国鉄キハ54形
1.概要
キハ54形は国鉄が1986年から製造した一般形気動車である。1987年にかけて四国地区に暖地形の0番台12両、北海道地区に酷寒地形の500番台29両が投入された。
2.外観の特徴
2.1.車体構造の差異
◆暖地形
1987年に四国地区に投入された0番台(キハ54-1~12)が該当する。客扉は折戸式で、側窓は二段式のユニット窓である。
◆寒地形
1986年に北海道地区に投入された500番台(キハ54-501~529)が該当する。客扉は引戸式で、側窓は小型の二重窓である。落成時からスカートが設置されている。
2.2.改造による差異
◆スカート設置
2014年頃に0番台の全車両を対象としてパイプ状のスカートが設置された。
◆タイフォン撤去
2003年頃から500番台の全車両を対象として、鹿笛の設置に合わせて、従来のタイフォンが撤去された。
◆車体強化改造
2007年3月の石北線踏切事故によりキハ54-520の前頭部が大破したことを受けて、全車両に車体強化改造が施された。乗務員扉と客扉の上部に補強部材が追加された。
2.3.塗装の差異
四国地区に投入された0番台に施された塗装。帯色はオレンジ色であった。
四国地区の0番台のJR化後の塗装。1989年以降はこの塗装に変更された。JR四国のコーポレートカラーである水色が施されている。
1993年頃のキハ54-1の塗装。踏切事故対策として、四国色に赤色のアクセントが追加されていた。
「しまんとトロッコ」の専用車両であるキハ54-4の塗装。車体全体が黄色である。
北海道地区に投入された500番台の一般仕様車の塗装。帯色は赤、黒、白の3色である。
北海道地区に投入された500番台の急行仕様車の塗装。一般仕様車との識別のため、赤、黒、白の3色の帯に加えて、窓上に赤帯が施されている。
花咲線で使用される車両に施された塗装。帯色はハマナスの花をイメージしたピンク色である。同線の車両は2003年頃からこの塗装に変更された。
3. 特徴マトリックス図
●一般色 |
●急行色 |
●花咲色 |
4.バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 暖地形/●松山色 |
A11 | 消滅 | 暖地形/●四国色 |
A12 | 現存 | 暖地形/●四国色 [スカート] |
A21 | 消滅 | 暖地形/●警戒色 |
A31 | 消滅 | 暖地形/●トロッコ色 |
A32 | 現存 | 暖地形/●トロッコ色 [スカート] |
B01 | 消滅 | 寒地形/●一般色 |
B02 | 消滅 | 寒地形/●一般色 [タイフォン撤去] |
B03 | 現存 | 寒地形/●一般色 [タイフォン撤去][車体強化] |
B11 | 消滅 | 寒地形/●急行色 |
B12 | 消滅 | 寒地形/●急行色 [タイフォン撤去] |
B13 | 現存 | 寒地形/●急行色 [タイフォン撤去][車体強化] |
B21 | 消滅 | 寒地形/●花咲色 [タイフォン撤去] |
B22 | 消滅 | 寒地形/●花咲色 [タイフォン撤去][車体強化] |
5.各バリエーション解説
A12 | 暖地形/●四国色 [スカート] |
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四国地区の0番台のスカート設置後の姿。2014年頃からスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。
A32 | 暖地形/●トロッコ色 [スカート] |
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スカート設置後のキハ54-4の姿。2014年頃にスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。
B03 | 寒地形/●一般色 [タイフォン撤去][車体強化] |
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500番台の一般仕様車の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。現在もこの姿で使用されている。
B11 | 寒地形/●急行色 |
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北海道地区に投入された500番台の急行仕様車(キハ54-527~529)の落成時の姿。一般仕様車との区分のため、窓上に赤帯が配されている。2003年頃からタイフォンが撤去され、この姿は消滅した。
B13 | 寒地形/●急行色 [タイフォン撤去][車体強化] |
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500番台の急行仕様車の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。現在もこの姿で使用されている。
B22 | 寒地形/●花咲色 [タイフォン撤去][車体強化] |
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花咲線の車両の車体強化改造後の姿。2007年頃から車体強化改造が施され、補強部材が追加された。2009年から2016年にかけて、一般色に変更され、この姿は消滅した。