秩父鉄道デキ100形
概要
デキ100形は秩父鉄道が1951年から製造した電気機関車である。1956年にかけて5両(デキ101~106)が投入された。1972年には松尾鉱業鉄道ED50形を譲受し、2両(デキ107、108)が増備された。
外観の特徴
1951年に製造されたデキ101(以下、初期形)は5枚の側窓が特徴である。1954年に製造されたデキ102、103(前期形)は側窓が6枚に変更され、1956年に製造されたデキ104~106(中期形)は車体隅部の丸みが変更された。松尾鉱業鉄道ED50形から改造されたデキ107、108(後期形)は初期形に準じた5枚の側窓であり、前面窓のひさしが特徴である。
落成時の塗装は茶色に白帯(以下、●旧塗装Ⅰ)であり、1970年頃に白帯が太く変更された(●旧塗装Ⅱ)。1979年頃に青に白帯(●新塗装)に変更され、1985年頃には前照灯がシールドビームに改造された(前照灯改造)。1994年にデキ101がSLパレオエクスプレスの補機として茶色(●茶色)に変更され、廃車後の2006年に落成時の塗装および前照灯に復元された。2011年にはデキ103が赤色に白帯(●赤色)、2021年にデキ105が落成時の塗装に変更された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 現存 | 初期形/●旧塗装Ⅰ |
A02 | 消滅 | 初期形/●旧塗装Ⅱ |
A11 | 消滅 | 初期形/●新塗装 |
A12 | 消滅 | 初期形/●新塗装 [前照灯改造] |
A21 | 消滅 | 初期形/●茶色 [前照灯改造] |
B01 | 消滅 | 前期形/●旧塗装Ⅰ |
B02 | 消滅 | 前期形/●旧塗装Ⅱ |
B11 | 消滅 | 前期形/●新塗装 |
B12 | 現存 | 前期形/●新塗装 [前照灯改造] |
B21 | 消滅 | 前期形/●赤色 [前照灯改造] |
C01 | 消滅 | 中期形/●旧塗装Ⅰ |
C02 | 現存 | 中期形/●旧塗装Ⅰ [前照灯改造] |
C03 | 消滅 | 中期形/●旧塗装Ⅱ |
C11 | 消滅 | 中期形/●新塗装 |
C12 | 現存 | 中期形/●新塗装 [前照灯改造] |
D01 | 消滅 | 後期形/●旧塗装Ⅰ |
D02 | 消滅 | 後期形/●旧塗装Ⅱ |
D11 | 消滅 | 後期形/●新塗装 |
D12 | 現存 | 後期形/●新塗装 [前照灯改造] |
各バリエーション解説
A01 | 初期形/●旧塗装Ⅰ |
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1951年に製造されたデキ101の落成時の姿。5枚の側窓が特徴である。1970年頃に白帯が太く変更され、この姿は消滅した。2006年に落成時の塗装および前照灯に復元され、広瀬川原車両基地に留置されている。
B12 | 前期形/●新塗装 [前照灯改造] |
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デキ102、103の前照灯改造後の姿。1985年頃に前照灯がシールドビームに改造された。現在もこの姿で使用されている。
D01 | 後期形/●旧塗装Ⅰ |
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松尾鉱業鉄道ED50形から改造されたデキ107、108の導入時の姿。初期形に準じた5枚の側窓であり、前面窓のひさしが特徴である。1970年頃に白帯が太く変更され、この姿は消滅した。
D12 | 後期形/●新塗装 [前照灯改造] |
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デキ107、108の前照灯改造後の姿。1985年頃に前照灯がシールドビームに改造された。2020年までに廃車され、広瀬川原車両基地に留置されている。