JR東日本キハ100系
1. 概要
キハ100系はJR東日本が1990年から製造した一般形気動車である。1997年にかけて、キハ100形(セミクロスシート・便所あり)51両、左沢線用のキハ101形(ロングシート・便所なし)13両が投入された。
2. 外観の特徴
2.1. 車体構造の差異
製造時期により車体構造に差異が存在する。
◆試作形
1990年に製造された0番台試作車のキハ100-1~4が該当する。パイプ状の部材が取付けられたのスカートと乗務員室の側窓が金具支持である点が特徴である。
◆初期形
1991年に製造された0番台量産車のキハ100-5~8が該当する。試作形と比較して、乗務員室の側窓がHゴム支持に変更された点が特徴である。
◆前期形
1991年に製造されたキハ100-9~46が該当する。スカートのパイプ状の部材の廃止と側窓の支持方式が変更された。
◆中期形
1993年から1994年にかけて製造されたキハ100-201~205、キハ101-1~11が該当する。車体長が17m級に延長され、側扉が引戸に変更された点が特徴である。
◆後期形
1997年に製造されたキハ101-12・13が該当する。車掌台側の側窓が拡大された点が特徴である。
2.2. 改造による変化
◆鹿バンパー
2017年に野生動物(シカ)との接触時の床下撒き込みを防ぐため、試験的にキハ100-10のスカートにバンパーが設置された。2019年に撤去された。
※LED式行先表示器
落成時は全車両が幕式行先表示器であったが、後年に一部車両の側面行先表示器のみLED式に更新された。
2.3. 塗装の差異
●初期色
1990年に製造された試作車に採用された塗装。薄緑をベースに扉部と車体隅部に緑色を配している。試作車の特徴として前面が黒塗装であった。
●標準色
標準的な塗装。薄緑をベースに扉部と車体隅部に緑色を配している。
●左沢色
左沢線に投入されたキハ101形に施された塗装。白と水色である。
●ハイレール
小海線の観光列車「HIGH RAIL 1375」に施される塗装。青をベースに側面には夜空と山景の装飾が施されている。
3. 特徴マトリックス図
4. バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 試作形/●初期色 |
A02 | 消滅 | 試作形/●標準色 |
B01 | 消滅 | 初期形/●標準色 |
C01 | 現存 | 前期形/●標準色 |
C02 | 消滅 | 前期形/●標準色 [鹿バンパー] |
C11 | 現存 | 前期形/●ハイレール |
D01 | 現存 | 中期形/●標準色 |
D11 | 現存 | 中期形/ |
E01 | 現存 | 後期形/ |
5. 各バリエーション解説
C02 | 前期形/●標準色 [鹿バンパー] |
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鹿バンパーが設置されたキハ100-10の姿。2017年に野生動物(シカ)との接触時の床下撒き込みを防ぐためのバンパーが設置された。2019年に撤去され、この姿は消滅した。
C11 | 前期形/●ハイレール |
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「HIGH RAIL 1375」のキハ103-711の姿。2017年にキハ100-29から改造され、内外装が変更されている。片側の運転台の使用を停止したことで、形式がキハ103形に変更されている。現在もこの姿で使用されている。