東京都交通局/熊本電気鉄道6000形/秩父鉄道5000系
概要
6000形は東京都交通局が1968年から製造した地下鉄三田線用の電車である。1968年の開業時には4両編成14本が投入された。路線の延伸に合わせて増備され、1976年にかけて6両編成26本が投入された。1999年まで使用され、廃車後は熊本電気鉄道、秩父鉄道、海外(インドネシア)に譲渡された。
熊本電気鉄道6000形は、1995年から東京都交通局6000形を譲受した電車である。2001年にかけて2両編成5本が投入された。
秩父鉄道5000系は、1999年に東京都交通局6000形を譲受した電車である。3両編成4本が投入された。
外観の特徴
製造時期による差異がある。1968年に製造された6011F~6141F(以下、前期形)はモニター屋根が低く、通風口の幅が広い。1972年から1973年に製造された6151F~6261F(中期形)はモニター屋根が高く、通風口の幅が狭い。1976年に製造された6271Fと6272F(後期形)は戸袋窓が廃止された点が特徴である。
改造による変化として、1989年から冷房化改造が施され、前期形の6121Fと中期形は分散式冷房装置(分散冷房Ⅰ)、後期形は集中式冷房装置(集中冷房)が採用された。
落成時の塗装は赤帯(●赤帯Ⅰ)であったが、1972年に青帯(●青帯Ⅰ)に変更された。1988年には前面にも青帯が追加された(●青帯Ⅱ)。
熊本電気鉄道6000形は非冷房車の6101Fと6111F、冷房改造車の6211F~6231Fを種車として改造され、非冷房の6101Fと6111Fは屋根上の通風口を撤去し、分散式の冷房装置を4台搭載した(分散冷房Ⅱ)。
改造による変化として、1996年に6101Fと6111Fに小型のスカート(スカートⅠ)が設置され、2001年頃から全編成に大型のスカート(スカートⅡ)が設置された。2003年頃にはスカートにスリットが追加された(スカートⅢ)。
導入時の塗装は6101Fと6111Fが青帯であり、6211Fは青帯に前面の窓周りが黄帯(●熊本色Ⅰ)、6221Fと6231Fは前面の黄帯が太く変更(●熊本色Ⅱ)された。2000年頃には6101Fの帯が赤色(●赤帯Ⅱ)に変更された。2005年頃には6231Fの青帯が貫通扉にも追加(●熊本色Ⅲ)された。2010年頃の6231Fは帯色が水色(●熊本色Ⅳ)であった。2014年には6221Fが「くまもん電車」として改装され、側面帯と前頭部が灰色(●くまもん)に変更された。
秩父鉄道5000系は6191F、6241F~6261Fを種車に改造されたが、外観に変化は生じていない。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●赤帯Ⅰ |
A11 | 消滅 | 前期形/●赤帯Ⅱ [分散冷房][スカートⅠ] |
A12 | 消滅 | 前期形/●赤帯Ⅱ [分散冷房][スカートⅡ] |
A13 | 現存 | 前期形/●赤帯Ⅱ [分散冷房][スカートⅢ] |
A21 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅰ |
A31 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ |
A32 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅰ] |
A33 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ] |
A34 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ][スカートⅠ] |
A35 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ][スカートⅡ] |
A36 | 消滅 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ][スカートⅢ] |
B01 | 消滅 | 中期形/●青帯Ⅰ |
B11 | 消滅 | 中期形/●青帯Ⅱ |
B12 | 現存 | 中期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅰ] |
B21 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅰ [分散冷房Ⅰ] |
B22 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅰ [分散冷房Ⅰ][スカートⅡ] |
B23 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅰ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
B24 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ] |
B25 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ][スカートⅡ] |
B26 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
B27 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅲ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
B28 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅳ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
B31 | 消滅 | 中期形/●くまもん [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
C01 | 消滅 | 後期形/●青帯Ⅰ |
C02 | 消滅 | 後期形/●青帯Ⅱ [集中冷房] |
各バリエーション解説
A13 | 前期形/●赤帯Ⅱ [分散冷房][スカートⅢ] |
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2005年頃の熊本電気鉄道6101Fの姿。スカートにスリットが追加された。2014年に運用離脱、2018年に廃車され、この姿は消滅した。2024年に6111Fが赤帯に変更され、現在もこの姿で使用されている。
A33 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ] |
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熊本電気鉄道6101Fと6111Fの導入当初の姿。1995年と1996年に導入された6101Fと6111Fは非冷房車を種車としたため、冷房化改造が施された。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。
A36 | 前期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅱ][スカートⅢ] |
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2003年頃以降の熊本電気鉄道6111Fの姿。スカートにスリットが追加された。2024年に赤帯に変更され、この姿は消滅した。
B12 | 中期形/●青帯Ⅱ [分散冷房Ⅰ] |
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6151F~6261Fの冷房化改造後の姿。1989年から1994年にかけて、冷房化改造が施された。1999年までに廃車されたが、秩父鉄道5000系がこの姿で使用されている。
B21 | 中期形/●熊本色Ⅰ [分散冷房Ⅰ] |
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熊本電気鉄道6211Fの導入当初の姿。1999年に導入された6121Fは冷房改造車を種車に改造された。前面窓周りに黄帯が施されている。後に大型スカートが設置され、この姿は消滅した。
B23 | 中期形/●熊本色Ⅰ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
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2003年頃以降の熊本電気鉄道6211Fの姿。スカートにスリットが追加された。2023年に廃車され、この姿は消滅した。
B24 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ] |
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熊本電気鉄道6221Fと6231Fの導入当初の姿。2000年と2001年に導入された6221Fと6231Fは前面窓周りの黄帯が拡大された。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。
B25 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ][スカートⅡ] |
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熊本電気鉄道6221Fと6231Fのスカート設置後の姿。2002年頃に大型のスカートが設置された。後にスカートにスリットが追加され、この姿は消滅した。
B26 | 中期形/●熊本色Ⅱ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
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2003年頃以降の熊本電気鉄道6221Fと6231Fの姿。スカートにスリットが追加された。2006年頃に6231Fの塗装変更および2014年に6221Fが塗装変更され、この姿は消滅した。
B27 | 中期形/●熊本色Ⅲ [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
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2006年頃以降の熊本電気鉄道6231Fの姿。貫通扉にも青帯が追加された。2010年頃には青帯が水色に変更されたが、後に青帯に復元された。2021年に廃車され、この姿は消滅した。
B31 | 中期形/●くまもん [分散冷房Ⅰ][スカートⅢ] |
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2014年以降の熊本電気鉄道6221Fの姿。「くまもん電車」として、塗装変更と車体装飾が施されていた。2020年に廃車され、この姿は消滅した。