JR東日本701系/青い森鉄道青い森701系/IGRいわて銀河鉄道IGR7000系

JR東日本701系/青い森鉄道青い森701系/IGRいわて銀河鉄道IGR7000系

《最終更新》 2020.11.29

1.概要

701系はJR東日本が1993年から製造した通勤形交流電車である。東北地区の客車列車や老朽化車両の置き換えを目的として、秋田地区、仙台地区、盛岡地区に投入された。また、新幹線との共用区間向けに、標準軌仕様の車両が田沢湖線、奥羽本線に投入された。東北本線の第三セクター化に伴い、一部車両がIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道に譲渡されている。両社とも、701系に準じた車両を一部新製投入している。現在も東北地区の普通列車に広く使用されている。

番台区分として、秋田地区に投入された0番台、秋田地区と仙台地区の100番台、仙台地区と盛岡地区の1000番台、仙台地区の1500番台、田沢湖線の5000番台、奥羽本線(山形線)の5500番台が存在する。また、IGRいわて銀河鉄道のIGR7000系、青い森鉄道が新製した青い森701系100番台、同社がJRから譲受した青い森701系0番台が存在する。


2.外観の特徴

2.1.塗装の差異

旧秋田色
秋田地区の車両に施された塗装。帯は濃淡のピンク色である。2003年頃に色調を変更した秋田色に変更され、この塗装は消滅している。


秋田色秋田色
秋田地区の車両に施された塗装。2003年から退色対策として、この塗装に変更された。登場時の旧秋田色と比べ、淡いピンク色が赤みの強いものに変更されている。


仙台色仙台色
仙台地区の1000番台と1500番台に施された塗装。帯は緑色と赤色である。貫通扉が緑色に塗装されている。


仙台色(扉)
仙台地区の100番台に施された塗装。帯は緑色と赤色である。貫通扉は未塗装である。


盛岡色盛岡色
盛岡地区の車両に施された塗装。帯は濃淡の紫色である。


田沢湖色
田沢湖線の車両に施された塗装。帯色はピンクと紫である。


山形色
山形線の車両に施された塗装。帯は緑色とオレンジ色である。


IGR7000系IGR色
IGRいわて銀河鉄道の車両に施された塗装。帯は青色と黄色である。


青い森色(旧)
開業当初の青い森鉄道の車両に施された塗装。帯は青色である。2010年に新塗装に変更され、この塗装は消滅している。


青い森701系青い森色
青い森鉄道の車両に施された塗装。帯は青色である。同社の車両はこの塗装に統一されている。


2.2.車体構造の差異

701系前期形●前期形
1993年に製造された0番台が該当する。尾灯の位置が低いことが特徴である。前面表示器が手動式であり、小型な点が特徴であっったが、現在は他番台と共通のLED式に変更されている。画像はスカート変更後の姿である。


701系中期形●中期形
1994年から2004年に製造された100番台、1000番台、1500番台、IGR7000系、青い森701系が該当する。尾灯位置がやや高めに変更されてる。前面表示器は電動式であった。一部車両はLED式に改造されたり、新造時からLED式の車両も存在する。


701系後期形●後期形
5000番台と5500番台が該当する。標準軌であるほか、客扉のステップの廃止、側窓構造の変更、尾灯位置を前面窓上に変更している点が特徴である。前面表示器は5000番台が幕式、5500番台がLED式で製造された。画像はスカートと前面表示器の変更後の姿である。


2.3.改造による差異

●強化形スカート
雪害対策として、一部車両のスカートが強化形に変更されている。2001年に山形線の5500番台、2007年に青森地区の1000番台、同年に秋田地区の0番台と1000番台、2008年に田沢湖線の5000番台のスカートが順次変更された。IGR7000系と青い森701系も2016年頃までに変更されている。


●LED式行先表示器
1999年以降に製造された5500番台と1500番台はLED式行先表示器で製造されている。それ以前に製造された車両も交換が行われ、仙台地区の車両は2006年頃から開始されている。秋田地区と田沢湖線の車両は2009年以降、2017年には盛岡地区に車両も変更されている。なお、IGR7000系と青い森701系の新造車はLED式で落成され、JRからの譲受車は幕式のままである。


3.特徴マトリックス図

 
 

旧秋田色
秋田色
仙台色
仙台色(扉)
盛岡色
田沢湖色
山形色
IGR色
旧青い森色
新青い森色
前期形
前期形
前期形
中期形
中期形
中期形
中期形
後期形
後期形
後期形
後期形
 
  強化スカ 強化スカ
LED
  LED 強化スカ 強化スカ
LED
  LED 強化スカ 強化スカ
LED
 
A01 B01
A02 A03 A04 B02 B03 B04
C01 C02
C03 C04
D01 D03 D02
E01 E02 E03
F01 F02  
G01 G02 G03 G04  
H01 H02  
H11 H12 H21 H22  

4.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

5.各バリエーション解説

A01 前期形/旧秋田色

秋田地区に投入されたの0番台の姿。2003年頃に帯色が変更され、この姿は消滅した。

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A02 前期形/秋田色

秋田地区の0番台の塗装変更後の姿。帯色の退色防止のため、2003年から帯色が変更された。2007年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

秋田車両センター アキN24編成
秋田車両センター アキN24編成
撮影場所 酒田駅   撮影日 2007.07.15
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A03 前期形/秋田色 [強化形スカート]

秋田地区の0番台のスカート交換後の姿。2007年頃に強化形スカートに変更された。2015年までに行先表示器がLED式に変更され、この姿は消滅した。

秋田車両センター アキN17編成
秋田車両センター アキN17編成
撮影場所 青森駅   撮影日 2014.08.24
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A04 前期形/秋田色 [強化形スカート][LED]

秋田地区の0番台の行先表示器LED化後の姿。2009年から2015年にかけて、行先表示器がLED式に変更された。秋田地区の0番台はこの姿に統一されている。

秋田車両センター アキN4編成
秋田車両センター アキN4編成
撮影場所 青森駅   撮影日 2014.08.24
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B01 中期形/旧秋田色

秋田地区にの100番台の姿。0番台と比較すると、尾灯の位置が高く、前面表示器は大型である。2003年頃に帯色が変更され、この姿は消滅した。

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B02 中期形/秋田色

秋田地区の100番台の塗装変更後の姿。帯色の退色防止のため、2003年から帯色が変更された。強化形スカートへの変更や転属により、この姿は消滅した。最後までこの姿を維持していたのは、2013年に仙台地区に転出したN105編成であった。

秋田車両センター アキN101編成
秋田車両センター アキN101編成
撮影場所 酒田駅   撮影日 2007.07.15
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B03 中期形/秋田色 [強化形スカート]

秋田地区の100番台のスカート交換後の姿。2007年頃に強化形スカートに変更された。行先表示器がLED式に変更され、この姿は消滅した。

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B04 中期形/秋田色 [強化形スカート][LED]

秋田地区の100番台の行先表示器LED化後の姿。行先表示器がLED式に変更されている。秋田地区の100番台はこの姿に統一されている。

秋田車両センター アキN101編成
秋田車両センター アキN102編成
撮影場所 新庄駅   撮影日 2014.08.30
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C01 中期形/仙台色

仙台地区の1000番台と1500番台の登場時の姿。2006年頃から行先表示器がLED式に変更され、この姿は消滅した。

仙台車両センター センF4-29編成
仙台車両センター センF4-29編成
撮影場所 仙台駅   撮影日 2009.10.03
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C02 中期形/仙台色 [LED]

仙台地区の1000番台と1500番台の行先表示器LED化後の姿。行先表示器がLED式に変更されている。2001年に製造された1500番台は当初からLED式であり、この姿で落成されている。仙台地区の1000番台と1500番台はこの姿に統一されている。

仙台車両センター センF4-16編成
仙台車両センター センF4-16編成
撮影場所 長町駅   撮影日 2020.11.01
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C03 中期形/仙台色(扉)

仙台地区の100番台の姿。1999年に100番台の2両編成5本が秋田地区から転入した。帯色が変更されたが、貫通扉が未塗装であることが1000番台や1500番台と異なる。行先表示器のLED化や転属により、この姿は消滅した。

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C04 中期形/仙台色(扉) [LED]

仙台地区の100番台の行先表示器LED化後の姿。行先表示器がLED式に変更されている。2両編成2本がこの姿で使用されている。

仙台車両センター センF2-106編成
仙台車両センター センF2-106編成
撮影場所 長町駅   撮影日 2020.11.01
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D01 中期形/盛岡色

盛岡地区の1000番台の姿。2017年に行先表示器がLED式に変更され、この姿は消滅した。

盛岡車両センター クハ700-1008
盛岡車両センター クハ700-1008
撮影場所 盛岡駅   撮影日 2015.08.30
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D02 中期形/盛岡色 [強化形スカート]

青森地区の1000番台の姿。雪害対策として強化形スカートに変更されている。2002年に東北本線(八戸~青森)の普通列車用として、盛岡車両センターから青森車両センターに転出した車両がこの姿であった。2010年に青い森鉄道に譲渡され、塗装変更により、この姿は消滅した。

青森車両センター
青森車両センター クモハ701
撮影場所 八戸駅   撮影日 2009.08.11
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D03 中期形/盛岡色 [LED]

盛岡地区の1000番台の行先表示器LED化後の姿。行先表示器がLED式に変更されている。盛岡地区の1000番台はこの姿に統一されている。

盛岡車両センター クハ700-1012
盛岡車両センター クハ700-1012
撮影場所 北上駅   撮影日 2020.11.01
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E01 後期形/田沢湖色

田沢湖線の5000番台の登場時の姿。2008年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

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E02 後期形/田沢湖色 [強化形スカート]

田沢湖線の5000番台のスカート変更後の姿。2008年頃から強化形スカートに変更された。2015年までに行先表示器がLED式に変更され、この姿は消滅した。

秋田車両センター アキN5005編成
秋田車両センター アキN5005編成
撮影場所 秋田駅   撮影日 2015.08.29
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E03 後期形/田沢湖色 [強化形スカート][LED]

田沢湖線の5000番台の行先表示器LED化後の姿。2015年までに行先表示器がLED式に変更された。田沢湖線の5000番台はこの姿に統一されている。

秋田車両センター アキN5005編成
秋田車両センター アキN5006編成
撮影場所 盛岡駅   撮影日 2020.10.31
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F01 後期形/山形色 [LED]

山形線の5500番台の登場時の姿。登場時から行先表示器はLED式であった。2001年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

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F02 後期形/山形色 [強化形スカート][LED]

山形線の5500番台のスカート変更後の姿。2001年頃から強化形スカートに変更された。山形線の5500番台はこの姿に統一されている。

山形車両センター カタZ3編成
山形車両センター カタZ3編成
撮影場所 米沢駅   撮影日 2007.09.15
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G01 中期形/IGR色

IGRいわて銀河鉄道のIGR7000系の姿。JR東日本から譲受した編成の行先表示器は幕式である。2014年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-3
IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-3
撮影場所 八戸駅   撮影日 2014.08.24
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G02 中期形/IGR色 [LED]

IGRいわて銀河鉄道のIGR7000系の姿。新造した編成の行先表示器はLED式である。2014年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

IGRいわて銀河鉄道 IGR7000系
IGRいわて銀河鉄道 IGR7000系
撮影場所 八戸駅   撮影日 2009.08.13
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G03 中期形/IGR色 [強化形スカート]

IGRいわて銀河鉄道のIGR7000系のスカート変更後の姿。JR東日本から譲受した編成の行先表示器は幕式である。2014年頃から強化形スカートに変更された。

IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-4
IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-4
撮影場所 好摩駅   撮影日 2020.10.30
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G04 中期形/IGR色 [強化形スカート][LED]

IGRいわて銀河鉄道のIGR7000系のスカート変更後の姿。新造した編成の行先表示器はLED式である。2014年頃から強化形スカートに変更された。

IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-103
IGRいわて銀河鉄道 IGR7000-103
撮影場所 北上駅   撮影日 2020.11.01
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H01 中期形/青い森色(旧)

青い森鉄道の青い森701系の姿。JR東日本から譲受した編成の行先表示器は幕式である。2010年頃に新塗装に変更され、この姿は消滅した。

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H02 中期形/青い森色(旧) [LED]

青い森鉄道の青い森701系の姿。新造した編成の前面表示器はLED式である。2010年頃に新塗装に変更され、この姿は消滅した。

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H11 中期形/青い森色

青い森鉄道の青い森701系の塗装変更後の姿。JR東日本から譲受した編成の行先表示器は幕式である。2010年頃に新塗装に変更された。2014年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

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H12 中期形/青い森色 [LED]

青い森鉄道の青い森701系の塗装変更後の姿。新造した編成の前面表示器はLED式である。2010年頃に新塗装に変更された。2014年頃から強化形スカートに変更され、この姿は消滅した。

青い森鉄道 青い森700-101
青い森鉄道 青い森700-101
撮影場所 青森駅   撮影日 2014.08.24
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H21 中期形/青い森色 [強化形スカート]

青い森鉄道の青い森701系のスカート変更後の姿。JR東日本から譲受した編成の行先表示器は幕式である。2014年頃から強化形スカートに変更された。

青い森鉄道 青い森701-4
青い森鉄道 青い森701-4
撮影場所 青森駅   撮影日 2014.08.24
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H22 中期形/青い森色 [強化形スカート][LED]

青い森鉄道の青い森701系のスカート変更後の姿。新造した編成の前面表示器はLED式である。2015年に強化形スカートに変更された。

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