東武鉄道8000/800/850系

東武鉄道8000/800/850系

《最終更新》 2022.01.15

1.概要

8000系は東武鉄道が1963年から製造した通勤形電車である。旧型車両の置き換えを目的として、1983年までに712両が製造された。800系と850系は2005年に閑散線区用として8000系を短編成化した車両である。


2.外観の特徴

2.1.車体構造の差異

8111F8000系は1963年から1983年にかけて20年間にわたり製造された。台車の変更や内装の細部の改良を加えながら増備されたが、外観に大きな変更はなかった。当初は非冷房車で落成されたが、1972年以降は冷房車として落成された。なお、後に非冷房車も全車が新製冷房車と同様の冷房装置を設置している。落成時の前面の形状は種別表示器と行先表示器が前面窓とは独立した形状(以下、原形)であった。また、前面屋根上には標識灯が設置されていた。

なお、8000系から改造された800系と850系は、後述する8000系の前面改造車に準じており、外観に大きな差異は存在しない。


2.2.改造による差異

●標識灯の撤去
1986年より前面屋根上の標識灯が撤去され、1988年頃までに全車両に施された。2004年に8108F、2014年に8111Fがツートン色に変更された際には、同時に標識灯も復元された。現在はセイジクリーム色である8111Fに設置されている。

●前面改造
1986年より車体修繕が施され、内外装の一部が変更されている。なかでも、1987年以降に施工された車両は、前面形状が6050系に準じたものに変更され、外観に大きな変化が生じた。

●LED式行先表示器
1997年以降に車体修繕が施された車両は、行先表示器がLED式に変更された。1998年以降には車体修繕が行われていなかった車両を対象として、手動幕式であった前面行先表示器がLED式に変更された。


2.3.塗装の差異

81107Fツートン色
登場時の塗装が該当する。ベージュをベースに窓まわりと裾部がオレンジ色である。1974年頃よりセイジクリーム色に変更され、この塗装は消滅していた。2014年11月より81107Fにこの塗装が採用されている。


81111Fセイジクリーム色
1974年以降の塗装が該当する。塗装の簡素化を目的として、セイジクリームの単色である。1985年頃より標準色に塗装変更され、この塗装は消滅していた。2014年3月より81111Fにこの塗装が採用されている。


8565F標準色
1985年以降の塗装が該当する。白をベースに青と水色の帯である。現在も多くの車両がこの塗装である。


8198Fフライング東上色
2015年以降の8198Fの塗装が該当する。東上線で運行されていた行楽列車「フライング東上」号の1950年代の塗装が復元された。


8577F試験色(橙)
2016年3月以降の8577Fの塗装が該当する。1960年頃に実施された試験塗装が復元された。オレンジ色ベースに黄色の帯である。


8568F試験色(緑)
2017年2月以降の8568Fの塗装が該当する。1960年頃に実施された試験塗装が復元された。緑色ベースに白色の帯である。


8575F試験色(黄)
2016年7月からの8575Fの塗装が該当する。1960年頃に実施された試験塗装が復元された。黄色ベースにオレンジ色の帯である。



3.特徴マトリックス図


前面形状  
原形 標識灯/非冷房
標識灯
 
LED表示器
前面改造  
LED表示器
ツートン
セイジクリーム
標準色
フライング東上
試験色(橙)
試験色(緑)
試験色(黄)
A01 A11      
A02 A12 B01      
A13 B02        
B03        
B11        
C01 C02 B12 C03 C04 C05 C06  

4.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

5.各バリエーション解説

A01 ツートン色 [標識灯][非冷房]

非冷房車の登場時の姿。冷房化改造と塗装変更により、この姿は消滅した。

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A02 ツートン色 [標識灯]

冷房車の登場時の姿。1972年以降は冷房車として落成された。後に非冷房車も冷房化され、この姿になった。塗装変更により、この姿は消滅した。

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A11 セイジクリーム色 [標識灯][非冷房]

非冷房車の塗装変更後の姿。1974年からこの塗装に変更された。非冷房車は1984年までに冷房化され、この姿は消滅した。

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A12 セイジクリーム色 [標識灯]

冷房車の塗装変更後の姿。1974年からこの塗装に変更された。1984年までに全車が冷房化された。塗装変更や改造により、この姿は消滅した。

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A13 セイジクリーム色

セイジクリーム色の標識灯撤去後の姿。1986年から標識灯が撤去され、この姿になった。1985年から標準色への塗装変更が開始されていたが、塗装変更前に標識灯を撤去した車両が存在した。塗装変更により、この姿は消滅した。

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B01 標準色 [標識灯]

標準色の車両の姿。1985年からこの塗装に変更された。1986年から標識灯が撤去され、この姿は消滅した。

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B02 標準色

標識灯撤去後の標準色の車両の姿。1985年からこの塗装に変更され、1986年以降は標識灯が撤去された。1986年以降は車体修繕が施され、この姿の車両は減少した。車体修繕を受けた車両の多くは前面改造が施されているが、1986年に施工された車両のみ前面改造が未施工であった。そのため、未修繕車と1986年修繕車のみがこの姿を維持していた。2012年に最後までこの姿を維持していた8111Fがツートン色に復元され、この姿は消滅した。

 森林公園検修区 51002F
森林公園検修区 8111F
撮影場所 池袋駅   撮影日 2011.06.04
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B03 標準色 [LED]

LED式行先表示器を装備する未修繕車の姿。1998年以降は未修繕車の前面行先表示器がLED式に変更された。修繕工事の完了と廃車により、この姿は消滅した。

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B11 標準色 [前面改造]

1987年以降の修繕車の姿。前面形状が大幅に変更されている。現在も一部編成が、この姿で使用されている。

南栗橋車両管区七光台支所 8150F
南栗橋車両管区七光台支所 8150F
撮影場所 馬込沢駅   撮影日 2021.10.02
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B12 標準色 [前面改造][LED]

1997年以降の修繕車の姿。前面形状の変更に加え、行先表示器がLED式に変更された。ワンマン対応車や800系、850系もこの姿である。

南栗橋車両管区七光台支所 81117F
南栗橋車両管区七光台支所 81117F
撮影場所 新船橋駅   撮影日 2021.10.02
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C01 ツートン色 [前面改造][LED]

2014年以降の81107Fの姿。2014年11月にワンマン対応の修繕車である同編成がツートン色に復元された。

森林公園検修区 81107F
森林公園検修区 81107F
撮影場所 男衾駅   撮影日 2018.02.09
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C02 セイジクリーム [前面改造][LED]

2014年以降の81111Fの姿。2014年3月にワンマン対応の修繕車である同編成がセイジクリーム色に復元された。

森林公園検修区 81111F
森林公園検修区 81111F
撮影場所 坂戸駅   撮影日 2018.02.09
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C03 フライング東上 [前面改造][LED]

2015年以降の8198Fの姿。2015年11月に東上線で運行されていた行楽列車「フライング東上」号の1950年代の塗装が同編成で復元された。2019年に塗装変更され、この姿は消滅した。

森林公園検修区 8198F
森林公園検修区 8198F
撮影場所 坂戸駅   撮影日 2018.02.09
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C04 試験色(橙) [前面改造][LED]

2016年以降の8577Fの姿。2016年3月に同編成の塗装が1960年頃に行なわれたオレンジ色をベースとした試験塗装に変更された。

南栗橋車両管区春日部支所 8577F
南栗橋車両管区春日部支所 8577F
撮影場所 亀戸駅付近   撮影日 2017.06.29
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C05 試験色(緑) [前面改造][LED]

2017年以降の8568Fの姿。2017年2月に同編成の塗装が1960年頃に行なわれた緑色をベースとした試験塗装に変更された。

南栗橋車両管区春日部支所 8568F
南栗橋車両管区春日部支所 8568F
撮影場所 亀戸駅付近   撮影日 2017.06.29
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C06 試験色(黄) [前面改造][LED]

2017年以降の8575Fの姿。2017年7月に同編成の塗装が1960年頃に行なわれた黄色をベースとした試験塗装に変更された。

南栗橋車両管区春日部支所 8577F
南栗橋車両管区春日部支所 8575F
撮影場所 曳舟駅   撮影日 2018.05.01
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