近畿日本鉄道26000系

山陽電気鉄道3000/3050/3200系

《最終更新》 2023年3月5日

概要

3000系は山陽電気鉄道が1964年から製造した電車である。1985年にかけて133両が投入された。2000系の走行機器を流用した車両は3200系、新製冷房車は3050系に区分されている。このほか、2000系と2300系を付随車として改造した3550形の15両が投入された。


外観の特徴

◆初期形

1964年から1965年に製造された3000F、3002Fおよび、1968年に製造された3500、3501(以下、初期形)はアルミ製車体が特徴である。車体塗装はアルミ地に2本の赤帯(赤帯Ⅰ)である。
1970年頃には行先表示器(前面表示器)が設置され、1986年頃に前面の赤帯が太帯(赤帯Ⅱ)に変更された。1989年から1990年にかけて冷房化改造が施され、屋根上に集中式冷房装置(集中冷房)が設置された。また、冷房化と同時期に前照灯のケースに保護ガラスが設置された(前灯更新)。1989年には3500と3501が3076Fと3078Fに組み込まれ、アルミ地に1本の赤帯(赤帯Ⅲ)に変更された。1993年には3500と3501が3060Fと3062Fに組み込まれ、鋼製車にあわせてクリーム色に赤と黒帯の塗装(新塗装)が施されていた。


◆前期形A

1967年から1968年に製造された3004F~3020F、3502~3505(前期形A)は鋼製車体が採用され、車体塗装はベージュと青のツートン(旧塗装)である。
1970年頃には行先表示器が設置され、1977年から1990年にかけて冷房化改造が施された。1985年までに冷房化された車両は分散式冷房装置(分散冷房)が採用され、以降に冷房化された車両は集中冷房が採用された。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置され(前灯更新)、1986年から塗装がクリーム色に赤と黒帯(新塗装)に変更された。1994年には3006Fと3010Fにワンマン改造(ワンマン)が施され、運転席側の前面窓が曲面ガラスに変更された。2004年からリニューアル改造(リニューアル)が施され、側窓の交換と前面の行先表示器が内蔵式に変更された。


◆前期形B

1968年から1971年に製造された3022F~、3200F~(前期形B)は床面が高く変更され、側扉や側窓の位置が高く変更された。また、落成時から行先表示器が設置され、前面の行先表示器は貫通扉に内蔵された。
1977年から1990年にかけて冷房化改造、1981年頃から前灯改造、1986年から新塗装に変更された。1983年には3619が3100Fに組み込まれ、アルミ製車体と外観を統一するため、ステンレス製の側扉に交換および車体塗装が灰色に1本の赤帯(赤帯Ⅳ)に変更された。1994年には3200系にワンマン改造が施された。


◆中期形A

1972年から1973年に製造された3050F~3054F(中期形A)は、新製冷房車として落成時から分散冷房装置を搭載した。また、貫通扉の幌枠形状が変更され、吊り金具が廃止された。1986年頃に前灯改造と新塗装化が施された。


◆中期形B

1973年から1981年に製造された3056F~3064F、3638(中期形B)は、前照灯のライトケースが小型化された。また、床面は低く変更され、側扉や側窓の位置が低くなった。1981年頃から前灯改造、1986年から新塗装に変更、2008年からリニューアル改造が施された。


◆後期形A

1981年と1984年に製造された3066F、3538(後期形A)は、新工法アルミ車体の試作車であり、側窓のユニット窓が特徴である。また、鋼製車と同様に車体に塗装が施されている。落成時は旧塗装であったが、1986年以降に新塗装に変更された。


◆後期形B

1981年から1984年に製造された3068F~3074F、3100F(後期形B)は、アルミ車体でステンレス製の前面貫通扉が採用された。塗装はアルミ地に1本の赤帯(赤帯Ⅳ)である。


◆後期形C

1985年に製造された3076F、3078F(後期形C)は、前面貫通扉がアルミ製に変更された。塗装はアルミ地に1本の赤帯である。


◆編入形A

1969年から1970年にかけて2000系を付随車に改造し、3550形として9両が投入された(編入形A)。1979年から分散冷房装置による冷房化、1986年から新塗装に変更された。


◆編入形B

1998年から2300系を付随車に改造し、3560形として6両が投入された(編入形B)。編入時点で集中冷房装置による冷房化や新塗装化が完了していた。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 初期形/赤帯Ⅰ

初期形の落成時の姿。1964年から1965年に製造された3000F、3002Fおよび、1968年に製造された3500、3501はアルミ製車体が特徴である。1970年頃に行先表示器が設置され、この姿は消滅した。

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A02 初期形/赤帯Ⅰ [前面表示器]

初期形の行先表示器設置後の姿。1970年頃に行先表示器が設置された。1986年頃に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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A03 初期形/赤帯Ⅰ [前面表示器][集中冷房][前灯改造]

復刻塗装が施された3000Fの姿。2015年に3000Fが落成時の塗装に変更された。冷房装置の搭載などが落成時とは異なっている。2017年に運行を終了し、現在は3000号車がこの姿で保管されている。

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A11 初期形/赤帯Ⅱ [前面表示器]

初期形の塗装変更後の姿。1986年頃に前面の赤帯が太帯に変更された。1989年から1990年にかけて冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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A12 初期形/赤帯Ⅱ [前面表示器][集中冷房][前灯改造]

初期形の冷房化改造後の姿。1989年から1990年にかけて冷房化改造が施された。同時期に前照灯のケースに保護ガラスが設置された。2016年に廃車され、この姿は消滅した。

山陽電気鉄道 3000F
山陽電気鉄道 3000F
撮影場所 飾磨駅   撮影日 2015年3月
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A21 初期形/赤帯Ⅲ [集中冷房]

3500、3501の塗装変更後の姿。1989年に3500と3501が3076Fと3078Fに組み込まれ、塗装が変更された。2022年に運用離脱し、東二見車両基地に留置されている。

山陽電気鉄道 3500号車
山陽電気鉄道 3500号車
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2018年12月
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A22 初期形/●新塗装 [集中冷房]

3060Fと3062Fに組み込まれた3500、3501の姿。1993年に3500と3501が3060Fと3062Fに組み込まれ、鋼製車にあわせて塗装が変更された。後に組成が変更され、塗装変更によってこの姿は消滅した。

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B01 前期形A/旧塗装

前期形Aの落成時の姿。1967年から1968年に製造された3004F~3020F、3502~3505は鋼製車体が採用された。1970年頃に行先表示器が設置され、この姿は消滅した。

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B02 前期形A/旧塗装 [前面表示器]

前期形Aの行先表示器設置後の姿。1970年頃に行先表示器が設置された。1990年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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B03 前期形A/旧塗装 [前面表示器][分散冷房][前灯改造]

分散冷房を搭載した前期形Aの姿。1977年から1985年までに冷房化された3004F、3008F、3016F、3018Fは分散式冷房装置が搭載された。同時期に前照灯のケースに保護ガラスが設置された。1986年から塗装が変更され、この姿は消滅した。

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B11 前期形A/新塗装 [前面表示器][分散冷房][前灯改造]

分散冷房を搭載した前期形Aの塗装変更後の姿。1986年から塗装が変更された。2006年から2010年にかけて3008F、3016F、3018Fにリニューアルが施され、3004Fのみが未実施であった。2017年に3004Fが廃車され、この姿は消滅した。

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B12 前期形A/新塗装 [前面表示器][分散冷房][前灯改造][リニューアル]

分散式冷房を搭載した前期形Aのリニューアル後の姿。2006年から2010年にかけて3008F、3016F、3018Fにリニューアルが施された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3016F
山陽電気鉄道 3016F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2018年12月
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B21 前期形A/新塗装 [前面表示器][集中冷房][前灯改造]

集中冷房を搭載した前期形Aの姿。1986年以降に冷房化された3006F、3010F、3012F、3014F、3020Fは集中式冷房装置が搭載された。同時期に塗装変更や前照灯の保護ガラスが設置された。1994年にワンマン改造、2008年までにリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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B22 前期形A/新塗装 [前面表示器][分散冷房][前灯改造][リニューアル]

集中冷房を搭載した前期形Aのリニューアル後の姿。2005年から2008年にかけて3012F、3014F、3020Fにリニューアルが施された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3012F
山陽電気鉄道 3012F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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B23 前期形A/新塗装 [前面表示器][集中冷房][前灯改造][ワンマン]

前期形Aのワンマン改造後の姿。1994年に3006Fと3010Fにワンマン改造が施され、運転席側の前面窓が曲面ガラスに変更された。2005年までにリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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B24 前期形A/新塗装 [前面表示器][集中冷房][前灯改造][ワンマン][リニューアル]

ワンマン対応の前期形Aのリニューアル後の姿。2004年から2005年にかけて3006F、3010Fにリニューアルが施された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3006F
山陽電気鉄道 3006F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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C01 前期形B/旧塗装

前期形Bの落成時の姿。1968年から1971年に製造された3022F~、3200F~は床面が高く変更され、側扉や側窓の位置が高く変更された。落成時から行先表示器が設置され、前面の行先表示器は貫通扉に内蔵された。1990年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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C02 前期形B/旧塗装 [分散冷房]

分散冷房を搭載した前期形Bの姿。1977年から1985年までに冷房化された車両は分散式冷房装置が搭載された。のちに前灯改造や塗装変更によって、この姿は消滅した。

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C03 前期形B/旧塗装 [分散冷房][前灯改造]

分散冷房を搭載した前期形Bの前灯改造後の姿。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置された。1986年から塗装が変更され、この姿は消滅した。2019年には3030Fに復刻塗装が施され、2021年までこの姿で使用された。現在は東二見車両基地に留置されている。

山陽電気鉄道 3030F
山陽電気鉄道 3030F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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C11 前期形B/新塗装 [分散冷房]

分散冷房を搭載した前期形Bの塗装変更後の姿。1986年から塗装が変更された。のちに前灯改造が施され、この姿は消滅した。

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C12 前期形B/新塗装 [分散冷房][前灯改造]

分散冷房を搭載した前期形Bの前灯改造および塗装変更後の姿。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置され、1986年から塗装が変更された。

山陽電気鉄道 3026F
山陽電気鉄道 3026F
撮影場所 山陽垂水駅   撮影日 2018年12月
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C13 前期形B/新塗装 [分散冷房][前灯改造][ワンマン]

分散冷房を搭載した前期形Bのワンマン改造後の姿。1994年には3200系にワンマン改造が施され、運転席側の前面窓が曲面ガラスに変更された。2019年までに廃車され、この姿は消滅した。

山陽電気鉄道 3200F
山陽電気鉄道 3200F
撮影場所 飾磨駅   撮影日 2015年3月
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C21 前期形B/新塗装 [集中冷房][前灯改造]

集中冷房を搭載した前期形Bの姿。1986年以降に冷房化された3204Fは集中式冷房装置が搭載された。同時期に塗装変更や前照灯の保護ガラスが設置された。1994年にワンマン改造が施され、この姿は消滅した。

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C22 前期形B/新塗装 [集中冷房][前灯改造][ワンマン]

集中冷房を搭載した前期形Bのワンマン改造後の姿。1994年には3204Fにワンマン改造が施され、運転席側の前面窓が曲面ガラスに変更された。2018年に廃車され、この姿は消滅した。

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C31 前期形B/赤帯Ⅳ [分散冷房][前灯改造]

3100Fに組み込まれた3619の姿。1983年に3619が3100Fに組み込まれ、アルミ製車体と外観を統一するため、ステンレス製の側扉に交換および車体塗装が変更された。2022年に廃車され、この姿は消滅した。

山陽電気鉄道 3100F
山陽電気鉄道 3100F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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D01 中期形A/旧塗装

中期形Aの落成時の姿。1972年から1973年に製造された3050F~3054Fは、新製冷房車として落成時から分散冷房装置を搭載した。また、貫通扉の幌枠形状が変更され、吊り金具が廃止された。1986年頃に前灯改造と新塗装化が施され、この姿は消滅した。

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D02 中期形A/新塗装 [前灯改造]

中期形Aの塗装変更後の姿。1986年頃に前灯改造と新塗装化が施された。2019年までに廃車され、この姿は消滅した。

山陽電気鉄道 3054F
山陽電気鉄道 3054F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2018年12月
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E01 中期形B/旧塗装

中期形Bの落成時の姿。1973年から1981年に製造された3056F~3064F、3638は、前照灯のライトケースが小型化された。また、床面は低く変更され、側扉や側窓の位置が低くなった。のちに前灯改造と塗装変更が施され、この姿は消滅した。

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E02 中期形B/旧塗装 [前灯改造]

中期形Bの前灯改造後の姿。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置された。1986年から塗装が変更され、この姿は消滅した。

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E11 中期形B/新塗装

中期形Bの塗装変更後の姿。1986年から塗装が変更された。のちに前灯改造が施され、この姿は消滅した。

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E12 中期形B/新塗装 [前灯改造]

中期形Bの前灯改造および塗装変更後の姿。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置され、1986年から塗装が変更された。2008年から2016年にかけてリニューアルが施され、現在は3066Fの3638のみがこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3066F
山陽電気鉄道 3066F
撮影場所 山陽垂水駅   撮影日 2019年7月
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E13 中期形B/新塗装 [前灯改造][リニューアル]

中期形Bの前灯改造および塗装変更後の姿。1981年頃から前照灯のケースに保護ガラスが設置され、1986年から塗装が変更された。2008年から2016年にかけてリニューアルが施され、現在は3066Fの3638のみがこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3064F
山陽電気鉄道 3064F
撮影場所 別府駅   撮影日 2023年1月
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F01 後期形A/旧塗装

後期形Aの落成時の姿。1981年と1984年に製造された3066F、3538は、新工法アルミ車体の試作車であり、側窓のユニット窓が特徴である。また、鋼製車と同様に車体に塗装が施されている。1986年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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F02 後期形A/新塗装

後期形Aの塗装変更後の姿。1986年に塗装変更された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3066F
山陽電気鉄道 3064F
撮影場所 山陽垂水駅   撮影日 2019年7月
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G01 後期形B/赤帯Ⅲ

後期形Bの落成時の姿。1981年から1984年に製造された3068F~3074F、3100Fは、アルミ車体でステンレス製の前面貫通扉が採用された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3070F
山陽電気鉄道 3070F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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H01 後期形C/赤帯Ⅲ

後期形Cの落成時の姿。1985年に製造された3076F、3078Fは、前面貫通扉がアルミ製に変更された。現在もこの姿で使用されている。

山陽電気鉄道 3076F
山陽電気鉄道 3076F
撮影場所 山陽明石駅   撮影日 2019年7月
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I01 編入形A/旧塗装

編入形Aの当初の姿。1969年から1970年にかけて2000系を付随車に改造し、3550形として9両が投入された。1979年から冷房化され、この姿は消滅した。

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I02 編入形A/旧塗装 [分散冷房]

編入形Aの冷房改造後の姿。1979年から分散冷房装置による冷房化が施された。1986年から塗装変更され、この姿は消滅した。

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I03 編入形A/新塗装 [分散冷房]

編入形Aの塗装変更後の姿。1986年から塗装が変更された。2003年までに廃車され、この姿は消滅した。

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J01 編入形B/新塗装

編入形Bの当初の姿。1998年から2300系を付随車に改造し、3560形として6両が投入された。編入時点で集中冷房装置による冷房化や新塗装化が完了していた。2004年までに廃車され、この姿は消滅した。

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