国鉄キハ185系

国鉄キハ185系

《最終更新》 2021.04.18

1. 概要

キハ185系は国鉄が1986年から製造した特急形気動車である。四国地方の急行列車を特急列車に格上げするため、1988年にかけてキハ185形44両、キロハ186形8両が投入された。国鉄民営化後はJR四国が全車両を保有したが、1992年にキハ185形16両とキロハ186形4両がJR九州に譲渡された。


2. 外観の特徴

落成時期による差異は存在せず、塗装は緑帯(以下、●国鉄色)であった。1987年にはJR四国のコーポレートカラーである水色(四国色)に変更された。1992年には余剰車がJR九州に譲渡され、特急「あそ」・「ゆふ」用として赤と銀色(九州色Ⅰ)に変更された。

JR四国保有車の変化として、1996年には特急「剣山」用として一部車両が水色と青帯(剣山色)に変更された。2000年には一部車両が普通列車用として3000・3100番台に改造され、水色と赤帯(普通色)に変更された。1999年にはキロハ186が「アイランドエクスプレス四国Ⅱ」として、外装が夕景の海のイラスト(アイランド)に変更された。また、1997年にキハ185-20がトロッコ列車の控車として、国鉄色に準じているが前面窓周りがブラウン色(国鉄風Ⅰ)、2002年にキハ185-26が国鉄色に準じているが前面窓周りが緑色(国鉄風Ⅱ)になった。2017年には観光列車「四国まんなか千年ものがたり」として、各種改造、改番のうえでキロ185-1001が緑(千年物語(緑))、キロ186-1002が青と白(千年物語(青白))、キロ185-1003が赤(千年物語(赤))になった。さらに、2020年には観光列車「志国土佐 時代の夜明けものがたり」として、キロ185-1867が茶色(夜明け物語(茶))、キロ185-1868が白色(夜明け物語(白))になった。

JR九州保有車は、2004年からリニューアルが施され、特急「ゆふ」用の車両は赤とシルバーで前面が赤一色(九州色Ⅱ)、特急「九州横断特急」用の車両は車体全体が赤一色(九州色Ⅲ)になった。2005年頃から前面にフォグランプ(補助灯)が増設され、2011年頃にスカート下部にパイプ部材が追加(排障器増設)された。2011年には特急「A列車で行こう」用として、キハ185-4とキハ185-1012が黒と金色(A列車)になった。


3. バリエーション一覧

No.
現状
特徴

4. 各バリエーション解説

A01 ●国鉄色

落成時の姿。国鉄時代に落成された車両はこの姿であった。JR四国の発足に伴って塗装が変更され、この姿は消滅した。2017年からキハ185-17・18がこの姿で使用されている。

高松運転所 キハ185-18
高松運転所 キハ185-18
撮影場所 徳島駅   撮影日 2020.09.18
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A02 四国色

JR化による塗装変更後の姿。1987年からこの塗装になった。また、JR化後に増備された車両は落成時からこの姿であった。現在もこの姿で使用されている。

高松運転所 キハ185-14
高松運転所 キハ185-14
撮影場所 牟岐駅   撮影日 2015.08.25
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A03 剣山色

特急「剣山」用の車両の姿。1996年に同列車の設定に合わせて専用塗装に変更された。同列車以外にも充当される。現在もこの姿で使用されている。

高松運転所 キハ185-22
高松運転所 キハ185-22
撮影場所 徳島駅   撮影日 2020.09.18
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A04 普通色

普通列車用に格下げされた3000・3100番台の姿。現在もこの姿で使用されている。

松山運転所 キハ185-3113
松山運転所 キハ185-3113
撮影場所 松山駅   撮影日 2015.08.23
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A11 国鉄風Ⅰ

キハ185-20の姿。1997年にトロッコ列車の控車として国鉄色に準じた塗装に変更された。前面窓まわりがブラウン色である点が本来の国鉄色とは異なる。2017年に「幕末維新号」としてラッピングが施されたため、この姿は見られない。

高松運転所 キハ185-20
高松運転所 キハ185-20
撮影場所 松山駅   撮影日 2015.08.23
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A12 国鉄風Ⅱ

キハ185-26の姿。2003年にトロッコ列車の控車として国鉄色に準じた塗装に変更された。前面窓まわりと前面上部が帯色と同色である点が本来の国鉄色とは異なる。2015年に「アンパンマントロッコ」としてラッピングが施されたため、この姿は見られない。

高松運転所 キハ185-26
高松運転所 キハ185-26
撮影場所 高松駅   撮影日 2012.07.29
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A13 アイランド

「アイランドエクスプレス四国Ⅱ」の姿。1999年にキロ186-4・8が「アイランドエクスプレス四国Ⅱ」に改造された。伴走車両としてキハ185-11・12が存在するが、車体装飾は車端部のみに施されている。2016年にキロ186-4が四国まんなか千年ものがたり」に改造されたため、キハ185-11・12、キロ186-8のみがこの姿である。

高松運転所 キハ185-11
高松運転所 キハ185-11
撮影場所 多度津駅   撮影日 2020.09.18
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A21 千年物語(緑)

「四国まんなか千年ものがたり」のキロ185-1001の姿。2017年にキハ185-14を種車として改造された。現在もこの姿で使用されている。

高松運転所 キロ185-1001
高松運転所 キロ185-1001
撮影場所 多度津駅   撮影日 2020.09.18
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A22 千年物語(青白)

「四国まんなか千年ものがたり」のキロ186-1002の姿。2017年にキロ186-4を種車として改造された。現在もこの姿で使用されている。

高松運転所 キロ186-1002
高松運転所 キロ186-1002
撮影場所 多度津駅   撮影日 2020.09.18
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A23 千年物語(赤)

「四国まんなか千年ものがたり」のキロ185-1003の姿。2017年にキハ185-3102を種車として改造された。現在もこの姿で使用されている。

高松運転所 キロ185-1003
高松運転所 キロ185-1003
撮影場所 多度津駅   撮影日 2020.09.18
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A24 夜明け物語(茶)

「志国土佐 時代の夜明けものがたり」のキロ185-1867の姿。2020年にキハ185-1015を種車として改造された。現在もこの姿で使用されている。

高知運転所 キロ185-1867
高知運転所 キロ185-1867
撮影場所 高知駅   撮影日 2020.09.20
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A25 夜明け物語(白)

「志国土佐 時代の夜明けものがたり」のキロ185-1868の姿。2020年にキハ185-25を種車として改造された。現在もこの姿で使用されている。

高知運転所 キロ185-1868
高知運転所 キロ185-1868
撮影場所 高知駅   撮影日 2020.09.20
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A31 九州色Ⅰ

JR九州に譲渡された車両の姿。1992年から特急「あそ」・「ゆふ」で使用された。2004年からリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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A32 九州色Ⅱ

特急「ゆふ」用車両の姿。2004年にリニューアルが施され、この姿になった。リニューアル前と比較して、前面が赤一色に変更された点が特徴である。2005年頃からフォグランプが設置され、この姿は消滅した。

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A33 九州色Ⅱ [補助灯]

特急「ゆふ」用車両のフォグランプ設置後の姿。2005年頃からフォグランプが設置された。2011年頃にスカートが改造され、この姿は消滅した。

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A34 九州色Ⅱ [補助灯][排障器増設]

特急「ゆふ」用車両のスカート改造後の姿。2011年頃からスカート下部にパイプ部材が追加された。2020年までに塗装変更され、この姿は消滅した。

大分車両センター キハ185-7
大分車両センター キハ185-7
撮影場所 博多駅   撮影日 2015.03.26
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A35 九州色Ⅲ

特急「九州横断特急」用車両の姿。2004年にリニューアルが施され、この姿になった。車体全体が赤色である点が特急「ゆふ」用とは異なっている。2005年頃からフォグランプが設置され、この姿は消滅した。

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A36 九州色Ⅱ [補助灯]

特急「九州横断特急」用車両のフォグランプ設置後の姿。2005年頃からフォグランプが設置された。2011年頃にスカートが改造され、この姿は消滅した。

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A37 九州色Ⅲ [補助灯][排障器増設]

特急「九州横断特急」用車両のスカート改造後の姿。2011年頃からスカート下部にパイプ部材が追加された。「九州横断特急」と「ゆふ」用車両の共通化を図るため、2018年から2020年にけて車体ロゴを「THE AROUND KYUSHU」に変更したうえで、この塗装に統一された。

大分車両センター キハ185-16
大分車両センター キハ185-16
撮影場所 立野駅   撮影日 2021.03.06
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A41 A列車 [補助灯][排障器増設]

特急「A列車で行こう」用車両の姿。2011年にキハ185-4とキハ185-1012が専用車両に改造された。現在もこの姿で使用されている。

熊本車両センター キハ185-4
熊本車両センター キハ185-4
撮影場所 西熊本駅   撮影日 2021.03.06
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