近畿日本鉄道2410系

近畿日本鉄道2410/2430/2800/2000/2013/1810/1000/1200/6020/6200/625/16200/モワ24系

《最終更新》 2023年12月24日

概要

2410系は近畿日本鉄道が1968年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。1973年にかけて大阪線に45両が投入された。2400系を改良した増備車である。2004年に2両編成1本が検測車「はかるくん」に改造され、モワ24系に区分された。

2430系は近畿日本鉄道が1971年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。2410系の3連仕様の車両である。1973年にかけて大阪線に3両編成17本と2410系の中間車として4両が投入された。後年に一部が名古屋線に転出した。

2800系は近畿日本鉄道が1972年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。2610系のロングシート仕様の車両である。1979年にかけて大阪線と名古屋線に4両編成11本、3両編成4本、2両編成2本が投入された。

2000系は近畿日本鉄道が1978年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。走行機器の一部は10100系の廃車発生品を流用した。1979年にかけて名古屋線に3両編成12本が投入された。2013年に3両編成1本が観光列車「つどい」に改造され、2013系に区分された。

1810系は近畿日本鉄道が1967年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。1970年にかけて名古屋線に3両編成7本と2両編成10本が投入された。1979年に2800系に準じた中間車の2両が増備された。

1000系は近畿日本鉄道が1972年から製造した標準軌仕様の一般形電車である。走行機器の一部は廃車発生品を流用した。1973年にかけて、名古屋線に4両編成1本と2両編成6本が投入された。

1200系は近畿日本鉄道が1972年に製造した標準軌仕様の一般形電車である。走行機器の一部は廃車発生品を流用した。新製時から冷房を搭載した。名古屋線に4両編成1本が投入された。1980年に1000系に編入された。

6020系は近畿日本鉄道が1968年から製造した狭軌仕様の一般形電車である。1972年にかけて、南大阪線に4両編成12本と3両編成17本が投入された。

6200系は近畿日本鉄道が1974年から製造した狭軌仕様の一般形電車である。1978年にかけて、南大阪線に4両編成5本と3両編成6本が投入された。2001年に3両編成1本が養老線に転属し、625系に改番された。2016年に3両編成1本が観光特急「青の交響曲」の専用車両に改造され、16200系に改番された。


外観の特徴

1967年から1973年に製造された2410系、2430系、1810系、1000系、6020系(以下、前期形)は、送風装置のラインデリア搭載し、平坦な屋根部分が特徴である。1972年に製造された2800系と1200系(中期形)は新製冷房車として製造され、高く丸い形状の屋根に5基の冷房装置が搭載された。1973年から1979年に製造された2800系、2000系、1810系、6200系(後期形)は冷房装置のカバーが連続形状になり、落成時から前面行先表示器を装備した。

落成時の塗装はマルーン色の単色(旧塗装)である。1986年から1988年にかけて白とマルーン色のツートンに変更され、初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかり、側面帯が方向幕にかかる太い塗装(新塗装Ⅰ)や、前面窓周りの白塗りが車両番号の下に縮小され、側面帯が太い塗装(新塗装Ⅱ)であった。のちに、前面窓周りの白塗りが車両番号にかからず、側面帯が方向幕にかからない塗装(新塗装Ⅲ)に統一された。1999年以降は塗装が簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された(新塗装Ⅳ)。2007年頃に養老鉄道625系がマルーン色の単色に変更された。2012年に6051Fが吉野線開業100周年の記念塗装として、オレンジ色に白帯(橙色)に変更された。

改造による変化として、1977年頃に全車両にスカートが設置された。1979年から1985年にかけて全編成に冷房化改造が改造が施され、二分割された形状のクーラーキセが採用された(冷房)。1980年頃から1991年にかけて、全編成に前面表示器が設置された。1998年以降は車体更新にあわせて側扉に水切りが設置された。2006年頃に車体更新が施された2444F、6075Fは側窓の一部が固定窓に変更された。

2006年に2411Fがモワ24系検測車「はかるくん」に改造され、前面の非貫通化や窓配置の変更(はかるくん改造)、および車体塗装が黄色と白のツートン(はかるくん)に変更された。

2013年に2107Fが観光列車「つどい」に改造され、前面表示器の撤去と一部の側扉が閉塞された(つどい改造)。車体塗装は水色と黄緑色を基調としたデザイン(つどいⅠ)であり、2018年に白と茶色のツートンに金帯(つどいⅡ)に変更された。

2016年には6221Fが観光特急「青の交響曲」に改造され、前面表示器の撤去と一部の側扉の閉塞、幌枠撤去、スカートにオオイが設置された(青の交響曲改造)。車体塗装は青色に金帯(交響曲)である。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/旧塗装

前期形の落成時の姿。屋根上に設置された送風装置のラインデリアが特徴である。1977年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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A02 前期形/旧塗装 [スカート]

前期形のスカート設置後の姿。1977年頃にスカートが設置された。1985年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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A03 前期形/旧塗装 [スカート][冷房]

前期形の冷房化改造後の姿。1979年から1985年にかけて冷房化改造が改造が施された。1991年までに前面表示器が設置され、この姿は消滅した。

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A04 前期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器]

前期形の前面表示器設置後の姿。1980年頃から1991年にかけて、前面表示器が設置された。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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A05 前期形/旧塗装 [スカート][冷房][前面表示器][雨樋]

養老鉄道625系の2007年頃の塗装変更後の姿。落成時と同じマルーンの単色に変更された。2018年に廃車され、この姿は消滅した。

養老鉄道 625F
養老鉄道 625F
撮影場所 室駅付近   撮影日 2018年9月
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A11 前期形/新塗装Ⅰ [スカート][冷房]

前期形の1986年頃の塗装変更後の姿。初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかり、側面帯が方向幕にかかる太い塗装であった。1991年までに前面表示器が設置され、この姿は消滅した。

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A12 前期形/新塗装Ⅰ [スカート][冷房][前面表示器]

前期形の1986年頃の塗装変更および前面表示器設置後の姿。初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかり、側面帯が方向幕にかかる太い塗装であった。1990年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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A13 前期形/新塗装Ⅱ [スカート][冷房][前面表示器]

前期形の1986年頃の塗装変更および前面表示器設置後の姿。初期に塗装変更された車両は、太い側面帯が特徴である。1990年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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A14 前期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房]

前期形の1986年頃の塗装変更後の姿。初期に塗装変更された車両は異なる塗分けが存在したが、側面帯が方向幕にかからない塗装に統一された。1991年までに前面表示器が設置され、この姿は消滅した。

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A15 前期形/新塗装Ⅲ [スカート][冷房][前面表示器]

前期形の1986年頃の塗装変更および前面表示器設置後の姿。初期に塗装変更された車両は異なる塗分けが存在したが、側面帯が方向幕にかからない塗装に統一された。1999年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A16 前期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器]

前期形の1999年頃の塗装変更後の姿。塗装デザインが簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された。現在も一部車両がこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 1007F
近畿日本鉄道 1007F
撮影場所 近鉄八田駅   撮影日 2022年6月
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A17 前期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器][雨樋]

前期形の水切り設置後の姿。1998年以降は車体更新にあわせて側扉に水切りが設置された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 2424F
近畿日本鉄道 2424F
撮影場所 俊徳道駅付近   撮影日 2023年2月
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A18 前期形/新塗装Ⅳ [スカート][冷房][前面表示器][雨樋][固定窓]

前期形の側窓固定化後の姿。2006年頃に車体更新が施された2444F、6075Fは側窓の一部が大型固定窓に変更された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 6075F
近畿日本鉄道 6075F
撮影場所 針中野駅   撮影日 2023年3月
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A21 前期形/橙色 [スカート][冷房][前面表示器][雨樋]

6051Fの2012年の塗装変更後の姿。吉野線開業100周年を記念した復刻塗装として、橙色に白帯が採用された。2020年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A31 前期形/はかるくん [スカート][冷房][検測改造]

モワ24系の姿。2006年に2411Fを種車として検測車「はかるくん」に改造された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 モワ24系
近畿日本鉄道 モワ24系
撮影場所 橿原神宮前駅付近   撮影日 2021年12月
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B01 中期形/旧塗装

中期形の落成時の姿。新製冷房車として製造され、高く丸い形状の屋根に5基の冷房装置が搭載された。落成時からスカートを装備していた。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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B11 中期形/新塗装Ⅲ

中期形の1986年頃の塗装変更後の姿。白とマルーン色のツートンが採用された。1991年までに前面表示器が設置され、この姿は消滅した。

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B12 中期形/新塗装Ⅲ [前面表示器]

中期形の前面表示器設置後の姿。1991年頃までに前面表示器が設置された。1999年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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B13 中期形/新塗装Ⅳ [前面表示器]

中期形の1999年頃の塗装変更後の姿。塗装デザインが簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された。2019年までに水切りが設置され、この姿は消滅した。

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B14 中期形/新塗装Ⅳ [前面表示器][雨樋]

中期形の水切り設置後の姿。1998年以降は車体更新にあわせて側扉に水切りが設置された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 2902F
近畿日本鉄道 2902F
撮影場所 伏屋駅   撮影日 2022年7月
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C01 後期形/旧塗装

後期形の落成時の姿。冷房装置のカバーが連続形状になり、落成時から前面行先表示器を装備した。1988年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C11 後期形/新塗装Ⅰ

後期形の1986年頃の塗装変更後の姿。初期に塗装変更された車両は、前面窓周りの白塗りが車両番号にかかり、側面帯が方向幕にかかる太い塗装であった。1990年頃までに塗装変更され、この姿は消滅した。

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C12 後期形/新塗装Ⅲ

後期形の1986年頃の塗装変更後の姿。初期に塗装変更された車両は異なる塗分けが存在したが、側面帯が方向幕にかからない塗装に統一された。1999年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C13 後期形/新塗装Ⅲ [雨樋]

後期形の水切り設置後の姿。1998年以降は車体更新にあわせて側扉に水切りが設置された。1999年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C14 後期形/新塗装Ⅳ

後期形の1999年頃の塗装変更後の姿。塗装デザインが簡略化され、雨樋と裾部のマルーン色が省略された。現在も一部車両がこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 2101F
近畿日本鉄道 2101F
撮影場所 近鉄八田駅   撮影日 2022年6月
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C15 後期形/新塗装Ⅳ [雨樋]

後期形の水切り設置後の姿。1998年以降は車体更新にあわせて側扉に水切りが設置された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 2105F
近畿日本鉄道 2105F
撮影場所 近鉄八田駅   撮影日 2022年6月
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C21 後期形/つどいⅠ [つどい改造]

観光列車「つどい」の姿。2013年に2107Fが観光列車「つどい」に改造された。前面表示器の撤去と一部の側扉が閉塞された。2018年に塗装変更され、この姿は消滅した。

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C22 後期形/つどいⅡ [つどい改造]

観光列車「つどい」の塗装変更後の姿。2018年にリニューアルされ、車体塗装が変更された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 2107F
近畿日本鉄道 2107F
撮影場所 近鉄八田駅   撮影日 2022年7月
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C31 後期形/交響曲 [青の交響曲改造]

観光特急「青の交響曲」の姿。2016年に6221Fが観光特急「青の交響曲」に改造され、前面表示器の撤去と一部の側扉の閉塞、幌枠撤去、スカートにオオイが設置された。現在もこの姿で使用されている。

近畿日本鉄道 16301F
近畿日本鉄道 16301F
撮影場所 当麻寺駅   撮影日 2021年12月
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