小田原電気鉄道チキ1/2形/箱根登山鉄道チキ3形
概要
チキ1形は小田原電気鉄道が1919年に製造した電車である。7両(1~7)が投入された。1950年に鋼体化改造が施され、101~104、106、107に改番された。1952年にモハ1形に改称された。
チキ2形は小田原電気鉄道が1927年から製造した電車である。1935年にかけて5両(8~10、111、112)が投入された。1952年にはモハ2形108~112に改称、改番された。
チキ3形は箱根登山鉄道が1935年に製造した電車である。3両(113~115)が投入された。1952年にモハ3形に改称された。
外観の特徴
チキ1形(以下、前期形)はダブルルーフの木造車体が特徴であり、1927年に製造されたチキ2形(中期形)はシングルルーフの木造車体、1935年に製造されたチキ2、3形(後期形A)は半鋼製車体が特徴である。1950年にチキ1形の鋼体化改造が施され、モハ3形に対してリベット廃止および通風器を6基搭載した車体が新造された(後期形B)。1955年から1957年にはモハ2形の木造車に鋼体化改造が施され、側扉間の側窓が6個に変更された車体が新造された(後期形C)。
落成時の塗装は茶色(●茶色)であり、1930年代に緑色(●緑色)に変更された。1949年頃には水色と黄色のツートン(●水色)が採用され、1957年頃にオレンジとグレーに白帯(●新塗装Ⅰ)に変更された。当初は前面に曲線状の塗分けが採用されたが、1964年頃から直線状の塗分け(●新塗装Ⅱ)に変更された。2000年代に側扉が更新され、側扉のみステンレス地の無塗装(●新塗装Ⅲ)に変更された。特別塗装として、1993年に104、106、110号がオレンジと茶色に白帯、側扉が銀色(●レーティッシュ色)に変更された。
改造による変化として、1930年頃に前照灯が前面窓下から屋根上に移設(前照灯移設)され、1940年頃にチキ1形の中扉が廃止された(2扉化)。1960年代に窓サッシがアルミ化(サッシ交換)され、1980年代に前照灯がシールドビーム(小型前照灯)に改造された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●茶色 |
A11 | 消滅 | 前期形/●緑色 [前照灯移設] |
A12 | 消滅 | 前期形/●緑色 [前照灯移設][2扉化] |
B01 | 消滅 | 中期形/●茶色 |
B11 | 消滅 | 中期形/●緑色 [前照灯移設] |
B21 | 消滅 | 中期形/●水色 [前照灯移設] |
C01 | 消滅 | 後期形A/●緑色 |
C11 | 消滅 | 後期形A/●水色 |
C12 | 消滅 | 後期形A/●水色 [サッシ交換] |
C21 | 消滅 | 後期形A/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
C22 | 消滅 | 後期形A/●新塗装Ⅱ [サッシ交換] |
C23 | 消滅 | 後期形A/●新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯] |
D01 | 消滅 | 後期形B/●水色 |
D02 | 消滅 | 後期形B/●水色 [サッシ交換][小型前照灯] |
D11 | 消滅 | 後期形B/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
D12 | 消滅 | 後期形B/●新塗装Ⅱ [サッシ交換] |
D13 | 現存 | 後期形B/●新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯] |
D14 | 消滅 | 後期形B/●新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯] |
D21 | 消滅 | 後期形B/●レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯] |
E01 | 消滅 | 後期形C/●水色 |
E02 | 消滅 | 後期形C/●水色 [サッシ交換] |
E03 | 消滅 | 後期形C/●水色 [サッシ交換][小型前照灯] |
E11 | 消滅 | 後期形C/●新塗装Ⅰ |
E12 | 消滅 | 後期形C/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
E13 | 現存 | 後期形C/●新塗装Ⅱ [サッシ交換] |
E14 | 消滅 | 後期形C/●新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯] |
E15 | 消滅 | 後期形C/●新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯] |
E21 | 消滅 | 後期形C/●レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯] |
E31 | 消滅 | 後期形C/●緑色 [サッシ交換] |
E32 | 消滅 | 後期形C/●緑色 [サッシ交換][小型前照灯] |
各バリエーション解説
A11 | 前期形/●緑色 [前照灯移設] |
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チキ1形の前照灯移設および塗装変更後の姿。1930年代に前照灯が前面窓下から屋根上に移設され、車体塗装が緑色に変更された。1940年頃に中扉が廃止され、この姿は消滅した。
B11 | 中期形/●緑色 [前照灯移設] |
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1927年に製造されたチキ2形の前照灯移設および塗装変更後の姿。1930年代に前照灯が前面窓下から屋根上に移設され、車体塗装が緑色に変更された。1949年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。
C21 | 後期形A/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
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111~115号の1957年頃の塗装変更後の姿。オレンジとグレーに白帯で前面に曲線状の塗分けが採用された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。
D01 | 後期形B/●水色 |
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チキ1形に鋼体化改造を施した101~104、106、107号の姿。モハ3形に対してリベット廃止および通風器を6基搭載した車体が新造された。1957年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。
D02 | 後期形B/●水色 [サッシ交換][小型前照灯] |
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106号の2019年の塗装変更後の姿。開通100周年記念として1950年代の塗装が再現された。2023年に塗装変更され、この姿は消滅した。
D11 | 後期形B/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
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101~104、106、107号の1957年頃の塗装変更後の姿。オレンジとグレーに白帯で前面に曲線状の塗分けが採用された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。
D12 | 後期形B/●新塗装Ⅱ [サッシ交換] |
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101~104、106、107号の1964年頃の塗装変更後の姿。前面の塗分けが直線状に変更された。1980年代に前照灯がシールドビーム化され、この姿は消滅した。
D13 | 後期形B/●新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯] |
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101~104、106、107号のシールドビーム化後の姿。1980年代に前照灯がシールドビームに変更された。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更され、この姿は消滅した。2017年頃に側扉に塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。
D14 | 後期形B/●新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯] |
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101~104、106、107号の側扉交換後の姿。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更された。2017年頃に側扉に塗装が施され、この姿は消滅した。
D21 | 後期形B/●レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯] |
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104、106号の1993年の塗装変更後の姿。3連運転開始を記念して、オレンジと茶色に白帯、側扉が銀色に変更された。1995年に塗装変更され、この姿は消滅した。
E03 | 後期形C/●水色 [サッシ交換][小型前照灯] |
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110号の2016年の塗装変更後の姿。引退時に1950年代の塗装が再現された。2017年に廃車され、埼玉県内に保存された。
E12 | 後期形C/●新塗装Ⅰ [サッシ交換] |
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108~112号の窓サッシ更新後の姿。1960年代に窓サッシがアルミ化された。1964年頃に前面の塗分けが変更され、この姿は消滅した。2008年には大型前照灯を装備した108号がこの塗装に復元された。2020年までに塗装変更され、この姿は消滅した。
E13 | 後期形C/●新塗装Ⅱ [サッシ交換] |
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108~112号の1964年頃の塗装変更後の姿。前面の塗分けが直線状に変更された。1980年代に前照灯がシールドビーム化され、この姿は消滅した。2020年に大型前照灯を装備した108号が塗装変更され、現在もこの姿で使用される。
E14 | 後期形C/●新塗装Ⅱ [サッシ交換][小型前照灯] |
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108~110号のシールドビーム化後の姿。1980年代に前照灯がシールドビームに変更された。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更され、この姿は消滅した。
E15 | 後期形C/●新塗装Ⅲ [サッシ交換][小型前照灯] |
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108~110号の側扉交換後の姿。2000年代に側扉がステンレス地の無塗装に変更された。2017年頃に側扉に塗装が施され、この姿は消滅した。
E21 | 後期形C/●レーティッシュ色 [サッシ交換][小型前照灯] |
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110号の1993年の塗装変更後の姿。3連運転開始を記念して、オレンジと茶色に白帯、側扉が銀色に変更された。後に塗装変更により、この姿は消滅した。
E31 | 後期形C/●緑色 [サッシ交換] |
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108号の1998年頃の塗装変更後の姿。創立70周年を記念して1930年代の塗装が再現された。大型前照灯が特徴であった。2000年頃に前照灯のライトケースが小型に変更され、この姿は消滅した。
E32 | 後期形C/●緑色 [サッシ交換][小型前照灯] |
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109号の1998年頃の塗装変更後の姿。創立70周年を記念して1930年代の塗装が再現された。2001年までに塗装変更され、この姿は消滅した。2019年に109号が再塗装されたが、2021年に廃車された。