大阪市交通局2601形/広島電鉄900形
概要
2601形は大阪市交通局が1955年から製造した電車である。旧型車の機器を流用し、1961年にかけて114両が投入された。
広島電鉄900形は1969年に大阪市交通局2601形を譲受した電車である。14両が導入された。
外観の特徴
2601~2620号(以下、前期形)は車掌窓が上昇窓であり、2621号以降(後期形)は引違い窓が採用された。塗装は茶色とベージュのツートン(●標準色Ⅰ)であり、1965年に一部車両にワンマン化改造が施され、青帯が追加された(●青帯Ⅰ)。
広島電鉄に移籍後も大阪市電時代の姿のまま使用され、1975年頃に前面に黄色の菱形模様が追加(●青帯Ⅱ)、1976年頃には青帯が消去された(●標準色Ⅱ)。1980年代後半には前面の黄色の菱形模様が消去され、落成時に準じた塗装になった。
改造による変化として、1980年頃に前面中央窓が開閉式に改造(前面窓改造A)され、のちに一部車両の前面中央窓が拡大された(前面窓改造B)。1986年から1989年にかけて一部車両が冷房化され、屋根上に冷房装置(冷房)の搭載および前面行先表示器が大型化(大型行先表示器)された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●標準色Ⅰ |
B01 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅰ |
B02 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造A] |
B03 | 現存 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造A][冷房][大型行先表示器] |
B04 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造B] |
B05 | 現存 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造B][冷房][大型行先表示器] |
B11 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅱ |
B12 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅱ [前面窓改造A] |
B21 | 消滅 | 後期形/●青帯Ⅰ |
B22 | 消滅 | 後期形/●青帯Ⅱ |
各バリエーション解説
B02 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造A] |
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広島電鉄900形の1980年代後半の塗装変更後の姿。前面の黄色の菱形模様が消去され、大阪市電時代の塗装になった。1989年までに冷房化改造または廃車され、この姿は消滅した。
B03 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造A][冷房][大型行先表示器] |
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広島電鉄900形の冷房化改造後の姿。1986年から1989年にかけて一部車両が冷房化され、屋根上に冷房装置の搭載および前面行先表示器が大型化された。2020年までに廃車され、現在は906号が韓国ソウル市に保存されている。
B05 | 後期形/●標準色Ⅰ [前面窓改造B][冷房][大型行先表示器] |
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広島電鉄900形の冷房化改造後の姿。1986年から1989年にかけて一部車両が冷房化され、屋根上に冷房装置の搭載および前面行先表示器が大型化された。一部車両は前面中央窓が拡大されている。現在は913号がこの姿で使用されている。
B21 | 後期形/●青帯Ⅰ |
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ワンマン化後の姿。1965年に一部車両にワンマン化改造が施され、青帯が追加された。広島電鉄譲渡後もこの姿のまま使用された。1975年頃に前面に黄色の菱形模様が追加され、この姿は消滅した。