名古屋鉄道6000/6500/6800系
1.概要
6000系は名古屋鉄道が1976年から製造した電車である。改良を加えながら1992年まで増備が継続された。走行機器の改良により6500系と6800系に区分されている。
2.外観の特徴
製造時期による差異が存在する。1976年に製造された6001F~6006F(以下、前期Ⅰ形)は前面貫通扉が窪んでいる点が特徴である。1977年と1978年に製造された6007F~6014F(前期Ⅱ形)は前面貫通扉が同一面に変更されたほか、前面行先表示器の形状も変更されている。1979年に製造された6015F~6017F(前期Ⅲ形)は側扉窓と前面行先表示器が大型化され、1980年から1983年に製造された6018F~6044F(前期Ⅳ形)は側窓が開閉式に変更された。
1984年から1987年に製造された6045F~6052Fと6401F~6415F(中期Ⅰ形)は前面形状が非貫通形に一新されている。なお、このうち6045F~6048Fと6401F~6404Fは下部の灯具が前照灯と尾灯の4灯であったが、一部が改造により以降の車両と同様の2灯の標識灯(LED標識灯)に変更されている。1987年から1988年に製造された6416F~6417Fと6801F~6808F(中期Ⅱ形)は乗務員室直後の側面に小窓が追加されている。
1989年から1990年に製造された6418F~6422Fと6809F~6831F(後期Ⅰ形)は車体が一新され、側面窓と前面窓が変更されている。1991年から1992年に製造された6423F~6424Fと6832F~6839F(後期Ⅱ形)は側扉窓が大型化されている。
当初は赤一色の塗装(●標準色)であったが、1984年に中期Ⅰ形が扉の上部に白色を加えた塗装(●扉白色)で落成され、以前に製造された車両もこの塗装に変更された。1993年頃には3500系にあわせて扉の上部を灰色(●扉灰色)に変更した。2001年頃に扉の塗装は廃止され、全車両が標準色に変更された。
改造による変化として1995年より瀬戸線に転属した車両は前面貫通扉に幌枠が設置された。また、2014年から一部編成を対象にリニューアルが施され、行先表示器が幕式からフルカラーLED式(FC-LED)に変更されている。
3.バリエーション一覧
No.
|
現状
|
特徴 |
---|---|---|
A01 | 現存 | 前期Ⅰ形/●標準色 |
A02 | 消滅 | 前期Ⅰ形/●扉白色 |
A03 | 消滅 | 前期Ⅰ形/●扉灰色 |
B01 | 現存 | 前期Ⅱ形/●標準色 |
B02 | 消滅 | 前期Ⅱ形/●扉白色 |
B03 | 消滅 | 前期Ⅱ形/●扉灰色 |
C01 | 現存 | 前期Ⅲ形/●標準色 |
C02 | 消滅 | 前期Ⅲ形/●扉白色 |
C03 | 消滅 | 前期Ⅲ形/●扉灰色 |
D01 | 現存 | 前期Ⅳ形/●標準色 |
D02 | 消滅 | 前期Ⅳ形/●扉白色 |
D03 | 消滅 | 前期Ⅳ形/●扉灰色 |
D11 | 消滅 | 前期Ⅳ形/●標準色 [幌枠] |
D21 | 現存 | 前期Ⅳ形/●標準色 [FC-LED] |
E01 | 消滅 | 中期Ⅰ形/●扉白色 |
E02 | 消滅 | 中期Ⅰ形/●扉灰色 |
E03 | 消滅 | 中期Ⅰ形/●標準色 |
E11 | 消滅 | 中期Ⅰ形/●扉白色 [LED標識灯] |
E12 | 消滅 | 中期Ⅰ形/●扉灰色 [LED標識灯] |
E13 | 現存 | 中期Ⅰ形/●標準色 [LED標識灯] |
F01 | 消滅 | 中期Ⅱ形/●扉白色 [LED標識灯] |
F02 | 消滅 | 中期Ⅱ形/●扉灰色 [LED標識灯] |
F03 | 現存 | 中期Ⅱ形/●標準色 [LED標識灯] |
G01 | 消滅 | 後期Ⅰ形/●扉白色 |
G02 | 消滅 | 後期Ⅰ形/●扉灰色 |
G03 | 現存 | 後期Ⅰ形/●標準色 |
G04 | 現存 | 後期Ⅰ形/●標準色 [FC-LED] |
H01 | 消滅 | 後期Ⅱ形/●扉白色 |
H02 | 消滅 | 後期Ⅱ形/●扉灰色 |
H03 | 現存 | 後期Ⅱ形/●標準色 |
4.各バリエーション解説
A01 | 前期Ⅰ形/●標準色 |
---|
6001F~6006Fの落成時の姿。前面貫通扉が窪んでいる点が特徴である。1985年頃に塗装変更されて消滅していたが、2001年頃より再びこの塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。
A02 | 前期Ⅰ形/●扉白色 |
---|
6001F~6006Fの塗装変更後の姿。前面貫通扉が窪んでいる点が特徴である。1985年頃より扉の上部が白色に変更された。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
A03 | 前期Ⅰ形/●扉灰色 |
---|
6001F~6006Fの塗装変更後の姿。前面貫通扉が窪んでいる点が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
B01 | 前期Ⅱ形/●標準色 |
---|
6007F~6014Fの落成時の姿。前面貫通扉が同一面に変更されたほか、前面行先表示器の形状も変更されている。1985年頃に塗装変更されて消滅していたが、2001年頃より再びこの塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。
B02 | 前期Ⅱ形/●扉白色 |
---|
6007F~6014Fの塗装変更後の姿。前面貫通扉が同一面に変更されたほか、前面行先表示器の形状も変更されている。1985年頃より扉の上部が白色に変更された。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
B03 | 前期Ⅱ形/●扉灰色 |
---|
6007F~6014Fの塗装変更後の姿。前面貫通扉が同一面に変更されたほか、前面行先表示器の形状も変更されている。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
C01 | 前期Ⅲ形/●標準色 |
---|
6015F~6017Fの落成時の姿。大型化された側扉窓と前面行先表示器が特徴である。1985年頃に塗装変更されて消滅していたが、2001年頃より再びこの塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。
C02 | 前期Ⅲ形/●扉白色 |
---|
6015F~6017Fの塗装変更後の姿。大型化された側扉窓と前面行先表示器が特徴である。1985年頃より扉の上部が白色に変更された。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
C03 | 前期Ⅲ形/●扉灰色 |
---|
6015F~6017Fの塗装変更後の姿。大型化された側扉窓と前面行先表示器が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
D01 | 前期Ⅳ形/●標準色 |
---|
6018F~6044Fの落成時の姿。開閉式に変更された側窓が特徴である。1985年頃に塗装変更されて消滅していたが、2001年頃より再びこの塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。
D02 | 前期Ⅳ形/●扉白色 |
---|
6018F~6044Fの塗装変更後の姿。開閉式に変更された側窓が特徴である。1985年頃より扉の上部が白色に変更された。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
D03 | 前期Ⅳ形/●扉灰色 |
---|
6018F~6044Fの塗装変更後の姿。開閉式に変更された側窓が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
D11 | 前期Ⅳ形/●標準色 [幌枠] |
---|
瀬戸線で使用された車両の姿。1995年より一部編成が瀬戸線に転用された。転用に伴って前面貫通扉に幌枠が設置されていた。2014年までに瀬戸線から撤退し、この姿は消滅した。
D21 | 前期Ⅳ形/●標準色 [FC-LED] |
---|
リニューアル後の姿。2014年より三河線を中心に使用される2両編成を対象にリニューアルが施され、行先表示器が幕式からフルカラーLED式に変更されている。
E01 | 中期Ⅰ形/●扉白色 |
---|
6045F~6048Fと6401F~6404Fの落成時の姿。非貫通形の前面形状と4灯の前面下部の灯具が特徴である。落成時より扉の上部が白色に塗装されていた。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
E02 | 中期Ⅰ形/●扉灰色 |
---|
6045F~6048Fと6401F~6404Fの塗装変更後の姿。非貫通形の前面形状と4灯の前面下部の灯具が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
E03 | 中期Ⅰ形/●標準色 |
---|
6045F~6048Fと6401F~6404Fの塗装変更後の姿。非貫通形の前面形状と4灯の前面下部の灯具が特徴である。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、標準色に変更された。6401F~6404Fは後年の改造で前面下部の灯具がLED標識灯に変更され、6045F~6048Fのみがこの姿であった。2021年に廃車され、この姿は消滅した。
E11 | 中期Ⅰ形/●扉白色 [LED標識灯] |
---|
6049F~6052Fと6405F~6415Fの落成時の姿。非貫通形の前面形状とLED標識灯が特徴である。落成時より扉の上部が白色に塗装されていた。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
E12 | 中期Ⅰ形/●扉灰色 [LED標識灯] |
---|
6049F~6052Fと6405F~6415Fの塗装変更後の姿。非貫通形の前面形状とLED標識灯が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
E13 | 中期Ⅰ形/●標準色 [LED標識灯] |
---|
6049F~6052Fと6405F~6415Fの塗装変更後の姿。非貫通形の前面形状とLED標識灯が特徴である。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、標準色に変更された。6401F~6404Fも後年の改造で前面下部の灯具がLED標識灯に変更され、この姿になっている。
F01 | 中期Ⅱ形/●扉白色 [LED標識灯] |
---|
6416F~6417Fと6801F~6808Fの落成時の姿。乗務員室の直後に設けられた小窓が特徴である。落成時より扉の上部が白色に塗装されていた。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
F02 | 中期Ⅱ形/●扉灰色 [LED標識灯] |
---|
6416F~6417Fと6801F~6808Fの塗装変更後の姿。乗務員室の直後に設けられた小窓が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
F03 | 中期Ⅱ形/●標準色 [LED標識灯] |
---|
6416F~6417Fと6801F~6808Fの塗装変更後の姿。乗務員室の直後に設けられた小窓が特徴である。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、標準色に変更された。現在はこの姿で使用されている。
G01 | 後期Ⅰ形/●扉白色 |
---|
6418F~6422Fと6809F~6831Fの落成時の姿。大型化された前面窓と側面窓が特徴である。落成時より扉の上部が白色に塗装されていた。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
G02 | 後期Ⅰ形/●扉灰色 |
---|
6418F~6422Fと6809F~6831Fの塗装変更後の姿。大型化された前面窓と側面窓が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
G03 | 後期Ⅰ形/●標準色 |
---|
6418F~6422Fと6809F~6831Fの塗装変更後の姿。大型化された前面窓と側面窓が特徴である。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、標準色に変更された。現在はこの姿で使用されている。
G04 | 後期Ⅰ形/●標準色 [FC-LED] |
---|
6421F、6422Fのリニューアル後の姿。2021年にリニューアル改造が施され、行先表示器がフルカラーLED式に変更された。現在はこの姿で使用されている。
H01 | 後期Ⅱ形/●扉白色 |
---|
6423F~6424Fと6832F~6839Fの落成時の姿。天地幅が拡大された側窓が特徴である。落成時より扉の上部が白色に塗装されていた。1993年頃より扉の上部が灰色に変更され、この姿は消滅した。
H02 | 後期Ⅱ形/●扉灰色 |
---|
6423F~6424Fと6832F~6839Fの塗装変更後の姿。天地幅が拡大された側窓が特徴である。1993年頃より扉の上部が灰色に変更された。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、この姿は消滅した。
H03 | 後期Ⅱ形/●標準色 |
---|
6423F~6424Fと6832F~6839Fの塗装変更後の姿。天地幅が拡大された側窓が特徴である。2001年頃より扉部の塗装が廃止され、標準色に変更された。現在はこの姿で使用されている。