国鉄キハ54形

国鉄キハ54形

《最終更新》 2021.04.18

1.概要

キハ54形は国鉄が1986年から製造した一般形気動車である。1987年にかけて四国地区に暖地形の0番台12両、北海道地区に酷寒地形の500番台29両が投入された。


2.外観の特徴

2.1.車体構造の差異

◆暖地形
1987年に四国地区に投入された0番台(キハ54-1~12)が該当する。客扉は折戸式で、側窓は二段式のユニット窓である。


◆寒地形
1986年に北海道地区に投入された500番台(キハ54-501~529)が該当する。客扉は引戸式で、側窓は小型の二重窓である。落成時からスカートが設置されている。


2.2.改造による差異

◆スカート設置
2014年頃に0番台の全車両を対象としてパイプ状のスカートが設置された。


◆タイフォン撤去
2003年頃から500番台の全車両を対象として、鹿笛の設置に合わせて、従来のタイフォンが撤去された。


◆車体強化改造
2007年3月の石北線踏切事故によりキハ54-520の前頭部が大破したことを受けて、全車両に車体強化改造が施された。乗務員扉と客扉の上部に補強部材が追加された。


2.3.塗装の差異

松山色
四国地区に投入された0番台に施された塗装。帯色はオレンジ色であった。


四国色
四国地区の0番台のJR化後の塗装。1989年以降はこの塗装に変更された。JR四国のコーポレートカラーである水色が施されている。


警戒色
1993年頃のキハ54-1の塗装。踏切事故対策として、四国色に赤色のアクセントが追加されていた。


トロッコ色
「しまんとトロッコ」の専用車両であるキハ54-4の塗装。車体全体が黄色である。


一般色
北海道地区に投入された500番台の一般仕様車の塗装。帯色は赤、黒、白の3色である。


急行色
北海道地区に投入された500番台の急行仕様車の塗装。一般仕様車との識別のため、赤、黒、白の3色の帯に加えて、窓上に赤帯が施されている。


花咲色
花咲線で使用される車両に施された塗装。帯色はハマナスの花をイメージしたピンク色である。同線の車両は2003年頃からこの塗装に変更された。


3. 特徴マトリックス図

 
 
 
松山色
四国色
警戒色
トロッコ色
一般色
急行色
花咲色
前期形   後期形     
スカート
タイフォン撤去  
車体強化
 
A01  
A11 A12  
A21  
A31 A32  
B01 B02 B03  
B11 B12 B13  
B21 B22  

4.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

5.各バリエーション解説

A01 暖地形/松山色

四国地区に投入された0番台の落成時の姿。1989年頃に塗装変更され、この姿は消滅した。

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A11 暖地形/四国色

四国地区の0番台の塗装変更後の姿。JR化後の1989年頃からこの塗装に変更された。2014年頃からスカートが設置され、この姿は消滅した。

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A12 暖地形/四国色 [スカート]

四国地区の0番台のスカート設置後の姿。2014年頃からスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。

松山運転所 キハ54-9
松山運転所 キハ54-9
撮影場所 松山駅   撮影日 2015.08.23
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A21 暖地形/警戒色

1993年頃に踏切事故対策として警戒帯が追加されたキハ54-1の姿。のちに塗装が変更され、この姿は消滅した。

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A31 暖地形/トロッコ色

「しまんとトロッコ」の専用車両であるキハ54-4の姿。2013年10月の運行開始に合わせてこの塗装になった。のちにスカートが設置され、この姿は消滅した。

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A32 暖地形/トロッコ色 [スカート]

スカート設置後のキハ54-4の姿。2014年頃にスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。

松山運転所 キハ54-4
松山運転所 キハ54-4
撮影場所 近永駅   撮影日 2016.08.20
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B01 寒地形/一般色

北海道地区に投入された500番台の一般仕様車(キハ54-501~526)の落成時の姿。2003年頃からタイフォンが撤去され、この姿は消滅した。

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B02 寒地形/一般色 [タイフォン撤去]

500番台の一般仕様車のタイフォン撤去後の姿。2003年頃からタイフォンが撤去された。2007年以降に車体強化改造が施され、この姿は消滅した。

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B03 寒地形/一般色 [タイフォン撤去][車体強化]

500番台の一般仕様車の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。現在もこの姿で使用されている。

旭川運転所 キハ54-513
旭川運転所 キハ54-513
撮影場所 旭川四条駅   撮影日 2020.08.30
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B11 寒地形/急行色

北海道地区に投入された500番台の急行仕様車(キハ54-527~529)の落成時の姿。一般仕様車との区分のため、窓上に赤帯が配されている。2003年頃からタイフォンが撤去され、この姿は消滅した。

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B12 寒地形/急行色 [タイフォン撤去]

500番台の急行仕様車のタイフォン撤去後の姿。2003年頃からタイフォンが撤去された。2007年以降に車体強化改造が施され、この姿は消滅した。

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B13 寒地形/急行色 [タイフォン撤去][車体強化]

500番台の急行仕様車の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。現在もこの姿で使用されている。

旭川運転所 キハ54-529
旭川運転所 キハ54-529
撮影場所 旭川四条駅   撮影日 2021.02.27
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B21 寒地形/花咲色 [タイフォン撤去]

花咲線で使用された車両の姿。同線で使用される車両は、2003年頃からこの塗装に変更された。2007年以降に車体強化改造が施され、この姿は消滅した。

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B22 寒地形/花咲色 [タイフォン撤去][車体強化]

花咲線の車両の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。2009年から2016年にかけて、一般色に変更され、この姿は消滅した。

釧路運輸車両所 キハ54-526
釧路運輸車両所 キハ54-526
撮影場所 釧路駅   撮影日 2014.08.27
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