東京急行電鉄/十和田観光電鉄7700系

東京急行電鉄7000/7700系
弘南鉄道/福島交通/北陸鉄道7000系
秩父鉄道2000系/水間鉄道7000/1000系
十和田観光電鉄/養老鉄道7700系

《最終更新》 2023年4月15日

概要

東京急行電鉄7000系

7000系は東京急行電鉄が1962年から製造した電車である。1966年にかけて東横線や田園都市線に134両が投入された。東横線の日比谷線直通列車や大井町線、目蒲線で1991年まで使用された。引退後は一部が7700系に改造されたほか、弘南鉄道、北陸鉄道、秩父鉄道、福島交通、水間鉄道に譲渡された。1989年から2両編成1本がこどもの国線で使用されていたが、1999年に運行を終了した。2000年に全車両が廃車された。


東京急行電鉄7700系

7700系は東京急行電鉄が1987年から7000系の改造により製造した電車である。台車や制御装置など走行装置の更新や車体の補強が施され、7700系に改番された。大井町線や目蒲線に投入され、1991年にかけて4両編成14本が落成された。後に3両編成に変更され、池上線と多摩川線で2018年まで使用された。廃車後は2002年に十和田観光電鉄、2018年に養老鉄道に譲渡された。


弘南鉄道7000系

弘南鉄道7000系は1988年から東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。1990年にかけて弘南線に2両編成8本、大鰐線に2両編成4本が投入された。


福島交通7000系

福島交通7000系は1991年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。3両編成2本と2両編成5本が投入された。2019年までに廃車された。


北陸鉄道7000系

北陸鉄道7000系は1990年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。石川線に2両編成5本が投入された。


秩父鉄道2000系

秩父鉄道2000系は1991年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。4両編成4本が投入された。2000年までに全車両が廃車された。


水間鉄道7000/1000系

水間鉄道7000系は1990年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。2両編成5本が投入された。2006年から2007年にかけて、2両編成4本にリニューアル改造が施され、1000系に改番された。


十和田観光電鉄7700系

十和田観光電鉄7700系は2002年に東京急行電鉄7700系を譲受した電車である。2両編成3本が投入された。2012年に十和田電鉄線が廃止されたことで、廃車となった。


養老鉄道7700系

養老鉄道7700系は2018年から東京急行電鉄7700系を譲受した電車である。2020年にかけて3両編成3本と2両編成3本が投入された。


外観の特徴

車体はオールステンレス製で客扉が片側3か所、前面には貫通扉が設置されている(以下、標準形)。1963年までに落成された車両は標識灯が設置されていなかった(標識灯なし)が、1964年には全車両に設置された。1987年から一部車両が7700系に改造され、冷房装置が設置(冷房化)された。1995年からワンマン化改造が施され、あわせて行先表示器がLED化(LED)された。

塗装は全車両がステンレス地の無塗装(無塗装)であったが、1988年に先頭車の前面に赤帯が追加(赤太帯)された。1989年にこどもの国線の専用車となった7052Fは前面と側面に赤・緑・青の3色の帯(三色帯)が施された。7700系は初期に改造された車両は無塗装であったが、1987年から前面に細い赤帯が追加(赤細帯Ⅰ)された。1995年と1996年にワンマン対応改造が施された7912F~7914Fは赤と黒帯(●赤黒帯)に変更された。

1996年に7700系の中間車を改造した7915Fが落成された。同編成の先頭車は、1000系に準じた運転台が新設(改造形A)され、前面形状が異なっていた。塗装は前面と側面に赤帯(赤帯)であった。

弘南鉄道7000系のうち7101F~7105Fは先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形B)された。7101Fと7102Fは前面窓まわりに黒塗装が施されていない(黒塗装なし)。車体塗装は一部編成が東急時代と同様に赤太帯で使用されたほか、前面と側面に青帯(弘南色)が施された。近年は他社の塗装の再現も行われており、2017年には水間鉄道7000系、秩父鉄道2000系、2018年には福島交通7000系と北陸鉄道7000系の塗装に変更された。

福島交通7000系は全車両が先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形C)された。尾灯が角形で前面方向幕が設置されている点が特徴である。塗装は前面に青色(福交青帯)であったが、2013年に2両編成が桃色(福交桃帯)に変更された。2018年には7105Fが赤色(福交赤帯)に変更された。

北陸鉄道7000系のうち7201Fと7202Fは先頭化改造車であり、弘南鉄道の改造形Bに準じている。塗装は前面と側面にオレンジ色の帯(北鉄色)である。

秩父鉄道2000系は塗装変更のみで前面が青帯(秩父色)に変更されていた。

水間鉄道7000系のうち7051Fと7052Fは先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形D)された。尾灯が丸形で前面方向幕が設置されている点が特徴である。前面に水間鉄道のロゴ(水間色)が施されている。7001F、7051F、7052Fは冷房化され、冷房装置が搭載されていた。2006年から2007年にかけてリニューアルが施され、非冷房車の冷房化とスカート設置(スカート)、行先表示器のLED化、塗装変更が施された。塗装はベース色が編成ごとに異なり、1001Fは赤色(水間赤色)、1003Fは青色(水間青色)、1005Fは緑色(水間緑色)、1007Fは橙色(水間橙色)である。2017年には1003Fが弘南色に変更された。

十和田観光電鉄7700系は東急時代の姿から変更されることなく使用された。

養老鉄道7700系は全編成にスカートが設置され、一部編成は塗装が変更された。TQ01編成とTQ03編成は赤細帯、TQ14編成は赤黒帯、TQ05編成とTQ06編成は黄緑と緑帯(緑細帯)、TQ12編成は緑と黒帯(緑黒帯)である。2022年にTQ03編成の側面に赤帯が追加された(赤細帯Ⅱ)。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 標準形/無塗装 [標識灯なし]

1963年以前に落成されたデハ7001~デハ7018の落成時の姿。標識灯が未設置であった。1964年に標識灯が設置され、この姿は消滅した。

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A02 標準形/無塗装

デハ7019以降の落成時の姿。標識灯が設置されている。標識灯が未設置であったデハ7001~デハ7018も1964年に設置され、この姿になった。現在は総合車両製作所横浜事業所に保存されているデハ7052号がこの姿であるほか、弘南鉄道7000系が帯を撤去した際にこの姿で使用される。

東急車輛製造横浜事業所 デハ7052号車
東急車輛製造横浜事業所 デハ7052号車
撮影場所 東急車輛製造横浜事業所   撮影日 2012年2月
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A03 標準形/無塗装 [冷房化]

7700系7901Fと7902Fの改造直後の姿。車体は無塗装であり、行先表示器は幕式であった。後に先頭車の前面に赤帯が追加され、この姿は消滅した。

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A04 標準形/無塗装 [冷房化][LED]

2012年に「クラシックスタイル」として赤帯が撤去された7700系7910Fの姿。塗装は一部編成の改造直後と同様に無塗装であるが、行先表示器がLED式である点が異なる。2014年の廃車され、この姿は消滅した。

雪が谷検車区 7910F
雪が谷検車区 7910F
撮影場所 蒲田駅付近   撮影日 2014年2月
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A11 標準形/赤太帯

7000系の前面追加後の姿。1988年に先頭車の前面に赤帯が追加された。7700系と比較して太い帯が特徴である。弘南鉄道7000系の一部がこの姿で使用されている。

弘南鉄道 7012F
弘南鉄道 7012F
撮影場所 弘前駅   撮影日 2014年8月
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A21 標準形/三色帯

こどもの国線用の7052Fの姿。1989年にこどもの国線の専用車としてワンマン対応改造と塗装が変更された。2000年に廃車され、この姿は消滅した。

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A31 標準形/赤細帯Ⅰ [冷房化]

7700系の赤帯追加後の姿。当初は無塗装であった7901Fと7902Fだが、1987年10月に先頭車の前面に赤帯が追加された。以降に改造された車両はこの姿であった。2002年に十和田観光電鉄に譲渡された車両もこの姿のまま使用された。東急で使用される車両については、2000年頃までにワンマン対応改造が施され、東急からこの姿の車両は消滅した。2012年の十和田電鉄の廃止に伴い、廃車解体によりこの姿は消滅した。

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A32 標準形/赤細帯Ⅰ [冷房化][LED]

7700系の行先表示器のLED化後の姿。ワンマン化改造が施された編成のうち、7912F~7914F以外の編成は塗装が変更されず、外観の変化は行先表示器のLED化のみであった。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。一部は養老鉄道に譲渡された。

雪が谷検車区 7906F
雪が谷検車区 7906F
撮影場所 御嶽山駅付近   撮影日 2014年2月
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A33 標準形/赤細帯Ⅰ [冷房化][LED][スカート]

養老鉄道7700系のTQ01編成とTQ03編成の姿。導入時の改造でスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 TQ03編成
養老鉄道 TQ03編成
撮影場所 室駅付近   撮影日 2020年6月
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A34 標準形/赤細帯Ⅰ

弘南鉄道7000系の姿。一部編成は東急7700系に準じた赤色の細帯に変更されて使用されている。

弘南鉄道 7033F
弘南鉄道 7033F
撮影場所 津軽大沢駅   撮影日 2021年2月
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A35 標準形/赤細帯Ⅱ [冷房化][LED][スカート]

養老鉄道7700系TQ03編成の塗装変更後の姿。2022年に側面に赤帯が追加された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 TQ03編成
養老鉄道 TQ03編成
撮影場所 室駅付近   撮影日 2023年4月
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A41 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED]

1995年と1996年にワンマン対応改造が施された7700系7912F~7914Fの姿。塗装変更と行先表示器のLED化が実施されている。また、側面に行先表示器が新設されている点も特徴である。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。一部は養老鉄道に譲渡された。

雪が谷検車区 7912F
雪が谷検車区 7912F
撮影場所 洗足池駅付近   撮影日 2017年12月
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A42 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED][スカート]

養老鉄道7700系のTQ14編成の姿。導入時の改造でスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 TQ14編成
養老鉄道 TQ14編成
撮影場所 西大垣駅   撮影日 2020年6月
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A51 標準形/弘南色

弘南鉄道7000系の姿。一部編成は青帯に変更されている。現在もこの姿で使用されている。

弘南鉄道 7011F
弘南鉄道 7011F
撮影場所 弘前駅   撮影日 2014年8月
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A61 標準形/北鉄色

北陸鉄道7000系7001F、7101F、7102Fの姿。前面と側面にオレンジ色の帯が施されている。現在もこの姿で使用されている。

北陸鉄道 7001F
北陸鉄道 7001F
撮影場所 鶴来駅付近   撮影日 2021年4月
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A71 標準形/秩父色

秩父鉄道2000系の姿。前面に青帯が施されている。2000年までに廃車され、この姿は消滅した。2017年に弘南鉄道7000系に同様の青帯が施され、この姿で使用されている。

弘南鉄道 7037F
弘南鉄道 7037F
撮影場所 津軽大沢駅   撮影日 2021年2月
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A81 標準形/水間色

水間鉄道7000系7001F~7003Fの姿。入線当初は非冷房であった。7001Fは冷房化改造、7002Fは1000系に改造され、7003Fのみが2007年まで使用された。運用離脱後はこの姿で水間観音駅に留置されている。

水間鉄道 7003F
水間鉄道 7003F
撮影場所 水間観音駅   撮影日 2015.12.26
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A82 標準形/水間色 [冷房化]

水間鉄道7000系7001Fの冷房化改造後の姿。入線当初は非冷房であったが、後年に冷房化された。2007年まで1000系に改造され、この姿は消滅した。

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A83 標準形/水間赤色 [冷房化][スカート][LED]

水間鉄道1000系1001Fの姿。2006年に7002Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。

水間鉄道 1001F
水間鉄道 1001F
撮影場所 三ヶ山口駅付近   撮影日 2021年7月
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A84 標準形/水間青色 [冷房化][スカート][LED]

水間鉄道1000系1003Fの姿。2007年に7001Fから改造された。2017年に弘南鉄道の塗装に変更され、この姿は消滅した。

水間鉄道 1003F
水間鉄道 1003F
撮影場所 水間観音駅付近   撮影日 2015年12月
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A85 標準形/弘南色 [冷房化][スカート][LED]

水間鉄道1000系1003Fの塗装変更後の姿。2017年に弘南鉄道の塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。

水間鉄道 1003F
水間鉄道 1003F
撮影場所 三ツ松駅付近   撮影日 2022年3月
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A91 標準形/緑細帯 [冷房化][LED][スカート]

養老鉄道7700系のTQ05編成とTQ06編成の姿。導入時の改造でスカート設置と塗装変更が施された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 TQ05編成
養老鉄道 TQ05編成
撮影場所 室駅付近   撮影日 2020年6月
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A92 標準形/緑黒帯 [冷房化][LED][スカート]

養老鉄道7700系のTQ12編成の姿。導入時の改造でスカート設置と塗装変更が施された。現在もこの姿で使用されている。

養老鉄道 TQ12編成
養老鉄道 TQ12編成
撮影場所 西大垣駅   撮影日 2020年6月
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B01 改造形A/赤帯 [冷房化][LED]

1996年に余剰となっていた中間車を種車に改造された7700系7915Fの姿。先頭車に新設された運転台は1000系に準じた仕様であり、前面も大きく異なる。2010年に廃車され、この姿は消滅した。

雪が谷検車区 7915F
雪が谷検車区 7915F
撮影場所 池上駅   撮影日 2008年1月
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C01 改造形B/赤太帯 [黒塗装なし]

弘南鉄道7000系7151Fと7152Fの導入時の姿。赤帯であった。後に青帯に変更され、この姿は消滅した。

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C02 改造形B/赤太帯

弘南鉄道7000系7153F~7155Fの導入時の姿。赤帯であり、前面窓まわりには黒塗装が施されていた。後に青帯に変更され、この姿は消滅した。

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C11 改造形B/弘南色 [黒塗装なし]

弘南鉄道7000系7101Fと7102Fの帯色変更後の姿。現在もこの姿で使用されている。

弘南鉄道 7102F
弘南鉄道 7102F
撮影場所 弘前駅   撮影日 2014年8月
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C12 改造形B/弘南色

弘南鉄道7000系7103F~7105Fの帯色変更後の姿。現在もこの姿で使用されている。

弘南鉄道 7105F
弘南鉄道 7105F
撮影場所 平賀駅   撮影日 2022年1月
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C13 改造形B/北鉄色

北陸鉄道7000系7201F、7202Fの姿。前面と側面にオレンジ色の帯が施されている。現在もこの姿で使用されている。2018年には弘南鉄道7000系デハ7101号もこの姿になった。

北陸鉄道 7201F
北陸鉄道 7201F
撮影場所 新西金沢駅   撮影日 2016年5月
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C14 改造形B/福交桃帯

弘南鉄道7000系デハ7154号の姿。2018年に福島交通7000系の塗装が再現された。現在もこの姿で使用されている。

弘南鉄道 7101F
弘南鉄道 7101F
撮影場所 弘前駅   撮影日 2021年2月
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D01 改造形C/福交青帯

福島交通7000系の導入当初の姿。前面帯は青色であった。2013年以降は3両編成がこの姿であった。2018年までに廃車され、7101Fが曽根田駅に保存されている。

福島交通 7101F
福島交通 7101F
撮影場所 福島駅   撮影日 2007年8月
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D02 改造形C/福交桃帯

福島交通7000系の帯色変更後の姿。2013年に2両編成を対象として帯色が変更され、この姿になった。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。

福島交通 7101F
福島交通 7101F
撮影場所 美術館図書館前駅付近   撮影日 2018年2月
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D03 改造形C/福交赤帯

福島交通7000系7005Fの姿。2018年に赤帯に変更された。廃車によってこの姿は消滅した。

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E01 改造形D/水間色 [冷房化]

水間鉄道7000系7051F、7052Fの姿。2007年に1000系に改造され、この姿は消滅した。

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E02 改造形D/水間緑色 [冷房化][スカート][LED]

水間鉄道1000系1005Fの姿。2007年に7051Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。

水間鉄道 1005F
水間鉄道 1005F
撮影場所 三ツ松駅付近   撮影日 2022年3月
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E03 改造形D/水間橙色 [冷房化][スカート][LED]

水間鉄道1000系1007Fの姿。2007年に7052Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。

水間鉄道 1007F
水間鉄道 1007F
撮影場所 三ヶ山口駅付近   撮影日 2021年7月
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