JR西日本681系

JR西日本681系

《最終更新》 2020.09.13

1.概要

681系はJR西日本が1992年から特急「サンダーバード」、「はくたか」向けに製造した特急形交直流電車である。1992年に先行試作車として9両編成1本、1995年から1997年にかけて量産車として6両編成8本と3両編成9本が投入された。

先行試作車は1995年に量産車の仕様に合わせる改造が実施され、1000番台に区分された。また、2001年には9両編成1本を改造により6両編成1本と3両編成1本に組成を変更した。

1996年は北越急行も特急「はくたか」用として681系2000番台の6両編成2本と3両編成2本を投入した。JR西日本が保有する「はくたか」用の編成と共通で運用されていた。

北陸新幹線の開業に伴って特急「はくたか」は2015年で運行を終了し、以降は特急「サンダーバード」、「しらさぎ」、「ダイナスター」、「能登かがり火」に使用される。北越急行か保有していた車両はJR西日本に売却された。


2.外観の特徴

2.1.車体構造の差異

試作車と量産車で差異があり、それぞれ非貫通形と貫通形が存在する。

681系先行試作車◆試作形(非貫通)
1992年に製造された先行試作車が該当する。客用扉の窓の高さは側窓と同じであり、乗務員室の側窓が三角形であることが特徴である。また、車体裾部は中央部が突出している。


681系量産車◆試作形(貫通)
試作車を9両編成から6+3両編成に変更するため、2001年に先頭車化改造が施された車両が該当する。客用扉の窓の高さや車体裾部などに試作車の特徴がみられる。


681系量産車◆量産形(非貫通)
1995年から1997年に製造された量産車のクロ681形、クハ681形が該当する。客用扉の窓が拡大され、乗務員室の側窓は四角形、車体裾部は一直線に変更されている。


◆量産形(貫通)
1995年から1997年に製造された量産車のクモハ681形、クハ680形が該当する。


2.2.塗装の差異

681系に施される塗装は以下のとおりである。

681系サンダーバード標準色
「サンダーバード」用編成と「はくたか」用編成の塗装。帯色は青である。JR西日本が製造した量産車は全車がこの塗装で落成された。


標準色(川重)
「サンダーバード」用編成と「はくたか」用編成の貫通形先頭車のうち、川崎重工で製造された車両の塗装。前面窓下部のグレー塗装部分が少ない点が特徴である。


681系しらさぎしらさぎ色
「しらさぎ」用編成の塗装。帯色は青色とオレンジ色である。2015年に「はくたか」用編成が「しらさぎ」に転用され、この塗装に変更された。


681系しらさぎしらさぎ色(川重)
「しらさぎ」用編成の貫通形先頭車のうち、川崎重工で製造された車両の塗装。前面窓下部のグレー塗装部分が少ない点が特徴である。


初期色
先行試作車の落成時の塗装。帯色はグレーがメインであり、一部が青色であった。1996年の量産化改造と同時に塗装変更され、この塗装は消滅している。


681系スノーラビット北越色
北越急行が保有した車両の塗装。前面と帯色は赤である。北越急行の車両は2015年にJR西日本へ売却され、この塗装は消滅している。


北越色(新潟)
北越急行が保有した編成の貫通形先頭車のうち、新潟鐵工所で製造された車両の塗装。前面窓まわりの黒塗装が特徴である。


681系しらさぎ更新色
「サンダーバード」用編成のリニューアル後の塗装。2015年より特急「サンダーバード」に使用される681系と683系でリニューアルが実施されている。681系では2018年にキトV11編成に施されている。塗装は窓まわりが黒で窓下に青帯である。


3.特徴マトリックス図



初期色
標準色
標準色(川重)
北越色
北越色(新潟)
しらさぎ色
しらさぎ色(川重)
更新色
試作形
(非貫通)
試作形
(貫通)
量産形
(非貫通)
量産形
(貫通)
 
A01
A02 B01 C01 D01
D02
C11 D31
D32
A03 B02 C02 D11
D12  
C03 D21  

4.バリエーション一覧

No.
現状
特徴

5.各バリエーション解説

A01 試作形(非貫通)/初期色

先行試作車の落成時の姿。帯色が特徴であった。先行試作車は9両固定編成で製造されたため、非貫通形先頭車のみ存在した。1995年の量産化改造により、この姿は消滅した。

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A02 試作形(非貫通)/標準色

先行試作車の量産化改造後の姿。量産化改造により、帯色は量産車と同一の標準色に変更、1000番台に区分された。2001年9月に6+3両編成に変更され、貫通形先頭車も登場した。キトW01編成、V01編成として使用されたが、2015年3月頃にしらさぎ色に変更され、この姿は一旦消滅した。2015年7月頃にW01編成が再度この塗装に変更されて使用されている。一方、V01編成はしらさぎ色のまま、廃車された。2019年9月にW01編成も運用離脱し、吹田工場に回送された。

吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
撮影場所 京都駅   撮影日 2018.06.16
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A03 試作形(非貫通)/しらさぎ色

しらさぎ色に変更された先行試作車の姿。キトW01編成とV01編成は2015年3月頃にしらさぎ色に変更され、7月頃までこの姿だった。W01編成は塗装変更、V01編成は廃車により、この姿は消滅した。

吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
撮影場所 京都駅   撮影日 2015.03.13
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B01 試作形(貫通)/標準色

先行試作車の貫通形先頭車の姿。2001年に6+3編成に変更され、先頭化改造により登場した。キトW01編成、V01編成として使用されたが、2015年3月頃にしらさぎ色に変更され、この姿は一旦消滅した。2015年7月頃にW01編成が再度この塗装に変更された。2019年に廃車され、この姿は消滅した。

吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
撮影場所 京都駅   撮影日 2018.06.16
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B02 試作形(貫通)/しらさぎ色

しらさぎ色に変更された先行試作車の貫通形先頭車の姿。キトW01編成とV01編成は2015年3月頃にしらさぎ色に変更され、7月頃までこの姿だった。W01編成は塗装変更、V01編成は廃車により、この姿は消滅した。

吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
吹田総合車両所京都支所 キトW01編成
撮影場所 京都駅   撮影日 2015.03.13
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C01 量産形(非貫通)/標準色

量産車の非貫通形先頭車の姿。JR西日本が保有する量産車は全車がこの塗装で落成されたが、2015年に一部がしらさぎ色に変更された。現在も一部車両がこの姿で使用されている。

金沢総合車両所 サワW15編成
金沢総合車両所 サワW15編成
撮影場所 高岡駅   撮影日 2014.03.09
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C02 量産形(非貫通)/しらさぎ色

しらさぎ色に変更された量産車の非貫通形先頭車の姿。2015年に「はくたか」用の編成が「しらさぎ」に転用され、この塗装に変更された。現在もこの姿で使用されている。

金沢総合車両センター サワN02編成
金沢総合車両センター サワN02編成
撮影場所 大垣駅   撮影日 2018.09.08
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C03 量産形(非貫通)/更新色

リニューアル後の非貫通形先頭車の姿。2018年にV11編成がリニューアルされ、塗装が変更された。現在もこの姿で使用されている。

吹田総合車両所京都支所 キトV11編成
吹田総合車両所京都支所 キトV11編成
撮影場所 山科駅   撮影日 2020.02.23
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C11 量産形(非貫通)/北越色

スノーラビット色の非貫通形先頭車の姿。北越急行が保有する2000番台はこの塗装であった。2015年にJR西日本に売却され、しらさぎ色に変更、この姿は消滅している。

北越急行 N01編成
北越急行 N01編成
撮影場所 金沢駅   撮影日 2009.04.07
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D01 量産形(貫通)/標準色

量産車の貫通形先頭車の姿。JR西日本が保有する量産車は全車がこの塗装で製造されたが、2015年に一部がしらさぎ色に変更された。現在も一部車両がこの姿で使用されている。

681系
編成不詳
撮影場所 金沢駅   撮影日 2009.04.07
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D02 量産形(貫通)/標準色(川重)

前面窓下の塗装が省略されている標準色の貫通形先頭車の姿。川崎重工業が製造した車両は前面窓下のグレー塗装が狭くなっている。現在も一部車両がこの姿で使用されている。

 金沢総合車両所 サワW03編成
金沢総合車両所 サワW03編成
撮影場所 金沢駅   撮影日 2014.03.09
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D11 量産形(貫通)/しらさぎ色

しらさぎ色に変更された貫通形先頭車の姿。2015年に「はくたか」用の編成が「しらさぎ」に転用され、この塗装に変更された。現在もこの姿で使用されている。

金沢総合車両所 サワW01編成
金沢総合車両所 サワW01編成
撮影場所 森本駅   撮影日 2020.08.01
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D12 量産形(貫通)/しらさぎ色(川重)

前面窓下の塗装が省略されているしらさぎ色の貫通形先頭車の姿。川崎重工業が製造した車両は前面窓下のグレー塗装が狭くなっている。2015年に「はくたか」用の編成が「しらさぎ」に転用され、この塗装に変更された。現在もこの姿で使用されている。

 金沢総合車両所 サワW12編成
金沢総合車両所 サワW12編成
撮影場所 七尾駅   撮影日 2016.05.15
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D21 量産形(貫通)/更新色

リニューアル後の貫通形先頭車の姿。2018年にV11編成がリニューアルされ、塗装が変更された。現在もこの姿で使用されている。

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D31 量産形(貫通)/北越色

スノーラビット色の貫通形先頭車の姿。北越急行が保有する2000番台はこの塗装であった。2015年にJR西日本に売却され、しらさぎ色に変更、この姿は消滅している。

北越急行 N01編成
北越急行 N01編成
撮影場所 金沢駅   撮影日 2014.03.09
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D32 量産形(貫通)/北越色(新潟)

スノーラビット色の新潟鐵工所が製造した貫通形先頭車の姿。北越急行が所有したN2編成は新潟鐵工所で製造された。編成中のクモハ681-2502のみ、前面窓回りが黒く塗装されていた(新潟鐵工所タイプ)。2015年にJR西日本に売却され、しらさぎ色に変更、この姿は消滅している。

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