阪堺電気軌道モ161形

南海鉄道電4/5形/南海電気鉄道モ301形

《最終更新》 2024年1月29日

概要

電4形は南海鉄道が1927年に製造した電車である。10両が投入された。1930年にモ151形に改称された。一部がモ161形、モ301形に編入され、残存車は1989年までに廃車された。

電5形は南海鉄道が1928年から製造した電車である。1931年にかけて16両が投入された。1930年にモ161形に改称された。現在も一部車両が営業運転に使用される。

モ301形は南海電気鉄道が1949年から導入した電車である。モ151形とモ161形を改造し、7両が投入された。2000年までに廃車された。


外観の特徴

落成時は前照灯が前面窓下にあり、車体塗装は電4形(モ151形)が茶色(以下、茶色)、電5形(モ161形)が緑色(緑色Ⅰ)である。のちにモ151形も緑色に変更された。

1940年代に雨樋が設置され、1950年代に前照灯が前面窓上に移設された(灯具移設)。1960年代には車体塗装が白と緑のツートン(旧塗装)に変更され、1970年代に緑色でサッシがニス塗り(緑色Ⅱ)に変更された。1976年からワンマン化改造が施され、前面行先表示器の設置(前面幕)、前面窓中央に通風口の設置(通風口)、一部車両は後位扉が閉塞(後位扉閉塞)された。1970年代後半には車体塗装が青色に白い雲のデザイン(青雲色)、黄緑色に白い雲のデザイン(緑雲色)に変更され、1985年代以降は緑に白帯(新塗装)が採用された。1985年頃にはモ167に試験塗装が施され、緑に黄帯で前面にV字のデザイン(試験色Ⅰ)、V字のデザインを省略した塗装(試験色Ⅱ)が採用された。2014年にはモ162が車体全体が緑色(緑色Ⅲ)、2020年にはモ162が筑豊電鉄2000形に準じた赤にクリーム色(筑鉄色)に変更された。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 茶色

電4形(モ151形)の落成時の姿。車体塗装が茶色であった。塗装変更によりこの姿は消滅した。

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A02 茶色 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ164、166の2014年頃の塗装変更後の姿。モ151形の落成時に準じた塗装が採用された。現在はモ164がこの姿で使用されている。

阪堺電気軌道 モ164
阪堺電気軌道 モ164
撮影場所 住吉鳥居前停留場付近   撮影日 2023年3月
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A11 緑色Ⅰ

電5形(モ161形)の落成時の姿。車体塗装が緑色であった。1940年代に雨樋が設置され、この姿は消滅した。

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A12 緑色Ⅰ [雨樋]

雨樋設置後の姿。1940年代に雨樋が設置された。1950年代に前照灯が移設され、この姿は消滅した。

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A13 緑色Ⅰ [雨樋][灯具移設]

前照灯移設後の姿。1950年代に前照灯が前面窓上に移設された。1960年代に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A14 緑色Ⅰ [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ162、163の2002年頃の塗装変更後の姿。モ161形の落成時に準じた塗装が採用された。塗装変更または廃車によってこの姿は消滅した。

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A15 緑色Ⅰ [雨樋][灯具移設][前面幕改造][通風口]

昭和40年代復元後のモ161の姿。2011年に昭和40年代を再現した復元が施された。前面行先表示器が平滑化された。現在もこの姿で使用されている。

阪堺電気軌道 モ161
阪堺電気軌道 モ161
撮影場所 塚西停留場付近   撮影日 2024年1月
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A21 緑色Ⅱ [雨樋][灯具移設]

1970年代の塗装変更後の姿。緑色でサッシがニス塗りに変更された。1976年以降に前面行先表示器が設置され、この姿は消滅した。

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A22 緑色Ⅱ [雨樋][灯具移設][前面幕]

ワンマン化改造後の姿。1976年以降にワンマン化改造が施され、前面行先表示器が設置された。のちに前面通風口が設置され、この姿は消滅した。

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A22 緑色Ⅱ [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

通風口設置後の姿。ワンマン化改造と同時期に前面通風口が設置された。1970年代後半の塗装変更により、この姿は消滅した。

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A31 緑色Ⅲ [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ162の2014年頃の塗装変更後の姿。車体全体が緑色に変更された。2020年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A41 旧塗装 [雨樋][灯具移設]

1960年代の塗装変更後の姿。白と緑のツートンが採用された。1970年代に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A42 旧塗装 [雨樋][灯具移設][後位扉閉塞]

後位扉の閉塞改造後の姿。一部車両のみ後位扉を撤去し、側窓が設置された。1970年代に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A43 旧塗装 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ165の2012年頃の塗装変更後の姿。1960年代後半の塗装が再現された。2017年にはモ166にも同じ塗装が施された。現在はモ165があびこ道車庫に留置されている。

阪堺電気軌道 モ165
阪堺電気軌道 モ165
撮影場所 あびこ道車庫   撮影日 2023年8月
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A51 新塗装 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

1985年頃の塗装変更後の姿。緑に白帯が採用された。2013年までに塗装変更または廃車され、この姿は消滅した。

阪堺電気軌道 モ172
阪堺電気軌道 モ172
撮影場所 天王寺駅前停留場付近   撮影日 2007年4月
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A52 新塗装 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口][後位扉閉塞]

後位扉閉塞車の1985年頃の塗装変更後の姿。2003年までに廃車され、この姿は消滅した。

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A61 試験色Ⅰ [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ167の1985年頃の塗装変更後の姿。試験塗装として緑に黄帯で前面にV字のデザインが施された。のちに前面のデザインが省略され、この姿は消滅した。2010年にモ164、2020年にも166にこの塗装が施された。現在はモ166がこの姿で使用されている。

阪堺電気軌道 モ166
阪堺電気軌道 モ166
撮影場所 あびこ道車庫   撮影日 2022年6月
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A62 試験色Ⅱ [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ167の1985年頃の塗装変更後の姿。試験塗装として緑に黄帯が施された。塗装変更によって、この姿は消滅した。2010年にはモ164にこの塗装が施され、2014年まで使用された。

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A71 青雲色 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

1970年代後半の塗装変更後の姿。青色に白い雲のデザインが採用された。1980年代に塗装変更によってこの姿は消滅した。2011年にはモ168、2017年にモ164にこの塗装が施された。現在はモ168が大阪府貝塚市に保存されている。

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A72 青雲色 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口][後位扉閉塞]

後位扉閉塞車の1970年代後半の塗装変更後の姿。青色に白い雲のデザインが採用された。1980年代に塗装変更によってこの姿は消滅した。

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A81 緑雲色 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

1970年代後半の塗装変更後の姿。黄緑色に白い雲のデザインが採用された。1980年代に塗装変更によってこの姿は消滅した。2010年にはモ166にこの塗装が施された。

阪堺電気軌道 モ166
阪堺電気軌道 モ166
撮影場所 住吉鳥居前停留場付近   撮影日 2012年12月
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A91 西鉄色 [雨樋][灯具移設][前面幕][通風口]

モ162の2020年の塗装変更後の姿。筑豊電鉄2000形に準じた赤にクリーム色が採用された。現在もこの姿で使用されている。

阪堺電気軌道 モ162
阪堺電気軌道 モ162
撮影場所 住吉鳥居前停留場付近   撮影日 2021年3月
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