京阪電気鉄道3000系

京阪電気鉄道3000系/8000系30番台/富山地方鉄道10030形/大井川鐵道3000系(2代)

《最終更新》 2023年7月13日

概要

3000形は京阪電気鉄道が1971年から製造した京阪特急用の電車である。1973年にかけて3両編成14本と4両編成4本が投入された。1995年までに3505Fを残して廃車され、一部が富山地方鉄道と大井川鐵道に譲渡された。2008年には3000系(2代)の投入にあわせて、3505Fが8000系30番台に改番された。2013年に廃車された。

富山地方鉄道10030形は1990年から京阪電気鉄道3000系を譲受した電車である。1993年にかけて2両編成8本が投入された。2013年にはダブルデッカー車両の8831号が追加で譲渡され、サハ31として導入された。

大井川鐵道3000系は1995年に京阪電気鉄道3000系を譲受した電車である。2両編成1本が投入された。2014年に運行終了し、2017年に廃車された。


外観の特徴

塗装は黄色と赤色のツートン(以下、標準色)である。改造による変化として、1989年頃に固定編成化が図られ、不要になった前面幌枠が撤去された(幌枠撤去)。1995年には3505Fに車体更新が施され、前面貫通扉に種別行先表示器の設置(前面表示器)および装飾用の幌枠(幌枠装飾)が設置された。3608号はダブルデッカー車両(ダブルデッカー)に改造された。

富山地方鉄道10030形は導入時に前面行先表示器(行先表示器)が設置された。10031Fと10033Fは京阪時代の塗装で導入され、10035Fと10037Fは黄色と緑色のツートンに赤帯(富山色Ⅰ)が採用された。10039F~10045Fは赤帯がを省略した黄色と緑色のツートン(富山色Ⅱ)が採用され、2000年頃までに全車両に普及した。導入当初はスカートを装備し、冬季は取り外していた(スカート撤去)。2000年頃以降は通年スカートが撤去された状態で使用される。2000年代にモハ10034の尾灯が一体形に変更(尾灯改造)され、2010年代にモハ10046に移植された。2013年にダブルデッカー車両のサハ31が京阪時代の塗装のまま導入され、サハ31を組み込む10033Fが「ダブルデッカーエキスプレス」として塗装変更およびスカートが装着された。

大井川鐵道3000系は導入時にスカートが撤去されたほか、概ね京阪時代の姿を維持していた。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 標準色

落成時の姿。前面に幌枠が設置されていた。1989年頃に前面幌枠が撤去され、この姿は消滅した。2014年に3505号がこの姿に復元され、くずはモールに保存されている。

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A02 標準色 [幌枠撤去]

幌枠撤去後の姿。1989年頃に固定編成化が図られ、不要になった前面幌枠が撤去された。1995年までに廃車または車体更新され、この姿は消滅した。

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A03 標準色 [幌枠撤去][スカート撤去]

大井川鐵道3000系の姿。導入時にスカートが撤去された。2017年に廃車され、クハ3507が新金谷駅付近に留置されている。

大井川鐵道 3008F
大井川鐵道 3008F
撮影場所 駿河徳山駅   撮影日 2010年1月
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A04 標準色 [幌枠撤去][行先表示器]

富山地方鉄道10031F、10033Fの導入時の姿。10031Fと10033Fは京阪時代の塗装のまま導入された。導入時に前面行先表示器が設置された。2000年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。2014年に10033Fが「ダブルデッカーエキスプレス」として塗装変更され、この姿で使用されている。

富山地方鉄道 10033F
富山地方鉄道 10033F
撮影場所 稲荷町駅付近   撮影日 2022年7月
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A05 標準色 [幌枠撤去][行先表示器][スカート撤去]

富山地方鉄道10031F、10033Fの導入時の冬季の姿。10031Fと10033Fは京阪時代の塗装のまま導入された。冬季のみスカートを撤去して使用される。2000年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。2014年に10033Fが「ダブルデッカーエキスプレス」として塗装変更され、この姿で使用されている。

富山地方鉄道 10033F
富山地方鉄道 10033F
撮影場所 電鉄富山駅   撮影日 2014年3月
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A06 標準色 [幌枠装飾][前面表示器]

車体更新後の姿。1995年に3505Fに車体更新が施され、前面貫通扉に種別行先表示器および装飾用の幌枠が設置された。2013年に廃車され、この姿は消滅した。

大井川鐵道 3007F
京阪電気鉄道 3505F
撮影場所 中書島駅   撮影日 2007年4月
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A11 標準色 [ダブルデッカー]

ダブルデッカー車両の姿。1995年の車体更新にあわせて3608号がダブルデッカー車両に改造された。2013年に廃車され、富山地方鉄道でサハ31として使用される。

富山地方鉄道 サハ31
富山地方鉄道 サハ31
撮影場所 電鉄富山駅   撮影日 2014年3月
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A21 富山色Ⅰ [幌枠撤去][行先表示器]

富山地方鉄道10035F、10037Fの導入時の姿。10035Fと10037Fは黄色と緑色のツートンに赤帯が採用された。導入時に前面行先表示器が設置された。2000年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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A22 富山色Ⅰ [幌枠撤去][行先表示器][スカート撤去]

富山地方鉄道10035F、10037Fの導入時の冬季の姿。10035Fと10037Fは黄色と緑色のツートンに赤帯が採用された。冬季のみスカートを撤去して使用される。2000年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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A23 富山色Ⅱ [幌枠撤去][行先表示器]

富山地方鉄道10039F~10045Fの姿。10039F以降は黄色と緑色のツートンが採用され、後に10031F~10037Fもこの姿になった。2000年頃以降は、通年でスカートを撤去した状態で使用されるため、この姿は消滅した。

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A24 富山色Ⅱ [幌枠撤去][行先表示器][スカート撤去]

富山地方鉄道10030系のスカート撤去後の姿。10039F以降は黄色と緑色のツートンが採用され、後に10031F~10037Fもこの姿になった。冬季にはスカートが撤去されたが、2000年頃以降は通年でスカートを撤去した状態で使用される。

富山地方鉄道 10043F
富山地方鉄道 10043F
撮影場所 稲荷町駅付近   撮影日 2022年7月
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A25 富山色Ⅱ [幌枠撤去][行先表示器][スカート撤去][尾灯改造]

富山地方鉄道10030系の尾灯改造後の姿。2000年代にモハ10034の尾灯が一体形に変更され、2010年代にモハ10046に移植された。現在もこの姿で使用されている。

富山地方鉄道 10045F
富山地方鉄道 10045F
撮影場所 稲荷町駅付近   撮影日 2014年3月
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