広島電鉄570形

神戸市電気局C/E/Ⅰ/J/K/L車/神戸市交通局500形/広島電鉄570形

《最終更新》 2023年10月28日

概要

500形は神戸市電気局が1920年から製造した電車であり、導入当初の形式はC車、E車、I車、J車、K車、L車であった。1923年にC車、E車が改番され、500番台の車番に集約された。

C車は神戸市電気局が1920年に製造した電車である。10両(91~100号)が投入された。1923年に501~510号に改番された。1937年に廃車され、600形に改造された。

E車は神戸市電気局が1921年から製造した電車である。1922年にかけて20両(151~170号)が投入された。1923年に511~530号に改番された。1935年から1938年にかけて廃車され、700形に改造された。

I車は神戸市電気局が1923年に製造した電車である。20両(531~550号)が投入された。1936年から1938年にかけて廃車され、700形に改造された。

J車は神戸市電気局が1924年に製造した電車である。12両(551~562号)が投入された。1956年頃に残存車が590~592号に改番された。1960年に車体更新され、廃線後は広島電鉄に譲渡された。

K車は神戸市電気局が1926年から製造した電車である。1928年にかけて15両(563~587号)が投入された。1956年頃に残存車が571~582号に改番された。1958年から1959年にかけて車体更新され、1969年までに未更新車が廃車された。車体更新車は廃線後に広島電鉄に譲渡された。

L車は神戸市電気局が1931年に製造した電車である。10両(588~597号)が投入された。1956年頃に残存車が583~589号に改番された。1960年から1962年にかけて車体更新され、1969年までに未更新車が廃車された。車体更新車は廃線後に広島電鉄に譲渡された。

広島電鉄570形は1971年から神戸市交通局500形を譲受した電車である。1973年にかけて17両が導入された。1985年から廃車が生じ、現在も1両が使用されている。


外観の特徴

1920年に製造されたC車はダブルルーフの木造車体が特徴であり、1921年から1922年に製造されたE車はダブルルーフが廃止され、中扉が拡大された。1923年に製造されたI車は鋼製車体が採用され、中扉の戸袋窓に丸窓が採用された。1924年に製造されたJ車は運転台横の側窓が小型化され、1926年から1928年に製造されたK車は車体幅が大型化された。1931年に製造されたL車は中扉の戸袋窓の丸窓が廃止され、屋根が浅い形状に変更された。

落成時の塗装は茶色に金帯(以下、旧塗装)であり、1930年頃から緑色の単色(緑色Ⅰ)に変更された。1933年頃には前面幕板に黄帯(緑色Ⅱ)が追加され、1935年頃以降は濃淡の緑色のツートン(新塗装Ⅰ)が採用された。1958年から1962年にかけてJ車、K車、L車に車体更新が施され、側扉を前中配置に変更および側窓が二段窓に変更された。1968年には車体更新車にワンマン化改造が施され、窓下に黄帯が追加された(新塗装Ⅱ)。

広島電鉄に移籍後も神戸市電時代の塗装のまま使用されたが、1975年頃には前面に黄色の菱形模様が追加され(新塗装Ⅲ)、1978年頃に黄帯が消去された(新塗装Ⅳ)。1980年頃に前面行先表示器が大型化(大型行先表示器)され、1983年に582、584、587号に冷房化改造(冷房)が施された。1985年頃には前面の菱形模様が消去され、神戸市電のワンマン化以前の塗装になった。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 C車/旧塗装

1920年に製造されたC車(91~100号)の落成時の姿。ダブルルーフの木造車体が特徴である。1937年に廃車され、この姿は消滅した。

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B01 E車/旧塗装

1921年から1922年に製造されたE車(151~170号)の落成時の姿。ダブルルーフが廃止され、中扉が拡大された。1935年から1938年にかけて廃車され、この姿は消滅した。

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C01 I車/旧塗装

1923年に製造されたI車(531~550号)の落成時の姿。鋼製車体が採用され、中扉の戸袋窓に丸窓が採用された。1930年頃に塗装が変更され、この姿は消滅した。

C11 I車/緑色Ⅰ

I車の1930年頃の塗装変更後の姿。緑色の単色に変更された。1933年頃には前面幕板に黄帯が追加され、この姿は消滅した。

C12 I車/緑色Ⅱ

I車の1933年頃の塗装変更後の姿。前面幕板に黄帯が追加された。1936年から1938年にかけて廃車され、この姿は消滅した。

D01 J車/旧塗装

1924年に製造されたJ車(551~562号)の落成時の姿。運転台横の側窓が小型化された。1930年頃に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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D11 J車/緑色Ⅰ

J車の1930年頃の塗装変更後の姿。緑色の単色に変更された。1933年頃には前面幕板に黄帯が追加され、この姿は消滅した。

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D12 J車/緑色Ⅱ

J車の1933年頃の塗装変更後の姿。前面幕板に黄帯が追加された。1935年頃に濃淡の緑色のツートンが採用され、この姿は消滅した。

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D21 J車/新塗装Ⅰ

J車の1935年頃の塗装変更後の姿。濃淡の緑色のツートンが採用された。1958年から1962年にかけて車体更新が施され、この姿は消滅した。

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D22 J車/新塗装Ⅰ [車体更新]

J車の車体更新後の姿。1958年から1962年にかけて車体更新が施され、側扉を前中配置に変更および側窓が二段窓に変更された。1968年にワンマン化改造が施され、この姿は消滅した。

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D23 J車/新塗装Ⅰ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄581~583号の1985年頃の塗装変更後の姿。前面の菱形模様が消去され、神戸市電のワンマン化以前の塗装になった。 1987年までに廃車または冷房化によって、この姿は消滅した。

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D24 J車/新塗装Ⅰ [車体更新][大型行先表示器][冷房]

広島電鉄582号の冷房化後の姿。1983年に冷房化改造が施された。現在もこの姿で使用されている。

広島電鉄 582号
広島電鉄 582号
撮影場所 広電本社前停留場付近   撮影日 2021年3月
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D25 J車/新塗装Ⅱ [車体更新]

J車のワンマン化改造後の姿。1968年にワンマン化改造が施され、窓下に黄帯が追加された。広島電鉄に譲渡後もこの姿のまま使用され、1975年頃に塗装変更により、この姿は消滅した。

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D26 J車/新塗装Ⅲ [車体更新]

広島電鉄581~583号の1975年頃の塗装変更後の姿。前面に黄色の菱形模様が追加された。1978年頃に黄帯が消去され、この姿は消滅した。

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D27 J車/新塗装Ⅳ [車体更新]

広島電鉄581~583号の1978年頃の塗装変更後の姿。黄帯が消去された。1980年頃に前面行先表示器が大型化され、この姿は消滅した。

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D28 J車/新塗装Ⅳ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄581~583号の前面行先表示器改造後の姿。1980年頃に前面行先表示器が大型化された。1985年頃に前面の菱形模様が消去され、この姿は消滅した。

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E01 K車/旧塗装

1926年から1928年に製造されたK車(563~587号)の落成時の姿。車体幅が大型化された。1930年頃に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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E11 K車/緑色Ⅰ

K車の1930年頃の塗装変更後の姿。緑色の単色に変更された。1935年頃に濃淡の緑色のツートンが採用され、この姿は消滅した。

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E21 K車/新塗装Ⅰ

K車の1935年頃の塗装変更後の姿。濃淡の緑色のツートンが採用された。1969年までに廃車または車体更新が施され、この姿は消滅した。

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E22 K車/新塗装Ⅰ [車体更新]

K車の車体更新後の姿。1958年から1962年にかけて車体更新が施され、側扉を前中配置に変更および側窓が二段窓に変更された。1968年にワンマン化改造が施され、この姿は消滅した。

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E23 K車/新塗装Ⅰ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄571~580号の1985年頃の塗装変更後の姿。前面の菱形模様が消去され、神戸市電のワンマン化以前の塗装になった。 1998年までに廃車され、578号がサンフランシスコ市で保存されている。

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E24 K車/新塗装Ⅱ [車体更新]

K車のワンマン化改造後の姿。1968年にワンマン化改造が施され、窓下に黄帯が追加された。広島電鉄に譲渡後もこの姿のまま使用され、1975年頃に塗装変更により、この姿は消滅した。

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E25 K車/新塗装Ⅲ [車体更新]

広島電鉄571~580号の1975年頃の塗装変更後の姿。前面に黄色の菱形模様が追加された。1978年頃に黄帯が消去され、この姿は消滅した。

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E26 K車/新塗装Ⅳ [車体更新]

広島電鉄571~580号の1978年頃の塗装変更後の姿。黄帯が消去された。1980年頃に前面行先表示器が大型化され、この姿は消滅した。

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E27 K車/新塗装Ⅳ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄571~580号の前面行先表示器改造後の姿。1980年頃に前面行先表示器が大型化された。1985年頃に前面の菱形模様が消去され、この姿は消滅した。

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F01 L車/旧塗装

1931年に製造されたL車(588~597号)の落成時の姿。中扉の戸袋窓の丸窓が廃止され、屋根が浅い形状に変更された。1930年頃に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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F11 L車/緑色Ⅰ

L車の1930年頃の塗装変更後の姿。緑色の単色に変更された。1935年頃に濃淡の緑色のツートンが採用され、この姿は消滅した。

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F21 L車/新塗装Ⅰ

L車の1935年頃の塗装変更後の姿。濃淡の緑色のツートンが採用された。1969年までに廃車または車体更新が施され、この姿は消滅した。

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F22 L車/新塗装Ⅰ [車体更新]

L車の車体更新後の姿。1958年から1962年にかけて車体更新が施され、側扉を前中配置に変更および側窓が二段窓に変更された。1968年にワンマン化改造が施され、この姿は消滅した。

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F23 L車/新塗装Ⅰ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄584~587号の1985年頃の塗装変更後の姿。前面の菱形模様が消去され、神戸市電のワンマン化以前の塗装になった。 1985年までに廃車または冷房化され、この姿は消滅した。

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F24 L車/新塗装Ⅰ [車体更新][大型行先表示器][冷房]

広島電鉄584、587号の冷房化後の姿。1983年に冷房化改造が施された。2006年までに廃車され、この姿は消滅した。

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F25 L車/新塗装Ⅱ [車体更新]

L車のワンマン化改造後の姿。1968年にワンマン化改造が施され、窓下に黄帯が追加された。広島電鉄に譲渡後もこの姿のまま使用され、1975年頃に塗装変更により、この姿は消滅した。

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F26 L車/新塗装Ⅲ [車体更新]

広島電鉄584~587号の1975年頃の塗装変更後の姿。前面に黄色の菱形模様が追加された。1978年頃に黄帯が消去され、この姿は消滅した。

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F27 L車/新塗装Ⅳ [車体更新]

広島電鉄584~587号の1978年頃の塗装変更後の姿。黄帯が消去された。1980年頃に前面行先表示器が大型化され、この姿は消滅した。

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F28 L車/新塗装Ⅳ [車体更新][大型行先表示器]

広島電鉄584~587号の前面行先表示器改造後の姿。1980年頃に前面行先表示器が大型化された。1985年頃に前面の菱形模様が消去され、この姿は消滅した。

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