広島電鉄650形
概要
650形は広島電鉄が1942年に製造した電車である。5両が投入された。1945年に原子爆弾により被爆したが、全車両が復旧した。1967年に655号車が事故廃車、2006年に654号車が廃車され、現在は3両が使用されている。651、652号は平日朝ラッシュ時の運用、653号は貸切用に使用される。
外観の特徴
落成時の塗装は灰色と青のツートンで扉やサッシがニス塗り(以下、●旧塗装Ⅰ)であり、1948年頃に扉やサッシが車体色と同色に変更された(●旧塗装Ⅱ)。
1945年に全車両が被爆により損壊したが、651~654号は1946年までに復旧した。655号は1948年に復旧し、張り上げ屋根と埋込型の前照灯に変更された(655号復旧)。
1950年代前半には窓周りにクリーム色が追加(●旧塗装Ⅲ)され、1950年代後半にはクリーム色と緑のツートン(●新塗装Ⅰ)に変更および尾灯が追加された。1970年頃には前面に黄色の菱形模様が追加(●新塗装Ⅱ)され、1975年にはワンマン化改造により前面窓上にワンマン表示窓が追加された(ワンマン)。1980年頃には前面窓に雨樋およびひさしが設置され(前面窓改造)、1982年に前面行先表示器が大型化(大型行先表示器)された。1986年に冷房化改造(冷房)され、同時期に前面の黄色の菱形模様が消去された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | ●旧塗装Ⅰ |
A02 | 消滅 | ●旧塗装Ⅱ |
A03 | 消滅 | ●旧塗装Ⅱ [655号復旧] |
A04 | 現存 | ●旧塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
A05 | 消滅 | ●旧塗装Ⅲ |
A06 | 消滅 | ●旧塗装Ⅲ [655号復旧] |
A11 | 消滅 | ●新塗装Ⅰ [尾灯] |
A12 | 消滅 | ●新塗装Ⅰ [655号復旧][尾灯] |
A13 | 現存 | ●新塗装Ⅰ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
A14 | 消滅 | ●新塗装Ⅱ [尾灯] |
A15 | 消滅 | ●新塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン] |
A16 | 消滅 | ●新塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造] |
A17 | 消滅 | ●新塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器] |
A18 | 消滅 | ●新塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
各バリエーション解説
A04 | ●旧塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
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2015年に塗装変更された653号の姿。被爆電車特別運行プロジェクトとして、被爆当時の塗装が再現された。現在もこの姿で使用されている。
A13 | ●新塗装Ⅰ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
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1986年頃の塗装変更後の姿。前面の黄色の菱形模様が消去された。現在もこの姿で使用されている。
A18 | ●新塗装Ⅱ [尾灯][ワンマン][前面窓改造][大型行先表示器][冷房] |
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冷房化改造後の姿。1986年に冷房化改造され、屋根上に冷房装置が設置された。1986年に前面の黄色の菱形模様が消去され、この姿は消滅した。