西日本鉄道1001/1201/1301形/筑豊電気鉄道2000形/熊本市交通局5000形
概要
1001形は西日本鉄道が1954年から製造した電車である。1957年にかけて福岡市内線に15両が投入された。1975年までに廃車され、熊本市交通局に譲渡された。
1201形は西日本鉄道が1962年から製造した電車である。1963年にかけて福岡市内線に9両が投入された。1975年までに廃車され、筑豊電気鉄道と広島電鉄に譲渡された。
1301形は西日本鉄道が1964年に製造した電車である。福岡市内線に6両が投入された。1975年までに廃車され、筑豊電気鉄道と広島電鉄に譲渡された。
筑豊電気鉄道2000形は西日本鉄道福岡市内線の1201・1301形と北九州線の1000形を譲受した車両である。1976年から1980年にかけて7両が投入された。
北九州線1000形と福岡市内線1001形から改造した中間車を組み込み、3連接車として使用された。2013年から廃車が生じ、2022年に運行を終了した。
熊本市交通局5000形は西日本鉄道福岡市内線の1001形を譲受した車両である。1976年から1979年にかけて4両が投入された。ラッシュ時の運行が主であり、現在は1両のみが運行される。
外観の特徴
1954年に製造された1001~1005号車(以下、前期形)は前面小窓が押出式であり、尾灯の位置が高い点が特徴である。1957年に製造された1006~1015号車(以下、中期形)は前面小窓が下降式に変更され、前面小窓の下部が角形になった。また、尾灯の位置が下方に変更された。1962年以降に製造された1201~1209・1301~1304号車(以下、後期形)は前面中央窓下部に通風口が設置され、屋根上の通風器も変更された。
塗装は全車両がマルーンとベージュのツートン(●標準色)である。改造による変化として、1960年頃に前期形の前面小窓が下降式に改造され、桟が太く、隅が角形のものに変更された(前面小窓改造)。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、前面中央窓の上部を縮小して設置された(ワイパー上)。後に施工された車両は前面窓の下部に設置された(ワイパー下)。
筑豊電気鉄道2001~2005号車は後期形の福岡市内線1301~1304・1205号車を改造した車両であり、導入当初は福岡市内線時代の姿のままで使用された。1977年に3連接車に改造され、塗装が黄色に赤帯(●黄電色)に変更された。2005号車に組み込まれた2005Cは中期形の1013号車が種車であり、通風器の形状が異なっていた。
筑豊電気鉄道2006・2007号車は北九州線1062~1064号車を改造した車両であり、大型の前面行先表示器が特徴である(増備形)。導入時の改造で塗装変更と前面ライトケースの変更が施された。
1983年頃には2001~2005号車のライトケースが変更された(灯具改造)。1984年から1985年にかけて、全編成に冷房化改造が施され、屋根上に5台の冷房装置(分散冷房)が搭載された。1990年から1998年にかけて更新工事が施され、側窓と前面小窓がアルミサッシに変更された(窓更新)。2006年頃から2001~2005号車の前面中央窓のワイパーが下方に移設され、窓の位置が上方に変更された(ワイパー移設)。
2007年から2009年にかけて、車両ごとに異なる塗装に変更され、2001号車が●紫色、2002号車が●青色、2003号車が●水色、2004号車が●緑色、2005号車が●黄色、2006号車が●橙色、2006号車が●赤色になった。2014年に2003号車が水色から青色に変更され、2018年には2003号車に黄電色と標準色の塗装が片面ずつ施された。
熊本市交通局5000形は中期形の福岡市内線1001形を改造した車両であり、導入時に塗装が黄色をベースに水色と赤帯(●熊本色Ⅰ)に変更された。1979年に冷房化改造が施され、屋根上に1台の冷房装置が設置された(集中冷房)。1984年頃に白と緑色の塗装(●熊本色Ⅱ)に変更され、1990年頃には5010・5011号車が白をベースに赤とオレンジ色の帯(●熊本色Ⅲ)、1992年頃には5014・5015号車が緑と白に赤帯(●熊本色Ⅳ)になった。2000年頃には5011・5015号車が白をベースに扉部が緑色(●熊本色Ⅴ)になり、2002年に5014号車が福岡市内線時代の標準色に変更された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●標準色 |
A02 | 消滅 | 前期形/●標準色 [前面小窓改造] |
A03 | 消滅 | 前期形/●標準色 [前面小窓改造][ワイパー上] |
B01 | 消滅 | 中期形/●標準色 |
B02 | 消滅 | 中期形/●標準色 [ワイパー上] |
B03 | 現存 | 中期形/●標準色 [ワイパー上][集中冷房] |
B04 | 消滅 | 中期形/●標準色 [ワイパー下] |
B11 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅰ [ワイパー上] |
B12 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅰ [ワイパー上][集中冷房] |
B13 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅱ [ワイパー上][集中冷房] |
B14 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅲ [ワイパー上][集中冷房] |
B15 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅳ [ワイパー上][集中冷房] |
B16 | 消滅 | 中期形/●熊本色Ⅴ [ワイパー上][集中冷房] |
B21 | 消滅 | 中期形/●黄電色 ※中間車のみ |
C01 | 消滅 | 後期形/●標準色 |
C02 | 消滅 | 後期形/●標準色 [ワイパー上] |
C03 | 消滅 | 後期形/●標準色 [ワイパー下] |
C04 | 消滅 | 後期形/●標準色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C11 | 消滅 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上] |
C12 | 消滅 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造] |
C13 | 消滅 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造][分散冷房] |
C14 | 消滅 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C15 | 現存 | 後期形/●黄電色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C21 | 消滅 | 後期形/●紫色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C22 | 現存 | 後期形/●青色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C23 | 消滅 | 後期形/●水色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C24 | 消滅 | 後期形/●緑色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
C25 | 消滅 | 後期形/●黄色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
D01 | 消滅 | 増備形/●黄電色 |
D02 | 消滅 | 増備形/●黄電色 [冷房] |
D03 | 消滅 | 増備形/●黄電色 [冷房][窓更新] |
D04 | 消滅 | 増備形/●橙色 [冷房][窓更新] |
D05 | 消滅 | 増備形/●赤色 [冷房][窓更新] |
バリエーション解説
A02 | 前期形/●標準色 [前面小窓改造] |
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前期形の前面小窓改造後の姿。1960年頃に前面小窓が下降式に改造され、桟が太く、隅が角形のものに変更された。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、この姿は消滅した。
A03 | 前期形/●標準色 [前面小窓改造][ワイパー上] |
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前期形のワイパー改造後の姿。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、前面中央窓の上部が縮小された。福岡市内線の廃止によって1975年までに廃車され、この姿は消滅した。
B01 | 中期形/●標準色 |
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中期形の落成時の姿。1957年に製造された1006~1015号車は、前面小窓が下降式に変更され、前面小窓の下部が角形になった。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、この姿は消滅した。
B02 | 中期形/●標準色 [ワイパー上] |
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中期形のワイパー改造後の姿。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、前面中央窓の上部が縮小された。福岡市内線の廃止によって1975年までに廃車され、この姿は消滅した。廃車後は一部が熊本市交通局と筑豊電気鉄道に譲渡された。
B03 | 中期形/●標準色 [ワイパー上][集中冷房] |
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熊本市交通局5014号車の姿。2002年に福岡市内線の塗装が再現された。屋根上には集中冷房装置が搭載されている。現在もこの姿で使用されている。
B04 | 中期形/●標準色 [ワイパー下] |
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中期形のワイパー改造後の姿。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、後期に施工された車両は前面中央窓の下部が縮小された。福岡市内線の廃止によって1975年までに廃車され、この姿は消滅した。
B12 | 中期形/●熊本色Ⅰ [ワイパー上][集中冷房] |
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熊本市交通局5000形の冷房改造後の姿。1979年に冷房化改造が施され、屋根上に集中冷房装置が搭載された。1984年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。
B14 | 中期形/●熊本色Ⅲ [ワイパー上][集中冷房] |
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熊本市交通局5010・5011号車の1990年代の姿。1990年頃に5010・5011号車の塗装が変更された。1999年に5010号車が廃車され、2000年頃に5011号車が塗装変更され、この姿は消滅した。
B15 | 中期形/●熊本色Ⅳ [ワイパー上][集中冷房] |
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熊本市交通局5014・5015号車の1990年代の姿。1992年頃に5014・5015号車の塗装が変更された。2002年までに塗装変更され、この姿は消滅した。
B16 | 中期形/●熊本色Ⅴ [ワイパー上][集中冷房] |
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熊本市交通局5011・5015号車の2000年代の姿。2000年頃に5011・5015号車の塗装が変更された。2009年に廃車され、この姿は消滅した。
B21 | 中期形/●黄電色 ※中間車のみ |
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筑豊電気鉄道2005号車の2005Cの姿。2005Cは中期形の1013号車が種車であり、他の2000形と比べて通風器が異なっていた。1985年までに冷房化改造によって通風器が撤去され、この姿は消滅した。
C01 | 後期形/●標準色 |
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後期形の落成時の姿。1962年以降に製造された1201~1209・1301~1304号車は前面中央窓下部に通風口が設置され、屋根上の通風器も変更された。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、この姿は消滅した。
C02 | 後期形/●標準色 [ワイパー上] |
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後期形のワイパー改造後の姿。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、前面中央窓の上部が縮小された。福岡市内線の廃止によって1975年までに廃車され、筑豊電気鉄道と広島電鉄に譲渡された。筑豊電気鉄道2001~2005号車の導入当初はこの姿のまま使用された。1977年にかけて3連接化改造と塗装変更が施され、この姿は消滅した。
C03 | 後期形/●標準色 [ワイパー下] |
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後期形のワイパー改造後の姿。1970年頃にワイパーが自動式に改造され、後期に施工された車両は前面中央窓の下部が縮小された。福岡市内線の廃止によって1975年までに廃車され、この姿は消滅した。廃車後は広島電鉄に譲渡された。
C04 | 後期形/●標準色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2003号車の姿。2018年に福岡市内線および導入当初の塗装が施された。この塗装は2003号車の半面のみに施され、逆側の半面は黄電色である。冷房化や窓サッシが更新されている。2022年に運行を終了した。
C11 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上] |
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筑豊電気鉄道2001~2005号車の3連接化改造後の姿。1977年に3連接車に改造され、同時に塗装が変更された。1983年頃にライトケースが変更され、この姿は消滅した。
C12 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造] |
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筑豊電気鉄道2001~2005号車のライトケース改造後の姿。1983年頃にライトケースが改造された。1985年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。
C13 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造][分散冷房] |
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筑豊電気鉄道2001~2005号車の冷房化改造後の姿。1984年から1985年にかけて、冷房化改造が施された。1998年にかけて更新工事が施され、この姿は消滅した。
C14 | 後期形/●黄電色 [ワイパー上][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2001~2005号車の更新改造後の姿。1990年から1998年にかけて更新工事が施され、側窓と前面小窓がアルミサッシに変更された。2006年頃に前面中央窓のワイパーが下方に移設され、この姿は消滅した。
C15 | 後期形/●黄電色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2001~2005号車のワイパー移設後の姿。2006年頃に前面中央窓のワイパーが下方に移設された。2009年までに塗装が変更され、この姿は消滅した。2018年に2003号車に黄電色が施され、この姿になった。この塗装は半面のみに施され、逆側の半面は標準色である。2022年に運行を終了した。
C22 | 後期形/●青色 [ワイパー移設][灯具改造][分散冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2002号車の塗装変更後の姿。2008年に青色に変更された。2022年に廃車され、廃車後は筑前山家駅付近に保存された。2014年から2018年まで、2003号車もこの姿であった。
D01 | 増備形/●黄電色 |
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筑豊電気鉄道2006・2007号車の導入当初の姿。北九州線1062~1064号車を改造した車両であり、大型の前面行先表示器が特徴である。導入時の改造で塗装変更と前面ライトケースの変更が施された。1985年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。
D03 | 増備形/●黄電色 [冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2006・2007号車の更新改造後の姿。1990年から1998年にかけて更新工事が施され、側窓と前面小窓がアルミサッシに変更された。2008年に塗装が変更され、この姿は消滅した。
D04 | 増備形/●橙色 [冷房][窓更新] |
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筑豊電気鉄道2006号車の塗装変更後の姿。2008年に橙色に変更された。2018年に廃車され、この姿は消滅した。