東京急行電鉄/長野電鉄8500系

東京急行電鉄/長野電鉄8500系/秩父鉄道7000系

《最終更新》 2024年9月13日

概要

8500系は東京急行電鉄が1975年から製造した電車である。1986年にかけて田園都市線(新玉川線)に10両編成38本と5+5両編成2本が投入された。2003年に5+5両編成が大井町線に転用され、5両編成4本として使用された。2003年から廃車が発生し、2019年に大井町線、2023年に田園都市線から撤退した。2024年以降は4両編成1本が動態保存車として臨時列車などに使用される。廃車後は秩父鉄道や伊豆急行、長野電鉄に譲渡された。

長野電鉄8500系は2005年から東京急行電鉄8500系を譲受した電車である。2009年にかけて3両編成6本が投入された。長野線(長野~信州中野間)で使用される。

秩父鉄道7000系は2009年に東京急行電鉄8500系を譲受した電車である。3両編成2本が投入された。


外観の特徴

1975年から1980年に製造された車両(以下、前期形)は、8000系に準じた車体構造であり、屋根のカーブ形状は8000系と同様である。1981年に製造された車両(中期形)は、軽量車体に変更され、屋根のカーブ形状と屋根上の絶縁部の位置が変更された。なお、中期形は中間車のみが製造された。1982年から1986年に製造された車両(後期形)は、中期形の屋根のカーブ形状はそのままに、屋根上の絶縁部の位置は前期形に準拠する。

改造による変化として、1994年から種別行先表示器が幕式から3色LED式(3C-LED)に変更された。2005年以降は一部編成にフルカラーLED式行先表示器(FC-LED)が採用された。2002年以降は前面にスカートが設置された。

落成時の塗装は前面に赤帯(標準色)である。1986年頃に8635Fが広告貸切車「TOQ-BOX号」として、側面にも赤帯が追加(TOQ赤帯)され、後に8634Fに引継がれた。1987年には8637Fが広告貸切車「CATV号」として、前面と側面に青帯(TOQ青帯)に変更された。2006年には8614Fが「伊豆のなつ号」として、伊豆急行8000系に準じた塗装(伊豆色)に変更された。2006年頃には大井町線の8638F~8641Fの前面帯が赤と黄色のグラデーション(大井町色)に変更された。2024年に8637Fが動態保存車として整備され、デハ8637は前面と海側が青帯、スカートが黒色(●赤青帯Ⅰ)、デハ8537は前面が赤帯、海側が青帯、スカートが黒色(●赤青帯Ⅱ)に変更された。

長野電鉄8500系は東急時代のまま使用され、2009年に導入されたT5編成は前面下部にステップが追加され、T6編成は中間車を種車として先頭化改造が施された。

秩父鉄道7000系は前面帯が緑色と黄色のグラデーション(秩鉄色)に変更され、中間車を種車とした7002Fは先頭化改造が施された。前面下部にはステップが追加されている。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/標準色

前期形の落成時の姿。幕式行先表示器であり、スカートは設置されていない。後年は改造や廃車によって減少したが、8606Fが2020年までこの姿で使用された。現在はデハ8506とデハ8606が東急テクノシステムに保存されている。

長津田検車区 8606F
長津田検車区 8606F
撮影場所 二子玉川駅   撮影日 2015年2月
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A02 前期形/標準色 [3C-LED]

前期形の種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年から3色LED式行先表示器が採用された。現在は長野電鉄T1~T4編成がこの姿で使用されている。

長野電鉄 T3編成
長野電鉄 T5編成
撮影場所 桐原駅   撮影日 2023年5月
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A03 前期形/標準色 [3C-LED][スカート]

前期形のスカート設置後の姿。2002年から2005年にかけて、一部編成を除きスカートが設置された。2021年までに廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8615F
長津田検車区 8615F
撮影場所 宮崎台駅   撮影日 2017年12月
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A04 前期形/標準色 [FC-LED][スカート]

前期形の種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。2005年に8616FがフルカラーLED式行先表示器に変更された。2008年に3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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A05 前期形/標準色 [3C-LED][ステップ][スカート]

長野電鉄T5編成の姿。導入時の改造で前面下部にステップが追加された。現在もこの姿で使用されている。

長野電鉄 T5編成
長野電鉄 T5編成
撮影場所 桐原駅   撮影日 2023年5月
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A06 前期形/標準色 [3C-LED][ステップ]

長野電鉄T5編成のスカート撤去時の姿。2020年に踏切事故により破損したデハ8505のスカートが撤去された。2023年にスカートが再設置され、この姿は消滅した。

長野電鉄 T5編成
長野電鉄 T5編成
撮影場所 朝陽駅付近   撮影日 2021年9月
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A07 前期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

長野電鉄T6編成デハ8506の姿。T6編成は中間車から改造され、先頭化改造により新設された運転台は非貫通形である。現在もこの姿で使用されている。

長野電鉄 T6編成
長野電鉄 T6編成
撮影場所 信濃吉田駅付近   撮影日 2019年3月
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A08 前期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造]

長野電鉄T6編成デハ8506のスカート撤去時の姿。2016年に踏切事故により破損したスカートが撤去された。後に再設置され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8634F
長野電鉄 T6編成
撮影場所 須坂駅   撮影日 2016年3月
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A11 前期形/伊豆色 [3C-LED][スカート]

「伊豆のなつ号」の8614Fの姿。2006年に「伊豆のなつ号」として、8614Fが塗装変更された。2020年に廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8614F
長津田検車区 8614F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2018.01.17
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A21 前期形/秩鉄色 [3C-LED][ステップ][スカート]

秩父鉄道7001Fの姿。現在もこの姿で使用されている。

秩父鉄道 7001F
秩父鉄道 7001F
撮影場所 熊谷駅付近   撮影日 2018年8月
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A22 前期形/秩鉄色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

秩父鉄道7002Fの姿。現在もこの姿で使用されている。

秩父鉄道 7002F
秩父鉄道 7002F
撮影場所 熊谷駅付近   撮影日 2018年8月
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B01 中期形

中期形の姿。中間車のみが製造された。屋根上の絶縁部の幅が狭いことが特徴である。2020年に廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 サハ8947号車(8609F)
長津田検車区 サハ8947号車(8609F)
撮影場所 二子玉川駅   撮影日 2015年2月
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B11 中期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造][スカート]

長野電鉄T6編成デハ8516の姿。デハ8516は中期形を種車として改造され、先頭化改造により新設された運転台は非貫通形である。2020年に踏切事故によりスカートが撤去され、この姿は消滅した。

長野電鉄 T6編成
長野電鉄 デハ8516(T6編成)
撮影場所 信濃吉田駅付近   撮影日 2019年3月
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B12 中期形/標準色 [3C-LED][先頭化改造]

長野電鉄T6編成デハ8516のスカート撤去時の姿。2010年および2020年に踏切事故により破損したスカートが撤去された。現在もこの姿で使用されている。

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C01 後期形/標準色

後期形の落成時の姿。種別行先表示器は幕式であり、スカートは設置されていなかった。

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C02 後期形/標準色 [3C-LED]

後期形の種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年から種別行先表示器が3色LED式に変更された。2002年から2005年にかけてスカートが設置され、この姿の車両は消滅した。

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C03 後期形/標準色 [3C-LED][スカート]

後期形のスカート設置後の姿。2002年から2005年にかけてスカートが設置された。2023年までに廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8635F
長津田検車区 8635F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017年12月
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C04 後期形/標準色 [FC-LED][スカート]

後期形の種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。2005年から一部編成がフルカラーLED式に変更された。後に3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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C11 後期形/TOQ赤帯

「TOQ-BOX号」として、車体装飾と側面にも赤帯が追加された8634Fと8635Fの姿。1986年頃に8635Fがこの姿になったが、後に8634Fに変更された。1994年から種別行先表示器が3色LED式に変更され、この姿は消滅した。

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C12 後期形/TOQ赤帯 [3C-LED]

8634Fの種別行先表示器3色LED化後の姿。「TOQ-BOX号」である同編成は、1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。

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C13 後期形/TOQ赤帯 [3C-LED][スカート]

8634Fのスカート設置後の姿。2004年頃にスカートが設置された。2005年に種別行先表示器がフルカラーLEDに変更されたが、2008年に再び3色LED式に戻された。2021年に廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8634F
長津田検車区 8634F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017年12月
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C14 後期形/TOQ赤帯 [FC-LED][スカート]

8634Fの種別行先表示器フルカラーLED化後の姿。「TOQ-BOX号」である同編成は、2005年に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更された。2008年に前面の種別行先表示器が3色LED式に戻され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8634F
長津田検車区 8634F
撮影場所 曳舟駅   撮影日 2007年3月
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C21 後期形/TOQ青帯

東急ケーブルテレビジョンによる広告貸切車「CATV号」として、前面と側面が青帯に変更された8637Fの姿。1987年に8637Fがこの姿に変更された。1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。

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C22 後期形/TOQ青帯 [3C-LED]

8637Fの種別行先表示器3色LED化後の姿。1994年以降に種別行先表示器が3色LED式に変更された。2003年頃にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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C23 後期形/TOQ青帯 [3C-LED][スカート]

8637Fのスカート設置後の姿。2003年頃にスカートが設置された。2024年に動態保存車として整備され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8637F
長津田検車区 8637F
撮影場所 鐘ヶ淵駅付近   撮影日 2011年8月
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C31 後期形/伊豆色

「伊豆のなつ号」のデハ8883とデハ8775の姿。2006年に「伊豆のなつ号」として、8614Fが塗装変更された。中間に組み込まれていた後期形も同様に塗装が変更された。2020年に廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 デハ8883
長津田検車区 デハ8883
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2018年11月
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C41 後期形/大井町色 [3C-LED]

大井町線の後期形の姿。2006年に大井町線で使用される車両を対象として前面帯が変更された。前面帯の変更後も一部編成はスカートを未装備であった。なお、行先表示器は3色LED式であった。後にスカートが設置され、この姿は消滅した。

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C42 後期形/大井町色 [3C-LED][スカート]

大井町線で使用される後期形のスカート設置後の姿。2006年頃にスカートが設置された。後に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8639F
長津田検車区 8639F
撮影場所 自由が丘駅   撮影日 2008年1月
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C43 後期形/大井町色 [FC-LED][スカート]

大井町線で使用される後期形のフルカラーLED化後の姿。2008年頃に種別行先表示器がフルカラーLED式に変更された。2019年までに廃車され、この姿は消滅した。

長津田検車区 8638F
長津田検車区 8638F
撮影場所 溝の口駅   撮影日 2017年12月
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C51 後期形/●赤青帯Ⅰ [3C-LED][スカート]

動態保存車8637Fのデハ8637の姿。2024年に動態保存車として整備され、前面と海側が青帯、スカートが黒色に変更された。現在もこの姿で使用される。

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C52 後期形/●赤青帯Ⅱ [3C-LED][スカート]

動態保存車8637Fのデハ8537の姿。2024年に動態保存車として整備され、前面が赤帯、海側が青帯、スカートが黒色に変更された。現在もこの姿で使用される。

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