東京急行電鉄7000/7700系
弘南鉄道/福島交通/北陸鉄道7000系
秩父鉄道2000系/水間鉄道7000/1000系
十和田観光電鉄/養老鉄道7700系
概要
東京急行電鉄7000系
7000系は東京急行電鉄が1962年から製造した電車である。1966年にかけて東横線や田園都市線に134両が投入された。東横線の日比谷線直通列車や大井町線、目蒲線で1991年まで使用された。引退後は一部が7700系に改造されたほか、弘南鉄道、北陸鉄道、秩父鉄道、福島交通、水間鉄道に譲渡された。1989年から2両編成1本がこどもの国線で使用されていたが、1999年に運行を終了した。2000年に全車両が廃車された。
東京急行電鉄7700系
7700系は東京急行電鉄が1987年から7000系の改造により製造した電車である。台車や制御装置など走行装置の更新や車体の補強が施され、7700系に改番された。大井町線や目蒲線に投入され、1991年にかけて4両編成14本が落成された。後に3両編成に変更され、池上線と多摩川線で2018年まで使用された。廃車後は2002年に十和田観光電鉄、2018年に養老鉄道に譲渡された。
弘南鉄道7000系
弘南鉄道7000系は1988年から東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。1990年にかけて弘南線に2両編成8本、大鰐線に2両編成4本が投入された。
福島交通7000系
福島交通7000系は1991年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。3両編成2本と2両編成5本が投入された。2019年までに廃車された。
北陸鉄道7000系
北陸鉄道7000系は1990年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。石川線に2両編成5本が投入された。
秩父鉄道2000系
秩父鉄道2000系は1991年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。4両編成4本が投入された。2000年までに全車両が廃車された。
水間鉄道7000/1000系
水間鉄道7000系は1990年に東京急行電鉄7000系を譲受した電車である。2両編成5本が投入された。2006年から2007年にかけて、2両編成4本にリニューアル改造が施され、1000系に改番された。
十和田観光電鉄7700系
十和田観光電鉄7700系は2002年に東京急行電鉄7700系を譲受した電車である。2両編成3本が投入された。2012年に十和田電鉄線が廃止されたことで、廃車となった。
養老鉄道7700系
養老鉄道7700系は2018年から東京急行電鉄7700系を譲受した電車である。2020年にかけて3両編成3本と2両編成3本が投入された。
外観の特徴
車体はオールステンレス製で客扉が片側3か所、前面には貫通扉が設置されている(以下、標準形)。1963年までに落成された車両は標識灯が設置されていなかった(標識灯なし)が、1964年には全車両に設置された。1987年から一部車両が7700系に改造され、冷房装置が設置(冷房化)された。1995年からワンマン化改造が施され、あわせて行先表示器がLED化(LED)された。
塗装は全車両がステンレス地の無塗装(●無塗装)であったが、1988年に先頭車の前面に赤帯が追加(●赤太帯)された。1989年にこどもの国線の専用車となった7052Fは前面と側面に赤・緑・青の3色の帯(●三色帯)が施された。7700系は初期に改造された車両は無塗装であったが、1987年から前面に細い赤帯が追加(●赤細帯Ⅰ)された。1995年と1996年にワンマン対応改造が施された7912F~7914Fは赤と黒帯(●赤黒帯)に変更された。
1996年に7700系の中間車を改造した7915Fが落成された。同編成の先頭車は、1000系に準じた運転台が新設(改造形A)され、前面形状が異なっていた。塗装は前面と側面に赤帯(●赤帯)であった。
弘南鉄道7000系のうち7101F~7105Fは先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形B)された。7101Fと7102Fは前面窓まわりに黒塗装が施されていない(黒塗装なし)。車体塗装は一部編成が東急時代と同様に赤太帯で使用されたほか、前面と側面に青帯(●弘南色)が施された。近年は他社の塗装の再現も行われており、2017年には水間鉄道7000系、秩父鉄道2000系、2018年には福島交通7000系と北陸鉄道7000系の塗装に変更された。
福島交通7000系は全車両が先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形C)された。尾灯が角形で前面方向幕が設置されている点が特徴である。塗装は前面に青色(●福交青帯)であったが、2013年に2両編成が桃色(●福交桃帯)に変更された。2018年には7105Fが赤色(●福交赤帯)に変更された。
北陸鉄道7000系のうち7201Fと7202Fは先頭化改造車であり、弘南鉄道の改造形Bに準じている。塗装は前面と側面にオレンジ色の帯(●北鉄色)である。
秩父鉄道2000系は塗装変更のみで前面が青帯(●秩父色)に変更されていた。
水間鉄道7000系のうち7051Fと7052Fは先頭化改造車であり、非貫通形の先頭部が新設(改造形D)された。尾灯が丸形で前面方向幕が設置されている点が特徴である。前面に水間鉄道のロゴ(●水間色)が施されている。7001F、7051F、7052Fは冷房化され、冷房装置が搭載されていた。2006年から2007年にかけてリニューアルが施され、非冷房車の冷房化とスカート設置(スカート)、行先表示器のLED化、塗装変更が施された。塗装はベース色が編成ごとに異なり、1001Fは赤色(●水間赤色)、1003Fは青色(●水間青色)、1005Fは緑色(●水間緑色)、1007Fは橙色(●水間橙色)である。2017年には1003Fが弘南色に変更された。
十和田観光電鉄7700系は東急時代の姿から変更されることなく使用された。
養老鉄道7700系は全編成にスカートが設置され、一部編成は塗装が変更された。TQ01編成とTQ03編成は赤細帯、TQ14編成は赤黒帯、TQ05編成とTQ06編成は黄緑と緑帯(●緑細帯)、TQ12編成は緑と黒帯(●緑黒帯)である。2022年にTQ03編成の側面に赤帯が追加された(●赤細帯Ⅱ)。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 標準形/●無塗装 [標識灯なし] |
A02 | 現存 | 標準形/●無塗装 |
A03 | 消滅 | 標準形/●無塗装 [冷房化] |
A04 | 消滅 | 標準形/●無塗装 [冷房化][LED] |
A11 | 現存 | 標準形/●赤太帯 |
A21 | 消滅 | 標準形/●三色帯 |
A31 | 消滅 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化] |
A32 | 消滅 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化][LED] |
A33 | 現存 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化][LED][スカート] |
A34 | 現存 | 標準形/●赤細帯Ⅰ |
A35 | 現存 | 標準形/●赤細帯Ⅱ [冷房化][LED][スカート] |
A41 | 消滅 | 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED] |
A42 | 現存 | 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED][スカート] |
A51 | 現存 | 標準形/●弘南色 |
A61 | 現存 | 標準形/●北鉄色 |
A71 | 現存 | 標準形/●秩父色 |
A81 | 現存 | 標準形/●水間色 |
A82 | 消滅 | 標準形/●水間色 [冷房化] |
A83 | 現存 | 標準形/●水間赤色 [冷房化][スカート][LED] |
A84 | 消滅 | 標準形/●水間青色 [冷房化][スカート][LED] |
A85 | 現存 | 標準形/●弘南色 [冷房化][スカート][LED] |
A91 | 現存 | 標準形/●緑細帯 [冷房化][LED][スカート] |
A92 | 現存 | 標準形/●緑黒帯 [冷房化][LED][スカート] |
B01 | 消滅 | 改造形A/●赤帯 [冷房化][LED] |
C01 | 消滅 | 改造形B/●赤太帯 [黒塗装なし] |
C02 | 消滅 | 改造形B/●赤太帯 |
C11 | 現存 | 改造形B/●弘南色 [黒塗装なし] |
C12 | 現存 | 改造形B/●弘南色 |
C13 | 現存 | 改造形B/●北鉄色 |
C14 | 現存 | 改造形B/●福交桃帯 |
D01 | 現存 | 改造形C/●福交青帯 |
D02 | 消滅 | 改造形C/●福交桃帯 |
D03 | 消滅 | 改造形C/●福交赤帯 |
E01 | 消滅 | 改造形D/●水間色 [冷房化] |
E02 | 現存 | 改造形D/●水間緑色 [冷房化][スカート][LED] |
E03 | 現存 | 改造形D/●水間橙色 [冷房化][スカート][LED] |
各バリエーション解説
A02 | 標準形/●無塗装 |
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デハ7019以降の落成時の姿。標識灯が設置されている。標識灯が未設置であったデハ7001~デハ7018も1964年に設置され、この姿になった。現在は総合車両製作所横浜事業所に保存されているデハ7052号がこの姿であるほか、弘南鉄道7000系が帯を撤去した際にこの姿で使用される。
A04 | 標準形/●無塗装 [冷房化][LED] |
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2012年に「クラシックスタイル」として赤帯が撤去された7700系7910Fの姿。塗装は一部編成の改造直後と同様に無塗装であるが、行先表示器がLED式である点が異なる。2014年の廃車され、この姿は消滅した。
A11 | 標準形/●赤太帯 |
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7000系の前面追加後の姿。1988年に先頭車の前面に赤帯が追加された。7700系と比較して太い帯が特徴である。弘南鉄道7000系の一部がこの姿で使用されている。
A31 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化] |
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7700系の赤帯追加後の姿。当初は無塗装であった7901Fと7902Fだが、1987年10月に先頭車の前面に赤帯が追加された。以降に改造された車両はこの姿であった。2002年に十和田観光電鉄に譲渡された車両もこの姿のまま使用された。東急で使用される車両については、2000年頃までにワンマン対応改造が施され、東急からこの姿の車両は消滅した。2012年の十和田電鉄の廃止に伴い、廃車解体によりこの姿は消滅した。
A32 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化][LED] |
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7700系の行先表示器のLED化後の姿。ワンマン化改造が施された編成のうち、7912F~7914F以外の編成は塗装が変更されず、外観の変化は行先表示器のLED化のみであった。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。一部は養老鉄道に譲渡された。
A33 | 標準形/●赤細帯Ⅰ [冷房化][LED][スカート] |
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養老鉄道7700系のTQ01編成とTQ03編成の姿。導入時の改造でスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。
A35 | 標準形/●赤細帯Ⅱ [冷房化][LED][スカート] |
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養老鉄道7700系TQ03編成の塗装変更後の姿。2022年に側面に赤帯が追加された。現在もこの姿で使用されている。
A41 | 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED] |
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1995年と1996年にワンマン対応改造が施された7700系7912F~7914Fの姿。塗装変更と行先表示器のLED化が実施されている。また、側面に行先表示器が新設されている点も特徴である。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。一部は養老鉄道に譲渡された。
A42 | 標準形/●赤黒帯 [冷房化][LED][スカート] |
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養老鉄道7700系のTQ14編成の姿。導入時の改造でスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。
A61 | 標準形/●北鉄色 |
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北陸鉄道7000系7001F、7101F、7102Fの姿。前面と側面にオレンジ色の帯が施されている。現在もこの姿で使用されている。
A71 | 標準形/●秩父色 |
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秩父鉄道2000系の姿。前面に青帯が施されている。2000年までに廃車され、この姿は消滅した。2017年に弘南鉄道7000系に同様の青帯が施され、この姿で使用されている。
A81 | 標準形/●水間色 |
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水間鉄道7000系7001F~7003Fの姿。入線当初は非冷房であった。7001Fは冷房化改造、7002Fは1000系に改造され、7003Fのみが2007年まで使用された。運用離脱後はこの姿で水間観音駅に留置されている。
A83 | 標準形/●水間赤色 [冷房化][スカート][LED] |
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水間鉄道1000系1001Fの姿。2006年に7002Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。
A84 | 標準形/●水間青色 [冷房化][スカート][LED] |
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水間鉄道1000系1003Fの姿。2007年に7001Fから改造された。2017年に弘南鉄道の塗装に変更され、この姿は消滅した。
A85 | 標準形/●弘南色 [冷房化][スカート][LED] |
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水間鉄道1000系1003Fの塗装変更後の姿。2017年に弘南鉄道の塗装に変更された。現在はこの姿で使用されている。
A91 | 標準形/●緑細帯 [冷房化][LED][スカート] |
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養老鉄道7700系のTQ05編成とTQ06編成の姿。導入時の改造でスカート設置と塗装変更が施された。現在もこの姿で使用されている。
A92 | 標準形/●緑黒帯 [冷房化][LED][スカート] |
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養老鉄道7700系のTQ12編成の姿。導入時の改造でスカート設置と塗装変更が施された。現在もこの姿で使用されている。
B01 | 改造形A/●赤帯 [冷房化][LED] |
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1996年に余剰となっていた中間車を種車に改造された7700系7915Fの姿。先頭車に新設された運転台は1000系に準じた仕様であり、前面も大きく異なる。2010年に廃車され、この姿は消滅した。
C13 | 改造形B/●北鉄色 |
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北陸鉄道7000系7201F、7202Fの姿。前面と側面にオレンジ色の帯が施されている。現在もこの姿で使用されている。2018年には弘南鉄道7000系デハ7101号もこの姿になった。
D01 | 改造形C/●福交青帯 |
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福島交通7000系の導入当初の姿。前面帯は青色であった。2013年以降は3両編成がこの姿であった。2018年までに廃車され、7101Fが曽根田駅に保存されている。
D02 | 改造形C/●福交桃帯 |
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福島交通7000系の帯色変更後の姿。2013年に2両編成を対象として帯色が変更され、この姿になった。2018年までに廃車され、この姿は消滅した。
E02 | 改造形D/●水間緑色 [冷房化][スカート][LED] |
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水間鉄道1000系1005Fの姿。2007年に7051Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。
E03 | 改造形D/●水間橙色 [冷房化][スカート][LED] |
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水間鉄道1000系1007Fの姿。2007年に7052Fから改造された。現在もこの姿で使用されている。