西武鉄道701系

西武鉄道701系/501系(2代)/
伊豆箱根鉄道1101系/三岐鉄道801/851系

《最終更新》 2023年5月3日

概要

701系は西武鉄道が1963年から製造した電車である。1967年にかけて4両編成48本が投入された。1976年から1981年にかけて6両編成が組成され、601系8両が編入された。また、余剰車で2両編成を組成し、501系(2代)に改造された。1995年までに廃車され、上信電鉄、総武流山電鉄、伊豆箱根鉄道、三岐鉄道、近江鉄道に譲渡された。

伊豆箱根鉄道1100系は1989年から西武鉄道701系を譲受した電車である。1990年にかけて3両編成3本が駿豆線に投入された。1300系の導入により、2012年までに廃車された。

三岐鉄道801・851系は1989年から西武鉄道701系を譲受した電車である。1997年にかけて3両編成4本が投入された。台車の形式によって、一部車両は851系に区分されている。2012年に1両が事故廃車され、西武新101系を種車としたクハ1881に代替された。


外観の特徴

1963年から1965年に製造された701F~747F(以下、前期形)は乗務員室扉の手摺が車体側面から突出しているが、1966年以降に製造された749F~795F(後期形)は乗務員室扉の手摺が車体側面に内蔵された。

落成時の塗装は赤とベージュのツートンであり、初期に落成された車両は前面行先表示器と尾灯まわりがベージュの塗分け(旧塗装Ⅰ)であった。のちに落成された編成は、前面行先表示器と尾灯まわりが赤とベージュに塗分け(旧塗装Ⅱ)が採用された。1968年には747Fが試験塗装車として、黄色をベースに窓周りが灰色(●試験塗装)に変更された。

1975年から1982年にかけて冷房化改造が施され、屋根上に冷房装置(冷房)が搭載された。同時に側扉がステンレス製の無塗装に変更され、塗装は赤とベージュのツートンに側扉が銀色(旧塗装Ⅲ)になった。1976年以降に冷房化改造が施された車両は、同時に塗装変更も実施され、黄色に側扉が銀色(新塗装)に変更された。

冷房化改造と同時に一部編成が6両編成化され、組成変更と601系の中間車を編入した。601系から編入した車両(編入形)は種車に準じた側窓の形状が特徴であった。組成変更により余剰となった車両は501系に改造されたが、701系の冷房改造車に準じた外観であった。

伊豆箱根鉄道1100系は1009Fと1011Fが後期形、1013Fが前期形を種車として改造された。導入時に塗装が変更され、白をベースに青帯(伊豆箱色)になった。2011年には1009Fが引退を記念して、赤とベージュのツートンに復元されたが、西武時代とは塗分けが異なっていた(赤電色)。

三岐鉄道801・851系は後期形を種車として改造され、塗装は黄色にオレンジ帯(三岐色)である。導入時に短編成化のために一部車両が先頭化改造され、クモハ801を除き先頭化改造車には乗務員室直後に縦樋が設置された。2013年に751Fがクハ1881と組成し、同時に行先表示器がLED式(LED)に変更された。2018年に805Fの塗装が西武時代の黄色に側扉が銀色(新塗装)、2019年に803Fが赤とベージュのツートンに側扉が銀色(旧塗装Ⅲ)に変更された。


バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/旧塗装Ⅰ

1963年に製造された701F、703Fの落成時の姿。前面行先表示器と尾灯まわりがベージュの塗分けであった。のちに塗装が変更され、この姿は消滅した。

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A02 前期形/旧塗装Ⅱ

1963年から1965年に製造された705F~747Fの落成時の姿。前面行先表示器と尾灯まわりに赤とベージュに塗分けが採用された。701Fと703Fも塗装変更によりこの姿になった。1982年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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A03 前期形/旧塗装Ⅲ [冷房]

701F、705F、731F、733Fの冷房化改造後の姿。1975年から1976年に冷房化改造が施され、当初は旧塗装のままであった。後に新塗装に変更され、この姿は消滅した。

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A11 前期形/●試験塗装

試験塗装が施された747Fの姿。1968年に101系の試験塗装が747Fに施された。1969年に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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A21 前期形/新塗装 [冷房]

前期形の冷房化改造および塗装変更後の姿。1975年から1982年にかけて冷房化改造が施され、1976年以降は同時に塗装変更も施された。1995年までに廃車され、この姿は消滅した。

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A31 前期形/伊豆箱色 [冷房]

伊豆箱根鉄道1013Fの姿。1990年に導入された1013Fは前期形を種車として改造された。2009年に廃車され、この姿は消滅した。

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B01 後期形/旧塗装Ⅱ

1966年以降に製造された749F~795Fの落成時の姿。側面に内蔵された乗務員扉の手摺が特徴である。1982年までに冷房化改造が施され、この姿は消滅した。

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B02 後期形/旧塗装Ⅲ [冷房]

749F、751Fの冷房化改造後の姿。1975年から1976年に冷房化改造が施され、当初は旧塗装のままであった。後に新塗装に変更され、この姿は消滅した。2019年に三岐鉄道803Fに西武鉄道時代の旧塗装が施され、この姿で使用されている。

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B03 後期形/旧塗装Ⅲ [冷房][縦樋]

三岐鉄道803Fの塗装変更後の姿。2019年に西武鉄道時代の旧塗装が施された。先頭化改造車は縦樋が設置されている。現在もこの姿で使用されている。

三岐鉄道 803F
三岐鉄道 803F
撮影場所 保々駅付近   撮影日 2020年6月
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B11 後期形/新塗装 [冷房]

後期形の冷房化改造および塗装変更後の姿。1975年から1982年にかけて冷房化改造が施され、1976年以降は同時に塗装変更も施された。1995年までに廃車され、この姿は消滅した。2018年に三岐鉄道805Fに西武鉄道時代の新塗装が施され、この姿で使用されている。

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B12 後期形/新塗装 [冷房][縦樋]

三岐鉄道805Fの塗装変更後の姿。2019年に西武鉄道時代の新塗装が施された。先頭化改造車は縦樋が設置されている。現在もこの姿で使用されている。

三岐鉄道 805F
三岐鉄道 805F
撮影場所 近鉄富田駅   撮影日 2020年6月
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B21 後期形/伊豆箱色 [冷房]

伊豆箱根鉄道1009F、1011Fの姿。1989年に導入された1009F、1011Fは前期形を種車として改造された。2011年までに塗装変更または廃車され、この姿は消滅した。

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B22 後期形/赤電色 [冷房]

伊豆箱根鉄道1009Fの塗装変更後の姿。2011年に1009Fが引退を記念して、赤とベージュのツートンに復元された。塗分けは西武時代と異なっている。2012年までに廃車され、この姿は消滅した。

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B31 後期形/三岐色 [冷房]

三岐鉄道801・851系の姿。現在もこの姿で使用されている。

三岐鉄道 801F
三岐鉄道 801F
撮影場所 保々駅付近   撮影日 2020年6月
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B32 後期形/三岐色 [冷房][縦樋]

三岐鉄道801・851系の姿。クモハ801を除き、先頭化改造車は縦樋が設置されている。現在もこの姿で使用されている。

三岐鉄道 803F
三岐鉄道 803F
撮影場所 近鉄富田駅   撮影日 2013年4月
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B33 後期形/三岐色 [冷房][縦樋][LED]

三岐鉄道851Fの行先表示器LED化後の姿。2013年に751Fがクハ1881と組成し、同時に行先表示器がLED式に変更された。現在もこの姿で使用されている。

三岐鉄道 851F
三岐鉄道 851F
撮影場所 保々駅付近   撮影日 2018年11月
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C01 編入形/旧塗装Ⅲ [冷房]

601系から編入した車両の姿。1976年に701F、705Fに組み込まれた車両は、旧塗装のままであった。後に新塗装に変更され、この姿は消滅した。

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C11 編入形/新塗装 [冷房]

601系から編入した車両の塗装変更後の姿。1976年以降に703F、707F~713Fに組み込まれた車両は、編入改造と同時に新塗装化された。701F、705Fも塗装変更され、この姿になった。1992年までに廃車され、この姿は消滅した。

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