熱灯の大型な前照灯が特徴である。前面窓は2枚窓で非貫通形である。1965年に1000形(1095F、1097F)に編入された。1968年に前照灯改造および種別行先表示器が設置され、この姿は消滅した。
A02 | 前期形/●標準色 [前面改造A] |
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1095F、1097Fの前照灯改造後の姿。1968年に前面に種別行先表示器が設置され、前照灯がシールドビームに改造された。1973年には前面に貫通扉が設置され、この姿は消滅した。
A03 | 前期形/●標準色 [前面改造B][通風器] |
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1095F、1097Fの前面貫通扉設置後の姿。1973年に前面貫通扉が設置され、モニター屋根を撤去のうえ屋根上に通風器が設置された。1988年に廃車され、この姿は消滅した。
B01 | 中期形/●標準色 [前面A] |
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1959年から1960年に製造された1000形の落成時の姿。車体幅が拡大され、前照灯にシールドビームが採用された。前面は非貫通形である。1969年から1972年にかけて貫通扉が設置され、この姿は消滅した。
B12 | 中期形/●標準色 [前面B][前面表示器] |
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1962年に製造された1000形の落成時の姿。前面が貫通形であり、前面に種別行先表示器が設置された。1966年から1967年には、1961年製造車に前面表示器が設置され、同様の姿になった。1974年から1976年にかけて前面表示器が改造され、この姿は消滅した。
B21 | 中期形/●標準色 [前面C] |
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1964年から1966年に製造された1000形の落成時の姿。前面窓から独立した種別行先表示器と運行番号表示器が特徴である。1974年から1976年にかけて、1961年~1962年製造車の前面表示器が改造され、同様の姿になった。1986年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。
B22 | 中期形/●標準色 [前面C][通風器] |
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1968年に製造された1000形の落成時の姿。モニター屋根が廃止され、屋根上に設置された通風器が特徴である。1969年から1972年にかけて、1959年~1960年製造車に貫通扉と通風器が設置され、同様の姿になった。1984年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。
B23 | 中期形/●標準色 [前面C][冷房] |
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1959年から1968年に製造された1000形の冷房化改造後の姿。1976年から1986年にかけて冷房化改造が施され、屋根上に分散式冷房装置が搭載された。2005年までに廃車され、この姿は消滅した。
B24 | 中期形/●標準色 [前面C][冷房][種別表示器] |
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京成電鉄1000形の前面種別表示器設置後の姿。京急時代の塗装のまま使用され、1989年頃に前面貫通扉に種別表示器が設置された。1992年までに廃車または千葉急行電鉄にリースされ、この姿は消滅した、
B31 | 中期形/●琴電色 [前面C][冷房] |
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高松琴平電気鉄道1080形の導入時の姿。白と赤色のツートンが採用された。2001年から塗装変更され、この姿は消滅した。2022年に開業111周年記念として、1087Fにこの塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。
B32 | 中期形/●琴平色 [前面C][冷房] |
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高松琴平電気鉄道1080形の塗装変更後の姿。2001年から路線別の車体色が導入され、琴平線の車両として白と黄色のツートンに変更された。現在もこの姿で使用されている。
B42 | 中期形/●北総色Ⅱ [前面C][冷房] |
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北総開発鉄道7150形の塗装変更後の姿。1994年から1996年にかけて、7154Fと7158Fの側扉が扉ごとに異なる色に変更された。1998年に廃車され、この姿は消滅した。
B51 | 中期形/●千葉急行色 [前面C][冷房][種別表示器] |
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千葉急行電鉄1000形の姿。1992年に1029Fが千葉急行電鉄にリースされ、車体塗装が青色に白帯に変更された。1994年までに廃車され、この姿は消滅した。
C01 | 後期形/●標準色 |
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1971年から1978年に製造された1000形の落成時の姿。新製冷房車として、屋根上に集中式冷房装置が搭載された。1994年までに屋根上の通風器が撤去され、この姿は消滅した。
C02 | 後期形/●標準色 [通風器撤去] |
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1971年から1978年に製造された1000形の通風器撤去後の姿。1988年から1994年にかけて屋根上の通風器が撤去された。2011年までに廃車され、デハ1351とデハ1359が久里浜工場に保管されている。
C11 | 後期形/●長尾色 [冷房] |
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高松琴平電気鉄道1300形の導入時の姿。長尾線の車両として、白と緑色のツートンが採用された。現在もこの姿で使用されている。