江ノ島電鉄300形

江ノ島鎌倉観光300形

《最終更新》 2023年12月22日

概要

300形は江ノ島鎌倉観光が1956年から導入した電車である。1968年にかけて2両編成6本が投入された。1991年から2008年にかけて廃車され、現在は1編成のみが運用されている。


外観の特徴

1956年に100形113、114号を改造した301F(以下、前期形A)は車体幅が小さく、前面のバンパーが特徴である。1957年に100形101~104号を改造した302F、303F(前期形B)は車体幅が拡大され、前面中央窓が大型化された。1958年に100形106、109号車を改造した304F(中期形A)は張り上げ屋根の車体であり、1960年に新造した305F(中期形B)は側窓の上部に固定窓が採用された。1968年に200形を改造した306Fは藤沢方の306号(後期形A)が雨樋が高く、鎌倉方の356号(後期形B)は雨樋が低い。

落成時の塗装は緑色とクリーム色のツートンであり、301F~303Fは窓のヘッダーに合わせた塗分け(標準色Ⅰ)、304F、305Fは側扉の上辺に合わせた塗分け(標準色Ⅱ)、306Fは前面に曲線状のデザイン(標準色Ⅲ)が施された。1972年頃に306F、1990年頃に302F、303Fが標準色Ⅱに変更された。1986年頃に304F、1992年に冷房化改造後の303Fが標準色Ⅰになり、2000年頃に303F、2005年に304Fが標準色Ⅱに変更された。特別塗装として、1995年に305Fが水色とクリーム色(青電色)、2002年に304Fが茶色とクリーム色(チョコ電)に変更された。

改造による変化として、1960年代に縦樋が追加(縦樋)され、301Fは前照灯が埋込み式から外付け式に変更された(前照灯改造)。1971年頃に301F~303Fに乗務員扉が設置され(乗務員扉)、1972年頃に306Fの前面方向幕の撤去(方向幕撤去)および乗務員扉が設置された。1970年代後半から1987年頃にかけて、全編成の窓サッシがアルミ製に変更された(サッシ改造)。1980年頃に301F~305Fの前照灯が前面窓下に移設(前照灯移設)され、304Fのみ一時的に従来の前照灯を残置していた(前照灯増設)。1986年頃に304Fのウィンドウヘッダーが撤去(ヘッダー撤去)され、1990年から1992年にかけて303F~305Fが冷房化された(冷房)。303Fは冷房化改造時に張り上げ屋根に改造され(屋根改造)、1994年頃に側窓が二段窓に変更された(二段窓)。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形A/標準色Ⅰ

1956年に100形113、114号を改造した301Fの姿。車体幅が小さく、前面のバンパーが特徴である。1960年代に縦樋の追加および前照灯が改造され、この姿は消滅した。

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A02 前期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯改造]

301Fの縦樋追加および前照灯改造後の姿。1960年代に縦樋の追加および、前照灯が埋込み式から外付け式に変更された。1971年頃に乗務員扉が設置され、この姿は消滅した。

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A03 前期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯改造][乗務員扉]

301Fの乗務員扉設置後の姿。1971年頃に乗務員扉が設置された。1980年頃に前照灯が移設され、この姿は消滅した。

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A04 前期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯移設][乗務員扉]

301Fの前照灯移設後の姿。1980年頃に前照灯が前面窓下に移設された。後に窓サッシがアルミ製に変更され、この姿は消滅した。

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A05 前期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯移設][乗務員扉][サッシ改造]

301Fの窓サッシ改造後の姿。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更された。1992年に廃車され、この姿は消滅した。

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B01 前期形B/標準色Ⅰ

1957年に100形101~104号を改造した302F、303Fの姿。車体幅が拡大され、前面中央窓が大型化された。1960年代に縦樋が追加され、この姿は消滅した。

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B02 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋]

302F、303Fの縦樋追加後の姿。1960年代に縦樋が追加された。1971年頃に乗務員扉が設置され、この姿は消滅した。

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B03 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋][乗務員扉]

302F、303Fの乗務員扉設置後の姿。1971年頃に乗務員扉が設置された。1970年代後半に窓サッシがアルミ製に変更され、この姿は消滅した。

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B04 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造]

302F、303Fの窓サッシ改造後の姿。1970年代後半に窓サッシがアルミ製に変更された。1980年頃に前照灯が移設され、この姿は消滅した。

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B05 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造][前照灯移設]

302F、303Fの前照灯移設後の姿。1980年頃に前照灯が前面窓下に移設された。1990年頃に塗分けが変更され、この姿は消滅した。

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B06 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造][前照灯移設][屋根改造][冷房]

303Fの冷房化改造後の姿。1992年に冷房化改造が施され、冷房装置の搭載および張り上げ屋根に改造された。1994年頃に側窓が改造され、この姿は消滅した。

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B07 前期形B/標準色Ⅰ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造][前照灯移設][屋根改造][冷房]

303Fの側窓改造後の姿。1994年頃に側窓が二段窓に改造された。2000年頃に塗分けが変更され、この姿は消滅した。

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B11 前期形B/標準色Ⅱ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造][前照灯移設]

302F、303Fの1990年頃の塗装変更後の姿。側扉の上辺に合わせた塗分けが採用された。1992年に303Fが冷房化改造、1998年に302Fが廃車され、302Fが山梨県内に保存されている。

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B12 前期形B/標準色Ⅱ [縦樋][乗務員扉][サッシ改造][前照灯移設][屋根改造][冷房][二段窓]

303Fの2000年頃の塗装変更後の姿。側扉の上辺に合わせた塗分けが採用された。2008年に廃車され、この姿は消滅した。

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C01 中期形A/標準色Ⅱ

1958年に100形106、109号車を改造した304Fの姿。張り上げ屋根の車体が採用された。1960年代に縦樋が追加され、この姿は消滅した。

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C02 中期形A/標準色Ⅱ [縦樋]

304Fの縦樋追加後の姿。1960年代に縦樋が追加された。1980年頃に前照灯が増設され、この姿は消滅した。

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C03 中期形A/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯増設]

304Fの前照灯増設後の姿。1980年頃に前照灯が前面窓下に増設された。のちに前面窓上の前照灯撤去および、窓サッシが改造され、この姿は消滅した。

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C04 中期形A/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造]

304Fの窓サッシ改造後の姿。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更され、前面窓上の前照灯が撤去された。1986年に塗装変更およびウィンドウヘッダーが撤去され、この姿は消滅した。

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C05 中期形A/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][ヘッダー撤去][冷房]

304Fの2005年の塗装変更後の姿。引退を記念して標準色に復元された。同年に廃車され、この姿は消滅した。

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C11 中期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][ヘッダー撤去]

304Fのウィンドウヘッダー撤去後の姿。1986年にウィンドウヘッダーが撤去され、車体塗装が側面窓上に合わせた塗分けに変更された。1991年に冷房化され、この姿は消滅した。

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C12 中期形A/標準色Ⅰ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][ヘッダー撤去][冷房]

304Fの冷房化改造後の姿。1991年に冷房化改造が施され、屋根上に冷房装置が搭載された。2002年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C21 中期形A/チョコ電 [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][ヘッダー撤去][冷房]

304Fの2002年の塗装変更後の姿。100周年記念特別塗装車両「チョコ電」として茶色とクリーム色が採用された。2005年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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D01 中期形B/標準色Ⅱ

1960年に新造した305Fの姿。側窓の上部に固定窓が採用された。1960年代に縦樋が追加され、この姿は消滅した。

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D02 中期形B/標準色Ⅱ [縦樋]

305Fの縦樋追加後の姿。1960年代に縦樋が追加された。1980年頃に前照灯が移設され、この姿は消滅した。

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D03 中期形B/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯移設]

305Fの前照灯移設後の姿。1980年頃に前照灯が前面窓下に移設された。1987年頃に窓サッシがアルミ製に変更され、この姿は消滅した。

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D04 中期形B/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造]

305Fの窓サッシ改造後の姿。1987年頃に窓サッシがアルミ製に変更された。1990年に冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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D05 中期形B/標準色Ⅱ [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][冷房]

305Fの冷房化改造後の姿。1990年にに冷房化改造が施され、屋根上に冷房装置が搭載された。2002年に塗装変更され、この姿は消滅した。

江ノ島電鉄 305F
江ノ島電鉄 305F
撮影場所 七里ヶ浜駅付近   撮影日 2022年10月
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D11 中期形B/青電色 [縦樋][前照灯移設][サッシ改造][冷房]

305Fの1995年の塗装変更後の姿。青電として水色とクリーム色が採用された。1996年に標準色に変更され、この姿は消滅した。

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E01 後期形A/標準色Ⅲ

1968年に200形を改造した306F306号の姿。356号と比較して雨樋が高い点が特徴である。1972年頃に前面方向幕撤去および乗務員扉設置、前面の塗装デザインが変更され、この姿は消滅した。

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E11 後期形A/標準色Ⅱ [乗務員扉][方向幕撤去]

306F306号の塗装変更後の姿。1972年頃に前面の塗装デザインが変更され、前面方向幕撤去および、乗務員扉が設置された。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更され、この姿は消滅した。

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E12 後期形A/標準色Ⅱ [乗務員扉][方向幕撤去][サッシ改造]

306F306号の窓サッシ改造後の姿。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更された。1991年に廃車され、この姿は消滅した。

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F01 後期形B/標準色Ⅲ

1968年に200形を改造した306F356号の姿。306号と比較して雨樋が低い点が特徴である。1972年頃に前面方向幕撤去および乗務員扉設置、前面の塗装デザインが変更され、この姿は消滅した。

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F11 後期形B/標準色Ⅱ [乗務員扉][方向幕撤去]

306F356号の塗装変更後の姿。1972年頃に前面の塗装デザインが変更され、前面方向幕撤去および、乗務員扉が設置された。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更され、この姿は消滅した。

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F12 後期形B/標準色Ⅱ [乗務員扉][方向幕撤去][サッシ改造]

306F356号の窓サッシ改造後の姿。1980年代に窓サッシがアルミ製に変更された。1991年に廃車され、この姿は消滅した。

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