箱根登山鉄道モハ1/2/3形

小田原電気鉄道チキ1/2形/箱根登山鉄道チキ3形

《最終更新》 2023年12月23日

概要

チキ1形は小田原電気鉄道が1919年に製造した電車である。7両(1~7)が投入された。1950年に鋼体化改造が施され、101~104、106、107に改番された。1952年にモハ1形に改称された。

チキ2形は小田原電気鉄道が1927年から製造した電車である。1935年にかけて5両(8~10、111、112)が投入された。1952年にはモハ2形108~112に改称、改番された。

チキ3形は箱根登山鉄道が1935年に製造した電車である。3両(113~115)が投入された。1952年にモハ3形に改称された。


外観の特徴

チキ1形(以下、前期形)はダブルルーフの木造車体が特徴であり、1927年に製造されたチキ2形(中期形)はシングルルーフの木造車体、1935年に製造されたチキ2、3形(後期形A)は半鋼製車体が特徴である。1950年にチキ1形の鋼体化改造が施され、モハ3形に対してリベット廃止および通風器を6基搭載した車体が新造された(後期形B)。1955年から1957年にはモハ2形の木造車に鋼体化改造が施され、側扉間の側窓が6個に変更された車体が新造された(後期形C)。

落成時の塗装は茶色(茶色)であり、1930年代に緑色(緑色)に変更された。1949年頃には水色と黄色のツートン(水色)が採用され、1957年頃にオレンジとグレーに白帯(新塗装Ⅰ)に変更された。当初は前面に曲線状の塗分けが採用されたが、1964年頃から直線状の塗分け(新塗装Ⅱ)に変更された。2000年代に側扉が更新され、側扉のみステンレス地の無塗装(新塗装Ⅲ)に変更された。特別塗装として、1993年に104、106、110号がオレンジと茶色に白帯、側扉が銀色(レーティッシュ色)に変更された。

改造による変化として、1930年頃に前照灯が前面窓下から屋根上に移設(前照灯移設)され、1940年頃にチキ1形の中扉が廃止された(2扉化)。1960年代に窓サッシがアルミ化(サッシ交換)され、1980年代に前照灯がシールドビーム(小型前照灯)に改造された。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴
C12 消滅 後期形A/水色 [サッシ交換]
D14 消滅 後期形B/新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯]

各バリエーション解説

A01 前期形/茶色

チキ1形の落成時の姿。ダブルルーフの木造車体が特徴である。1930年代に前照灯移設および塗装変更され、この姿は消滅した。

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A11 前期形/緑色 [前照灯移設]

チキ1形の前照灯移設および塗装変更後の姿。1930年代に前照灯が前面窓下から屋根上に移設され、車体塗装が緑色に変更された。1940年頃に中扉が廃止され、この姿は消滅した。

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A12 前期形/緑色 [前照灯移設][2扉化]

チキ1形の中扉廃止後の姿。1940年頃にチキ1形の中扉が廃止され、2扉化された。1950年に鋼体化改造が施され、この姿は消滅した。

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B01 中期形/茶色

1927年に製造されたチキ2形の落成時の姿。シングルルーフの木造車体が特徴である。1930年代に前照灯移設および塗装変更され、この姿は消滅した。

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B11 中期形/緑色 [前照灯移設]

1927年に製造されたチキ2形の前照灯移設および塗装変更後の姿。1930年代に前照灯が前面窓下から屋根上に移設され、車体塗装が緑色に変更された。1949年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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B21 中期形/水色 [前照灯移設]

1927年に製造されたチキ2形の1949年頃の塗装変更後の姿。水色と黄色のツートンに変更された。1957年までに鋼体化改造が施され、この姿は消滅した。

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C01 後期形A/緑色

1935年に製造された111~115号の落成時の姿。半鋼製車体が特徴である。1949年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C11 後期形A/水色

111~115号の1949年頃の塗装変更後の姿。水色と黄色のツートンに変更された。1957年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C12 後期形A/水色 [サッシ交換]

114号の1997年の塗装変更後の姿。引退時に1950年代の塗装が再現された。1997年に廃車され、この姿は消滅した。

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C21 後期形A/新塗装Ⅰ [サッシ交換]

111~115号の1957年頃の塗装変更後の姿。オレンジとグレーに白帯で前面に曲線状の塗分けが採用された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。

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C22 後期形A/新塗装Ⅱ [サッシ交換]

111~115号の1964年頃の塗装変更後の姿。前面の塗分けが直線状に変更された。1980年代に前照灯がシールドビーム化され、この姿は消滅した。

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C23 後期形A/新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯]

111~115号のシールドビーム化後の姿。1980年代に前照灯がシールドビームに変更された。1997年までに廃車され、この姿は消滅した。

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D01 後期形B/水色

チキ1形に鋼体化改造を施した101~104、106、107号の姿。モハ3形に対してリベット廃止および通風器を6基搭載した車体が新造された。1957年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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D02 後期形B/水色 [サッシ交換][小型前照灯]

106号の2019年の塗装変更後の姿。開通100周年記念として1950年代の塗装が再現された。2023年に塗装変更され、この姿は消滅した。

箱根登山鉄道 106号車
箱根登山鉄道 106号車
撮影場所 大平台駅付近   撮影日 2020年8月
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D11 後期形B/新塗装Ⅰ [サッシ交換]

101~104、106、107号の1957年頃の塗装変更後の姿。オレンジとグレーに白帯で前面に曲線状の塗分けが採用された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。

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D12 後期形B/新塗装Ⅱ [サッシ交換]

101~104、106、107号の1964年頃の塗装変更後の姿。前面の塗分けが直線状に変更された。1980年代に前照灯がシールドビーム化され、この姿は消滅した。

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D13 後期形B/新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯]

101~104、106、107号のシールドビーム化後の姿。1980年代に前照灯がシールドビームに変更された。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更され、この姿は消滅した。2017年頃に側扉に塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

箱根登山鉄道 104号車
箱根登山鉄道 104号車
撮影場所 大平台駅付近   撮影日 2020年8月
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D14 後期形B/新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯]

101~104、106、107号の側扉交換後の姿。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更された。2017年頃に側扉に塗装が施され、この姿は消滅した。

箱根登山鉄道 103号車
箱根登山鉄道 103号車
撮影場所 箱根湯本駅付近   撮影日 2016年8月
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D21 後期形B/レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯]

104、106号の1993年の塗装変更後の姿。3連運転開始を記念して、オレンジと茶色に白帯、側扉が銀色に変更された。1995年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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E01 後期形C/水色

1955年から1957年にはモハ2形に鋼体化改造を施した108~112号の姿。側扉間の側窓が6個の点が特徴である。1957年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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E02 後期形C/水色 [サッシ交換]

108号の2004年の塗装変更後の姿。1950年代の塗装が再現された。2008年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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E03 後期形C/水色 [サッシ交換][小型前照灯]

110号の2016年の塗装変更後の姿。引退時に1950年代の塗装が再現された。2017年に廃車され、埼玉県内に保存された。

箱根登山鉄道 110号車
箱根登山鉄道 110号車
撮影場所 ポッポの丘   撮影日 2017年10月
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E11 後期形C/新塗装Ⅰ

108~112号の1957年頃の塗装変更後の姿。オレンジとグレーに白帯で前面に曲線状の塗分けが採用された。1960年代に窓サッシが更新され、この姿は消滅した。

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E12 後期形C/新塗装Ⅰ [サッシ交換]

108~112号の窓サッシ更新後の姿。1960年代に窓サッシがアルミ化された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。2008年には大型前照灯を装備した108号がこの塗装に復元された。2020年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

箱根登山鉄道 108号車
箱根登山鉄道 108号車
撮影場所 箱根湯本駅付近   撮影日 2016年8月
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E13 後期形C/新塗装Ⅱ [サッシ交換]

108~112号の1964年頃の塗装変更後の姿。前面の塗分けが直線状に変更された。1980年代に前照灯がシールドビーム化され、この姿は消滅した。2020年に大型前照灯を装備した108号が塗装変更され、現在もこの姿で使用される。

箱根登山鉄道 108号車
箱根登山鉄道 108号車
撮影場所 大平台駅付近   撮影日 2020年8月
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E14 後期形C/新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯]

108~110号のシールドビーム化後の姿。1980年代に前照灯がシールドビームに変更された。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更され、この姿は消滅した。

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E15 後期形C/新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯]

108~110号の側扉交換後の姿。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更された。2017年頃に側扉に塗装が施され、この姿は消滅した。

箱根登山鉄道 109号車
箱根登山鉄道 109号車
撮影場所 箱根湯本駅   撮影日 2009年8月
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E21 後期形C/レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯]

110号の1993年の塗装変更後の姿。3連運転開始を記念して、オレンジと茶色に白帯、側扉が銀色に変更された。後に塗装変更により、この姿は消滅した。

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E31 後期形C/緑色 [サッシ交換]

108号の1998年頃の塗装変更後の姿。創立70周年を記念して1930年代の塗装が再現された。大型前照灯が特徴であった。2000年頃に前照灯のライトケースが小型に変更され、この姿は消滅した。

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E32 後期形C/緑色 [サッシ交換][小型前照灯]

109号の1998年頃の塗装変更後の姿。創立70周年を記念して1930年代の塗装が再現された。2001年までに塗装変更され、この姿は消滅した。2019年に109号が再塗装されたが、2021年に廃車された。

箱根登山鉄道 109号車
箱根登山鉄道 109号車
撮影場所 大平台駅   撮影日 2020年8月
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