近畿日本鉄道610系

近畿日本鉄道6800/6900/1470/1480/2470/2400/1600/1800系/600系(3代)/610/620系

《最終更新》 2023年12月28日

概要

6800系は近畿日本鉄道が1957年から製造した狭軌仕様の一般形電車である。1963年にかけて南大阪線に40両が投入された。1983年から廃車が生じ、一部が養老線600系に改造された。

6900系は近畿日本鉄道が1963年から製造した狭軌仕様の一般形電車である。1968年にかけて南大阪線に35両が投入された。1967年に6000系に改番され、2002年まで使用された。一部が養老線600系、620系に改造された。

1470系は近畿日本鉄道が1959年に製造した標準軌仕様の一般形電車である。大阪線に2両編成5本が投入された。1987年までに廃車された。

1480系は近畿日本鉄道が1961年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。1966年にかけて大阪線に32両が投入された。1999年までに廃車された。1989年に3両編成1本が鮮魚列車に改造され、1481系として2002年まで使用された。

2470系は近畿日本鉄道が1966年に製造した標準軌仕様の一般形電車である。大阪線に7両が投入された。1985年に名古屋線に転出し、2002年までに廃車された。

2400系は近畿日本鉄道が1966年に製造した標準軌仕様の一般形電車である。大阪線に2両編成6本が投入された。2004年までに廃車された。

1600系は近畿日本鉄道が1959年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。1966年にかけて名古屋線に41両が投入された。1997年までに廃車され、一部が養老線600系に改造された。1990年に2両が事業用車に改造され、モワ50形として2000年まで使用された。

1800系は近畿日本鉄道が1966年に製造した標準軌仕様の一般形電車である。名古屋線に33両が投入された。1994年までに養老線600系および610系に改造された。


外観の特徴

1957年に製造された6800系(以下、初期形)は前照灯の間隔が狭い点が特徴である。1959年から1960年に製造された6800系、1470系、1600系(前期形)は前照灯の間隔が拡大され、1961年から1966年に製造された6800系、6900系、1480系、2470系、2400系、1600系(中期形)は二段式の角形標識灯、1966年に製造された1800系(後期形)は丸形の標識灯が採用された。

落成時の塗装は6800系、6900系がオレンジ色に白帯(橙色)、1470系、1480系、1600系がクリーム色に青帯(青帯)である。1965年以降はマルーン色の単色(旧塗装)が採用され、順次統一化された。1986年から1988年にかけて白とマルーン色のツートンに変更され、初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかり、側面帯が方向幕にかかる太い塗装(新塗装Ⅰ)や、前面窓周りの白塗りが車両番号の下に縮小され、側面帯が太い塗装(新塗装Ⅱ)であった。のちに、前面窓周りの白塗りが車両番号にかからず、側面帯が方向幕にかからない塗装(新塗装Ⅲ)に統一された。1999年以降は塗装が簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された(新塗装Ⅳ)。1989年には1481Fが鮮魚列車に改造され、マルーン色に白帯(●白帯)が採用された。2005年から2008年にかけて、600系、610系、620系がマルーン色の単色に変更された。特別塗装として、2019年に604Fが京浜急行電鉄とのコラボレーションとして赤色に白帯(京急色)に変更された。

改造による変化として、1977年頃に全車両にスカートが設置された。1979年から1989年にかけて一部車両に冷房化改造が施され、二分割された形状のクーラーキセが採用された(冷房)。1980年頃から1990年頃にかけて、前面表示器が設置された。1982年にはモ1651~1654が京都線の増結車に改造され、妻面に簡易運転台が増設された。2000年頃から600系、610系、620系の一部車両で前面貫通扉の幌枠が撤去された(幌枠撤去)。2001年から2013年にかけて、600系、610系、620系に車体更新が施され、側扉に水切りが設置された。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 初期形/橙色

1957年に製造された6800系の落成時の姿。前照灯の間隔が狭い点が特徴である。1965年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A02 初期形/橙色 [スカート]

モ6851の1987年の塗装変更後の姿。6800系の運行開始30周年を記念して落成時の塗装に復元された。落成時と異なり、スカートが設置された点が特徴である。同年に廃車され、この姿は消滅した。

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A11 初期形/旧塗装

1957年に製造された6800系の塗装変更後の姿。1965年以降はマルーン色の単色が採用された。1977年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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A12 初期形/旧塗装 [スカート]

1957年に製造された6800系のスカート設置後の姿。1977年頃にスカートが設置された。1980年代に廃車され、この姿は消滅した。

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B01 前期形/橙色

1959年から1960年に製造された6800系の落成時の姿。前照灯の間隔が拡大された点が特徴である。1965年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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B11 前期形/青帯

1959年から1960年に製造された1470系、1600系の落成時の姿。車体塗装がクリーム色に青帯である。1965年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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B21 前期形/旧塗装

前期形の1965年以降の塗装変更後の姿。マルーンの単色が採用された。1977年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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B22 前期形/旧塗装 [スカート]

前期形のスカート設置後の姿。1977年頃にスカートが設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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B31 前期形/新塗装Ⅰ [スカート]

前期形の1986年頃の塗装変更後の姿。初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかる塗装であった。1990年頃までに廃車され、この姿は消滅した。

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B32 前期形/新塗装Ⅱ [スカート]

前期形の1986年頃の塗装変更後の姿。中期に塗装変更された車両は、側面帯が太い塗装であった。1990年頃までに廃車され、この姿は消滅した。

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B33 前期形/新塗装Ⅲ [スカート]

前期形の1986年頃の塗装変更後の姿。後期に塗装変更された車両は側面帯がやや細く変更された。1990年頃までに廃車され、この姿は消滅した。

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C01 中期形/橙色

1961年から1966年に製造された6800系、6900系の落成時の姿。二段式の角形標識灯が特徴である。1965年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C02 中期形/橙色 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去][雨樋]

養老鉄道606Fの2009年の塗装変更後の姿。落成時の塗装が復元された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 606F
養老鉄道 606F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2020年6月
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C11 中期形/青帯

1961年から1966年に製造された1480系、1600系の落成時の姿。二段式の角形標識灯が特徴である。1965年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C21 中期形/旧塗装

中期形の1965年以降の塗装変更後の姿。マルーンの単色が採用された。1977年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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C22 中期形/旧塗装 [スカート]

中期形のスカート設置後の姿。1977年頃にスカートが設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C23 中期形/旧塗装 [スカート][冷房]

中期形の冷房化改造後の姿。1979年から一部車両に冷房化改造が施された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C24 中期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器]

中期形の冷房化改造および前面表示器設置後の姿。1980年頃から前面表示器が設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。2005年に養老線600系、620系の塗装が変更され、この姿で使用された。2013年までに水切りが設置され、この姿は消滅した。

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C25 中期形/旧塗装 [スカート][冷房][簡易運転台]

京都線の増結車に改造されたモ1651~1654の姿。1982年に京都線の増結車として、妻面に簡易運転台が増設された。1990年頃に廃車され、この姿は消滅した。

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C26 中期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、620系の塗装変更および幌枠撤去後の姿。2016年に603Fが廃車され、この姿は消滅した。

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C27 中期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去][雨樋]

養老線600系、620系の水切り設置後の姿。2001年から2013年にかけて、車体更新が施され、側扉に水切りが設置された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 623F
養老鉄道 623F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2018年9月
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C31 中期形/新塗装Ⅰ [スカート][冷房][前面表示器]

中期形の1986年頃の塗装変更および冷房化後の姿。初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかる塗装であった。1990年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C32 中期形/新塗装Ⅱ [スカート][冷房][前面表示器]

中期形の1986年頃の塗装変更および冷房化後の姿。中期に塗装変更された車両は、側面帯が太い塗装であった。1990年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C33 中期形/新塗装Ⅲ [スカート]

中期形の1986年頃の塗装変更後の姿。後期に塗装変更された車両は側面帯がやや細く変更された。1989年頃までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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C34 中期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房][前面表示器]

中期形の1986年頃の塗装変更および冷房化後の姿。後期に塗装変更された車両は側面帯がやや細く変更された。1999年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C35 中期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、620系の幌枠撤去後の姿。2000年頃から一部車両の幌枠が撤去された。1999年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C36 中期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器]

中期形の1999年頃の塗装変更後の姿。塗装デザインが簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された。2008年までに養老線600系、620系が塗装変更され、この姿は消滅した。

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C37 中期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、620系の幌枠撤去後の姿。2000年頃から一部車両の幌枠が撤去された。2008年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C41 中期形/●白帯 [スカート][冷房]

鮮魚列車の1481系の姿。1989年に1481Fが鮮魚列車に改造され、マルーン色に白帯が採用された。2002年に廃車され、この姿は消滅した。

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D01 後期形/旧塗装

1966年に製造された1800系の落成時の姿。丸形の標識灯が採用された。1977年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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D02 後期形/旧塗装 [スカート]

1800系のスカート設置後の姿。1977年頃にスカートが設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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D03 後期形/旧塗装 [スカート][冷房]

後期形の冷房化改造後の姿。1979年から1988年にかけて冷房化改造が施された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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D04 後期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器]

後期形の冷房化改造および前面表示器設置後の姿。1980年頃から1990年頃にかけて、前面表示器が設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。2005年に養老線600系、610系の塗装が変更され、この姿で使用された。2013年までに水切りが設置され、この姿は消滅した。

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D05 後期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][雨樋]

養老線600系、610系の水切り設置後の姿。2001年から2013年にかけて、車体更新が施され、側扉に水切りが設置された。2019年までに廃車され、この姿は消滅した。

養老鉄道 614F
養老鉄道 614F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2018年9月
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D06 後期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、610系の幌枠撤去後の姿。2000年頃から一部車両の幌枠が撤去された。2013年までに水切りが設置され、この姿は消滅した。

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D07 後期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去][雨樋]

養老線600系、610系の水切り設置および幌枠撤去後の姿。2001年から2013年にかけて、車体更新が施され、側扉に水切りが設置された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 611F
養老鉄道 611F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2018年9月
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D11 後期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房][前面表示器]

後期形の1986年頃の塗装変更後の姿。白とマルーン色のツートンが採用された。1999年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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D12 後期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、610系の幌枠撤去後の姿。2000年頃から一部車両の幌枠が撤去された。1999年以降に塗装変更され、この姿は消滅した。

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D13 後期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器]

後期形の1999年頃の塗装変更後の姿。塗装デザインが簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された。2008年までに養老線600系、620系が塗装変更され、この姿は消滅した。

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D14 後期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去]

養老線600系、610系の幌枠撤去後の姿。2000年頃から一部車両の幌枠が撤去された。2008年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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D21 後期形/青帯 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去][雨樋]

養老鉄道604Fの2013年の塗装変更後の姿。1600系の落成時の塗装が再現された。2019年に塗装変更され、この姿は消滅した。

養老鉄道 604F
養老鉄道 604F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2018年9月
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D22 後期形/京急色 [スカート][冷房][前面表示器][幌枠撤去][雨樋]

養老鉄道604Fの2019年の塗装変更後の姿。京浜急行電鉄とのコラボレーションとして赤と白帯が採用された。2023年に塗装変更され、この姿は消滅した。

養老鉄道 604F
養老鉄道 604F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2020年6月
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