静岡鉄道1000形

静岡鉄道/熊本電気鉄道1000形/えちぜん鉄道MC8000形

《最終更新》 2025年7月3日

概要

1000形は静岡鉄道が1973年から製造した電車である。1985年にかけて2両編成12本が投入された。2024年までに運用を終了し、廃車または一部が熊本電気鉄道、えちぜん鉄道に譲渡された。

熊本電気鉄道1000形は2022年から静岡鉄道1000形を譲受した電車である。2024年にかけて2両編成2本が導入された。

えちぜん鉄道MC8000形は静岡鉄道1000形を譲受した電車である。2023年に2両編成1本が導入され、観光列車「恐竜列車」として運行される。


外観の特徴

1976年までに製造された車両(以下、前期形)は非冷房で落成され、1986年から1989年にかけて集中式冷房装置(集中冷房)により冷房化された。1979年以降に製造された車両(後期形)は落成時から分散式冷房装置(分散冷房)を搭載しており、車体の天井高さが異なる。

落成時の塗装は全車両がステンレス地の無塗装(以下、●無塗装)であったが、1985年に1011Fの前面にストライプが施された。帯色は1011号車が緑色(試験帯Ⅰ)、1511号車が赤と青色(試験帯Ⅱ)である。同編成は後に深緑・緑・薄緑色(試験帯Ⅲ)に変更された。

1986年以降は一部編成に緑・赤・黄緑の前面ストライプ(旧塗装)が施され、1987年以降は青・オレンジ・黄緑(新塗装Ⅰ)に変更された。1993年には1011Fが観光キャンペーンの広告車として側面に青帯が追加(青帯Ⅰ)され、広告終了後も青帯が残された。

1998年より全車両の前面裾部にオレンジ帯が追加(新塗装Ⅱ)され、側面に青帯が施された1011Fも同様に変更(青帯Ⅱ)された。1011Fは2011年に前面帯も青帯に変更(青帯Ⅲ)された。2013年には1007Fが300形に準じた青帯塗装(復刻色)に変更された。

このほか車体広告の解除時に前面裾部のオレンジ帯のみが施された状態(橙帯)で使用された車両も存在した。

改造による変化として、2008年から2010年にかけて全車両にスカートが設置された。

熊本電気鉄道1000形は導入時にミラー設置および行先表示器がLED式(LED)に変更された。1009Fは静岡鉄道時代の塗装のまま使用され、1012Fは前面に青帯(青帯Ⅳ)である。

えちぜん鉄道MC8000形は導入時に観光列車「恐竜列車」の専用車両として改造され、前面灯具の移設および側扉の更新(えちぜん改造)が施され、外装は恐竜が描かれたデザインが採用された(●恐竜列車)。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/●無塗装

前期形(1001F~1008F)の落成時の姿。非冷房であった。

リストへ戻る
A02 前期形/●無塗装 [集中冷房]

前期形の冷房化改造後の姿。塗装変更やスカート設置によりこの姿は消滅した。

リストへ戻る
A03 前期形/●無塗装 [集中冷房][スカート]

2015年にラッピングが解除された1003Fの姿。スカートが設置されていた。2018年に廃車され、この姿は消滅した。2023年に長沼車庫に保管されている1001号車の前面帯が消去され、現在もこの姿で保管されている。

静岡鉄道 1003編成
静岡鉄道 1003F
撮影場所 草薙駅付近   撮影日 2016年4月
リストへ戻る
A11 前期形/旧塗装

前期形の塗装変更後の姿。1986年に一部車両の前面にストライプが施された。後に帯色が変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
A12 前期形/旧塗装 [集中冷房]

前期形の塗装変更と冷房化後の姿。1986年に一部車両の前面にストライプが施された。一部車両は冷房化改造が施されていた。後に帯色が変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
A21 前期形/新塗装Ⅰ [集中冷房]

前期形の塗装変更と冷房化後の姿。1987年以降は前面ストライプの帯色が変更された。1998年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
A31 前期形/新塗装Ⅱ [集中冷房]

前期形の1998年以降の姿。前面裾部に帯が追加された。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。

静岡鉄道 1003編成
静岡鉄道 1003F
撮影場所 新静岡駅付近   撮影日 2010年4月
リストへ戻る
A32 前期形/新塗装Ⅱ [集中冷房][スカート]

前期形のスカート設置後の姿。2008年から全車両にスカートが設置された。2024年までに運用離脱し、1008Fが長沼車庫に保管されている。

静岡鉄道 1008編成
静岡鉄道 1008F
撮影場所 桜橋駅付近   撮影日 2022年3月
リストへ戻る
A41 前期形/橙帯 [集中冷房][スカート]

2012年にラッピングが解除された1005Fの姿。前面ストライプが省略され、裾部の帯だけの姿が特徴であった。2019年に廃車され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
A51 前期形/復刻色 [集中冷房][スカート]

2013年に青帯が施された1007Fの姿。2019年に廃車され、この姿は消滅した。

静岡鉄道 1007編成
静岡鉄道 1007F
撮影場所 草薙駅付近   撮影日 2016年4月
リストへ戻る
B01 後期形/●無塗装 [分散冷房]

後期形(1009F~1012F)の落成時の姿。落成時から冷房装置を搭載していた。

リストへ戻る
B11 後期形/試験帯Ⅰ [分散冷房]

1985年に試験塗装が施された1011Fの1011号車の姿。帯色は緑であった。後に帯色が変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B12 後期形/試験帯Ⅱ [分散冷房]

1985年に試験塗装が施された1011Fの1511号車の姿。帯色は赤と青であった。後に帯色が変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B13 後期形/試験帯Ⅲ [分散冷房]

帯色変更後の1011Fの姿。帯色が深緑・緑・薄緑色に変更された。再度帯色が変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B21 後期形/新塗装Ⅰ [分散冷房]

後期形の塗装変更後の姿。1987年以降は前面ストライプの帯色が変更された。1998年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B22 後期形/新塗装Ⅰ [分散冷房][スカート]

2018年に前面裾部の帯が撤去された1009Fの姿。2019年に帯が復元され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B31 後期形/新塗装Ⅱ [分散冷房]

後期形の1998年以降の姿。前面裾部に帯が追加された。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B32 後期形/新塗装Ⅱ [分散冷房][スカート]

後期形のスカート設置後の姿。2008年から全車両にスカートが設置された。2023年までに廃車され、この姿は消滅した。

静岡鉄道 1010編成
静岡鉄道 1010F
撮影場所 草薙駅付近   撮影日 2018年8月
リストへ戻る
B33 後期形/新塗装Ⅱ [分散冷房][スカート][LED]

熊本電気鉄道1009Fの姿。導入時にミラー設置および行先表示器がLED式に変更された。現在もこの姿で使用されている。

熊本電気鉄道 1009編成
熊本電気鉄道 1009F
撮影場所 黒髪町駅付近   撮影日 2025年6月
リストへ戻る
B41 後期形/青帯Ⅰ [分散冷房]

1993年に観光キャンペーンの広告車として側面に青帯が追加された1011Fの姿。1998年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B42 後期形/青帯Ⅱ [分散冷房]

1011Fの1998年以降の姿。前面裾部に帯が追加された。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。

リストへ戻る
B43 後期形/青帯Ⅱ [分散冷房][スカート]

1011Fのスカート設置後の姿。2008年以降にスカートが設置された。2011年に前面ストライプの帯色が変更され、この姿は消滅した。

静岡鉄道 1011編成
静岡鉄道 1011F
撮影場所 新静岡駅付近   撮影日 2010年4月
リストへ戻る
B44 後期形/青帯Ⅲ [分散冷房][スカート]

1011Fの塗装変更後の姿。2011年に前面ストライプが青帯に変更された。2023年の運用離脱後は長沼車庫に留置されていたが、2025年に解体され、この姿は消滅した。

静岡鉄道 1011編成
静岡鉄道 1011F
撮影場所 長沼駅付近   撮影日 2023年5月
リストへ戻る
B45 後期形/青帯Ⅲ [分散冷房][スカート]

熊本電気鉄道1012Fの姿。前面帯に青帯が採用された。導入時にミラー設置および行先表示器がLED式に変更された。現在もこの姿で使用されている。

熊本電気鉄道 1012F
熊本電気鉄道 1012F
撮影場所 長沼駅付近   撮影日 2025年6月
リストへ戻る
B51 後期形/●恐竜列車 [分散冷房][スカート][えちぜん改造]

えちぜん鉄道8001Fの姿。導入時に観光列車「恐竜列車」の専用車両として改造され、前面灯具の移設および側扉の更新が施され、外装は恐竜が描かれたデザインが採用された。現在もこの姿で使用されている。

えちぜん鉄道 8001F
えちぜん鉄道 8001F
撮影場所 新福井駅   撮影日 2025年6月
リストへ戻る

関連車両