JR東日本E231系

JR東日本E231系

《最終更新》 2018.09.13

1.概要

E231系はJR東日本が2000年から製造した一般形直流電車である。老朽化した車両の置き換えを目的として、首都圏の各路線に投入された。量産先行車の900番台、通勤形仕様の0番台、山手線用の500番台、地下鉄対応の800番台、近郊形仕様の1000番台、八高・川越線に転用された3000番台が存在する。


2.外観の特徴

2.1.車体構造の差異

番台区分と落成時期による差異が存在する。このページにおいては、以下のとおり区分する。

E231系0番台中央総武線◆0番台(前期形)
2000年から2002年に中央・総武緩行線に投入された車両が該当する。車外スピーカー設置に対応しておらず、側面行先表示器の部分を除いて上帯が連続している点が特徴である。前面窓ガラスは上部にフィルムが張られていないものが落成時の標準であったが、一部車両は0番台後期形と同様にフィルム付に変更されている。


E231系0番台常磐線◆0番台(後期形)
2001年から2004年にかけて常磐快速・成田線に投入された車両と、2006年に中央・総武緩行線に投入された車両が該当する。車外スピーカー設置に対応しているため、側窓上の当該部分にはふさぎ板が取り付けられている。そのため、上帯が途切れている点が特徴である。前面窓ガラスは上部にフィルムを張り付けたものが使用されている。中央・緩行線の車両と、常磐快速線・成田線の車両では、スカート形状が異なっており、後に強化形スカートに交換されたことで、仕様が統一された。


E231系500番台◆500番台
2002年から2005年にかけて山手線に投入された車両が該当する。0番台と比較すると、外観は前面デザインが変更されたほか、車内にはLCDの設置など、さまざまな改良が盛り込まれた。2010年と2011年に6扉車の置き換えを目的として、新製のうえ7号車に組み込まれた600番台も該当する。0番台後期形と同様に車外スピーカー設置に対応しており、2014年から順次スピーカーが設置された。


E231系800番台◆800番台
2003年に中央・総武緩行線の東西線直通列車用として投入された車両が該当する。地下鉄乗り入れに対応しており、ストレート車体と前面の非常扉が特徴である。


E231系900番台◆900番台
1998年に209系950番台として製造され、2000年にE231系900番台に編入された量産先行車が該当する。車体は209系500番台に準じており、車体中央の大型窓が固定窓である点が特徴である。なお、先頭車のみ車体中央の固定窓が開閉式に改造されている。


E231系1000番台◆1000番台(前期形)
2000年から2003年にかけて、東北・高崎線用として小山車両センターに投入された近郊形仕様の車両が該当する。通勤形仕様の車両と比べ、先頭車は衝撃吸収構造を採用し、乗務員室スペースが拡大されている。また、前照灯は前面窓上に配置されている。


E231系1000番台◆1000番台(後期形)
2004年から2006年に東海道線用として国府津車両センターに投入された車両と、2006年と2007年に東北・高崎線用として小山車両センターに投入された近郊形仕様の車両が該当する。前期形との相違点は、車外スピーカー準備工事が施されていることと、黒色のフィルムを張り付けた前面窓ガラスが採用されていることである。


E231系6扉車◆6扉車(前期形)
2000年から2002年に中央・総武緩行線に投入された0番台の6扉車と、900番台の6扉車が該当する。中間車のみ存在する。


E231系6扉車◆6扉車(後期形)
2002年から2005年にかけて山手線に投入された500番台の6扉車と、2006年に中央・総武緩行線に投入された0番台の6扉車が該当する。中間車のみ存在する。車外スピーカー準備工事が施されていることが前期形と異なる。


E231系グリーン車◆グリーン車
近郊形仕様の基本編成に連結されるグリーン車が該当する。中間車のみ存在する。当初は小山車両センターの編成には連結されていなかったが、2004年から組み込まれている。そのため、全車が後期形に準じた設計であり、車外スピーカー準備工事が施されている。


E231系4600番台◆4600番台
2010年と2011年に山手線の6扉車の置き換えを目的として、10号車に組み込まれた車両が該当する。ホームドアの都合上、E233系の先頭車にあわせた扉配置が特徴である。また、扉もE233系に準じた複層ガラスのものである。


2.2.改造による差異

E231系 側窓開閉化◆側窓開閉化
900番台の先頭車は開閉可能な窓が少ないことから、2007年3月に車体中央の大型窓が開閉式に改造された。改造された窓は開閉部が分割された2段窓になっている。


E231系 強化形スカート◆強化形スカート
2005年以降に製造された近郊形仕様の車両は強化形スカートで製造されている。また、従来のスカートを装備していたE231系の全車両も、2009年5月までに強化形に変更された。


2.3.塗装の差異

塗装バリエーションは以下のとおりである。

E231系 総武線総武線色
中央・総武緩行線の車両に施される塗装。帯は黄色である。三鷹車両センターに配置されている0番台、900番台、500番台に採用されている。


E231系 常磐線常磐線色
常磐快速・成田線の車両に施される塗装。帯はエメラルドグリーン色とウグイス色である。松戸車両センターに配置されている0番台に採用されている。


常磐線色(初期)
常磐快速・成田線用の0番台に施されていた塗装。2001年に製造された編成は、帯がエメラルドグリーン色であった。営業運転開始前にウグイス色が追加された塗装に変更された。


E231系 常磐線常磐線色(変則)
松戸車両センターに配置されているマト111編成に2014年から施されている塗装。帯はエメラルドグリーン色とウグイス色である。従来の常磐線色と比べ、前面部のウグイス色が濃いことが特徴である。
(※画像左は通常塗装、右がマト111編成の変則塗装)


E231系 山手線山手線色
山手線の車両に施される塗装。帯はウグイス色である。東京総合車両センターに配置されている500番台に採用されている。


E231系 東西線東西線色
中央・総武緩行線の東西線直通列車に使用される800番台に施される塗装。帯は水色と青色である。


E231系 近郊形湘南色
東海道線、東北・高崎線に使用される近郊形仕様の車両に施される塗装。帯はオレンジ色と緑色である。


E231系武蔵野線武蔵野線色
武蔵野線の車両に施される塗装。帯はオレンジ色とぶどう色、白色である。2017年に中央・総武緩行線から転用された0番台に施された。


E231系 八高線八高線色
八高・川越線で使用される3000番台に施される塗装。帯はオレンジ色とウグイス色である。


3.特徴マトリックス図

   
0番台
(前期形)
 
強化形
0番台
(後期形)
 
強化形
500番台  
強化形
800番台   
強化形
900番台    
側窓改造
側窓改造/強化形
1000番台
(前期形)
 
強化形
1000番台
(後期形)
 
強化形
グリーン車  
6扉車(前期形)  
6扉車(後期形)  
4600番台  
総武線色
常磐線色
常磐線色(初期) 常磐線色(変則)
山手線色
東西線色
湘南色
武蔵野線色
八高線色
A01    
A02 A11 A21 A31
B01 B12 B11
B02 B13 B21  
C01  
C11 C02  
D01  
D02  
E01  
E02  
E03  
            F01      
            F02      
            G01      
            G02      
            J01      
H01                
I01       I02          
      K01          

4.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

5.各バリエーション解説

A01 0番台(前期形)/総武線色

2000年と2001年に総武線に投入された0番台の登場時の姿。2007年7月頃から翌3月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

三鷹電車区 ミツ35編成
三鷹電車区 ミツ35編成
撮影場所 代々木駅   撮影日 2006.10.27
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A02 0番台(前期形)/総武線色 [強化形スカート]

2000年と2001年に総武線に投入された0番台のスカート変更後の姿。現在はこの姿で使用されている。

三鷹車両センター ミツB19編成
三鷹車両センター ミツB19編成
撮影場所 平井駅   撮影日 2017.06.29
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A11 0番台(前期形)/常磐線色 [強化形スカート]

2015年に総武線から常磐快速線に転用された0番台前期形の姿。常磐快速線は0番台後期形のみが投入されていたため、この転用により初めて0番台前期形が投入された。0番台後期形とは前面窓ガラスや車外スピーカー準備工事などが異なっている。

松戸車両センター マト119編成
松戸車両センター マト119編成
撮影場所 金町駅   撮影日 2015.05.02
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A21 0番台(前期形)/武蔵野線色 [強化形スカート]

武蔵野線の0番台の姿。2017年より中央・総武緩行線からの転用が開始されている。

京葉車両センター ケヨMU33編成
京葉車両センター ケヨMU33編成
撮影場所 新松戸駅   撮影日 2019.10.20
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A31 0番台(前期形)/八高線色 [強化形スカート]

八高・川越線の3000番台の姿。2017年以降に中央・総武緩行線の0番台より改造された。

川越車両センター ハエ42編成
川越車両センター ハエ42編成
撮影場所 拝島駅   撮影日 2018.07.15
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B01 0番台(後期形)/総武線色

2006年に総武線に投入された0番台後期形の登場時の姿。2007年7月頃から翌3月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

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B02 0番台(後期形)/総武線色 [強化形スカート]

2006年に総武線に投入された0番台後期形のスカート変更後の姿。ミツB80~B82編成がこの姿に該当する。

三鷹車両センター ミツB80編成
三鷹車両センター ミツB80編成
撮影場所 平井駅   撮影日 2017.06.29
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B11 0番台(後期形)/常磐線色(初期)

2001年に常磐快速・成田線向けに製造された車両の営業運転開始前の姿。当初の帯色はエメラルドグリーンの単色であった。営業開始前にライトグリーン色の帯が追加された塗装に変更され、この姿は消滅した。

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B12 0番台(後期形)/常磐線色

常磐快速・成田線向けに投入された0番台の姿。2007年8月頃から2008年頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

松戸車両センター マト116編成
松戸車両センター マト116編成
撮影場所 鶯谷駅   撮影日 2007.04.13
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B13 0番台(後期形)/常磐線色 [強化形スカート]

常磐快速・成田線向けに投入された0番台のスカート変更後の姿。現在はこの姿で使用されている。

松戸車両センター マト113編成
松戸車両センター マト113編成
撮影場所 馬橋駅   撮影日 2015.05.02
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B21 0番台(後期形)/常磐線色(変則) [強化形スカート]

常磐快速・成田線のマト111編成の2014年以降の姿。前面部のウグイス色の色調が異なるのが特徴である。

松戸車両センター マト111編成
松戸車両センター マト111編成
撮影場所 上野駅   撮影日 2017.06.29
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C01 500番台/山手線色

山手線の500番台の登場時の姿。2007年8月頃から翌3月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

東京総合車両センター トウ531編成
東京総合車両センター トウ531編成
撮影場所 代々木駅   撮影日 2006.10.27
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C02 500番台/山手線色 [強化形スカート]

山手線の500番台のスカート変更後の姿。現在はこの姿で使用されている。

東京総合車両センター トウ552編成
東京総合車両センター トウ552編成
撮影場所 御徒町駅   撮影日 2017.06.15
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C11 500番台/総武線色 [強化形スカート]

総武線の500番台の姿。山手線へのE235系の投入に伴い、2014年10月から総武線に転用が開始されている。サハE231形4600番台を編成から外して10両編成化、塗装変更が行われている。

三鷹車両センター ミツA503編成
三鷹車両センター ミツA503編成
撮影場所 平井駅   撮影日 2017.06.29
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D01 800番台/東西線色

総武線東西線直通列車用の800番台の登場時の姿。2009年3月から5月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

三鷹車両センター ミツK5編成
三鷹車両センター ミツK5編成
撮影場所 中野駅   撮影日 2006.12.30
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D02 800番台/東西線色 [強化形スカート]

800番台のスカート変更後の姿。2009年3月から5月頃にかけて強化形スカートへの交換が実施された。現在はこの姿で使用されている。

三鷹車両センター ミツK6編成
三鷹車両センター ミツK6編成
撮影場所 浦安駅   撮影日 2018.05.01
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E01 900番台/総武線色

量産先行車として総武線に投入された900番台の姿。209系950番台として製造され、2000年にE231系に編入された。209系時代と外観の変化はなかった。2007年3月に先頭車のみ側窓開閉化改造が施され、この姿は消滅した。

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E02 900番台/総武線色 [側窓開閉化]

量産先行車として総武線に投入された900番台の側窓開閉化改造後の姿。2007年3月に先頭車のみ側窓開閉化改造が施された。2007年10月に強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

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E03 900番台/総武線色 [側窓開閉化][強化形スカート]

総武線の900番台のスカート変更後の姿。2007年10月に強化形スカートに変更された。現在はこの姿で使用されている。

三鷹車両センター ミツB901編成
三鷹車両センター ミツB901編成
撮影場所 新小岩駅   撮影日 2017.06.15
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F01 1000番台(前期形)/湘南色

2000年から2003年にかけて、東北・高崎線用として投入された1000番台の登場時の姿。2007年7月頃から翌3月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

小山車両センター ヤマU14編成
小山車両センター ヤマU14編成
撮影場所 鶯谷駅   撮影日 2007.04.13
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F02 1000番台(前期形)/湘南色 [強化形スカート]

2000年から2003年にかけて、東北・高崎線用として投入された1000番台のスカート変更後の姿。2007年7月頃から翌3月頃にかけて強化形スカートへ変更した。

小山車両センター ヤマU541編成
小山車両センター ヤマU541編成
撮影場所 上野駅   撮影日 2010.06.27
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G01 1000番台(後期形)/湘南色

2004年に東海道線向けに製造された1000番台の登場時の姿。2007年7月頃から翌3月頃にかけて実施された強化形スカートへの交換により、この姿は消滅した。

国府津車両センター コツS16編成
国府津車両センター コツS16編成
撮影場所 大船駅   撮影日 2007.07.29
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G02 1000番台(後期形)/湘南色 [強化形スカート]

2005年以降に製造された1000番台の姿。また、2004年に製造された1000番台のスカート変更後の姿。2005年以降に製造された1000番台は強化形スカートで製造された。2004年に製造された1000番台も2007年7月頃から翌3月頃にかけて強化形スカートへ変更し、この姿になった。

国府津車両センター コツK07編成
国府津車両センター コツK07編成
撮影場所 新子安駅   撮影日 2017.06.28
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H01 6扉車(前期形)/総武線色

総武線の0番台前期形と900番台に組み込まれた6扉車の姿。

三鷹車両センター サハE230-30
三鷹車両センター サハE230-30
撮影場所 新小岩駅   撮影日 2017.06.15
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I01 6扉車(後期形)/総武線色

2006年に総武線に投入された0番台後期形であるミツB80~B83編成に組み込まれた6扉車の姿。車外スピーカー準備工事が施されている点が後期形の特徴である。

三鷹車両センター サハE230-44
三鷹車両センター サハE230-44
撮影場所 平井駅   撮影日 2017.06.29
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I02 6扉車(後期形)/山手線色

山手線の編成に組み込まれた6扉車の姿。製造時から編成に組み込まれていたが、ホームドア設置に伴って4扉車に置き換えられ、2011年9月に消滅した。

勝田車両センター カツK554編成
東京総合車両センター サハE230-519
撮影場所 御徒町駅   撮影日 2010.06.27
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J01 グリーン車/湘南色

1000番台の基本編成に連結されるグリーン車の姿。車掌室を備えるサロE230と便所を備えるサロE231が2両1組で組み込まれている。

国府津車両センター サロE231-1043
国府津車両センター サロE231-1043
撮影場所 御徒町駅   撮影日 2017.06.15
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K01 4600番台/山手線色

山手線の10号車に組み込まれるサハE231形4600番台の姿。6扉車の置き換えのため、2010年から2011年にかけて製造された。E233系の先頭車にあわせた扉配置と、E233系に準じた車体構造が特徴である。E231系が山手線から順次撤退し、総武線に転用されているが、10号車はE235系に編入されて山手線で継続使用される。

東京総合車両センター サハE231-4647
東京総合車両センター サハE231-4647
撮影場所 御徒町駅   撮影日 2010.06.27
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