国鉄381系

国鉄381系

《最終更新》 2024年4月6日

概要

381系は国鉄が1973年から製造した特急形直流電車である。特急「しなの」、「くろしお」、「やくも」用として、1982年にかけて277両が投入された。振り子式車体傾斜装置を採用し、山岳路線のスピードアップを図った。国鉄分割民営化後はJR東海、JR西日本が承継し、JR東海は2008年までに廃車した。現在はJR西日本が特急「やくも」で運用し、2024年に定期運用を終了する。


外観の特徴

1973年から1975年に製造された車両(以下、前期形)は先頭車両の前面に両開きの貫通扉が設置されている。1976年から1982年に製造された車両(後期形)は非貫通形の先頭車両である。グリーン車のサロ381形(サロ形)はピラーつきの横長の側窓が特徴である。

1986年から短編成化を目的とした先頭化改造が施され、1986年に特急「やくも」にモハ381形を改造したクモハ381形(貫通形A)は押戸式の貫通扉が特徴である。1987年に特急「しなの」用にサロ381形を改造したクロ381形0番台(貫通形B)は押戸式の貫通扉とグリーン車の横長の側窓が特徴である。1988年には特急「しなの」のパノラマ型グリーン車として改造されたクロ381形10番台(展望形A)は流線形の前面形状とハイデッカー型の展望席が特徴である。1989年から1994年にかけて特急「スーパーくろしお」、「スーパーやくも」のパノラマ型グリーン車として改造されたクロ380形(展望形B)は流線形の前面形状で天地方向に拡大された側窓が特徴である。

2016年から2017年にかけて、特急「やくも」のクモハ381形に電気連結器が設置され、大型のスカート(大型スカート)が設置された。

落成時の塗装は全車両がクリーム色に赤帯(国鉄色)である。1989年には特急「スーパーくろしお」用に改造された車両が白をベースにオレンジ色と赤帯(Sくろしお色)に変更された。1994年には「スーパーやくも」用に改造された車両が紫を基調とした塗装(Sやくも色Ⅰ)に変更され、クハ381-136のみ当初は前面帯のデザインが異なっていた(Sやくも色Ⅱ)。1997年には特急「やくも」用の車両にリニューアル改造が施され、白色をベースに深緑と黄帯(やくも色Ⅰ)が採用された。1998年には特急「スーパーくろしお」、「くろしお」用の車両にリニューアル改造が施され、白をベースに水色と青帯の塗装(くろしお色)に変更された。2007年から2010年にかけて特急「スーパーやくも」、「やくも」の車両に「ゆったりやくも」としてリニューアル改造が施され、白をベースに赤紫と青緑帯(やくも色Ⅱ)に統一された。

特急「やくも」リバイバル企画として、2022年2月に国鉄色、2022年12月にスーパーやくも色(Sやくも色Ⅰ)、2023年11月に緑やくも色(やくも色Ⅰ)が再現された。


381系0番台
前期形(クハ381形0番台)は貫通形の前面形状が特徴である。
381系100番台
後期形(クハ381形100番台)は非貫通形の前面形状が特徴である。
サロ381形
グリーン車(サロ381形)はピラーつきの横長の側窓が特徴である。

バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/●国鉄色

1973年から1975年にかけて製造された車両の姿。前面の貫通扉が特徴である。特急「しなの」に使用された。2001年までに廃車され、現在はクハ381-1がリニア・鉄道館に保存されている。

リニア・鉄道館 クハ381-1
リニア・鉄道館 クハ381-1
撮影場所 リニア・鉄道館   撮影日 2022年9月
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B01 後期形/●国鉄色

1976年から1982年にかけて製造された車両の姿。塗装変更や廃車によってこの姿は消滅した。2022年2月に特急「やくも」の車両にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クロ381-141
後藤総合車両所出雲支所 クロ381-141
撮影場所 荘原駅付近   撮影日 2024年2月
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B11 後期形/Sやくも色Ⅰ

特急「スーパーやくも」用車両の姿。1994年に特急「スーパーやくも」用として塗装変更された。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。2022年12月に特急「やくも」の車両にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クハ381-138
後藤総合車両所出雲支所 クハ381-138
撮影場所 中庄駅   撮影日 2023年9月
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B12 後期形/Sやくも色Ⅱ

特急「スーパーやくも」用に塗装変更された当初のクハ381-136の姿。前面帯のデザインが異なっていた。後に塗装変更され、この姿は消滅した。

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B21 後期形/やくも色Ⅰ

特急「やくも」用車両のリニューアル後の姿。1997年から1998年にかけてリニューアル改造が施され、この姿になった。2007年から2010年にかけて塗装変更と再リニューアルが施され、この姿は消滅した。2023年11月に特急「やくも」の車両にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クロ381-144
後藤総合車両所出雲支所 クロ381-144
撮影場所 荘原駅付近   撮影日 2024年2月
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B22 後期形/やくも色Ⅱ

特急「やくも」用車両の再リニューアル後の姿。2007年から2010年にかけて「ゆったりやくも」の愛称で再リニューアル改造が施された。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クロ381-139
後藤総合車両所出雲支所 クロ381-139
撮影場所 荘原駅付近   撮影日 2024年2月
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B31 後期形/Sくろしお色

特急「スーパーくろしお」用車両の姿。1989年に特急「スーパーくろしお」用としてグレードアップ改造が施された。1998年以降のリニューアル改造に伴う塗装変更でこの姿は消滅した。

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B41 後期形/くろしお色

特急「スーパーくろしお」、「くろしお」用車両のリニューアル後の姿。1998年から1999年にかけて、リニューアル改造が施された。2015年までに廃車または塗装変更され、この姿は消滅した。

吹田総合車両所日根野支所 ヒネHD604編成
吹田総合車両所日根野支所 ヒネHD604編成
撮影場所 美章園駅   撮影日 2015年8月
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C01 貫通形A/●国鉄色

クモハ381形の改造当初の姿。1986年に特急「やくも」用として改造された。後に塗装が変更され、この姿は消滅した。

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C02 貫通形A/●国鉄色 [大型スカート]

リバイバル塗装が施されたクモハ381-507の姿。2022年2月に国鉄色のリバイバル塗装が施された。大型のスカートが特徴である。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-507
後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-507
撮影場所 中庄駅   撮影日 2023年9月
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C11 貫通形A/Sやくも色

特急「スーパーやくも」用のクモハ381形の姿。1994年以降に国鉄色から変更された。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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C21 貫通形A/やくも色Ⅰ

特急「やくも」用のクモハ381形の姿。1997年から1998年にかけてリニューアル改造が施された。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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C22 貫通形A/やくも色Ⅰ [大型スカート]

リバイバル塗装が施されたクモハ381-503の姿。2022年2月に緑やくも色のリバイバル塗装が施された。大型のスカートが特徴である。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-503
後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-503
撮影場所 倉敷駅付近   撮影日 2024年2月
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C23 貫通形A/やくも色Ⅱ

特急「やくも」用のクモハ381形の再リニューアル後の姿。2007年から2010年にかけて「ゆったりやくも」の愛称で再リニューアル改造が施された。2016年から2017年にかけて、大型スカートが設置され、この姿は消滅した。

後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-2
後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-2
撮影場所 米子駅   撮影日 2015年8月
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C24 貫通形A/やくも色Ⅱ [大型スカート]

特急「やくも」用のクモハ381形のスカート変更後の姿。2016年から2017年にかけて、特急「やくも」のクモハ381形に電気連結器が設置され、大型のスカートが設置された。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-509
後藤総合車両所出雲支所 クモハ381-509
撮影場所 出雲市駅   撮影日 2020年8月
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D01 貫通形B/●国鉄色

クロ381形0番台の姿。1987年に特急「しなの」用として改造された。2002年までに廃車され、この姿は消滅した。

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E01 展望形A/●国鉄色

クロ381形10番台の姿。1988年に特急「しなの」用として改造された。2008年までに廃車され、クロ381-11がリニア・鉄道館に保存された。2019年にクロ381-11が解体され、この姿は消滅した。

神領車両区 シンP2編成
神領車両区 シンP2編成
撮影場所 名古屋駅   撮影日 2007年11月
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F01 展望形B/Sやくも色Ⅰ

特急「スーパーやくも」用のクロ380-6、7の改造当初の姿。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。2022年12月に特急「やくも」のクロ380-6にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クロ380-6
後藤総合車両所出雲支所 クロ380-6
撮影場所 直江駅付近   撮影日 2024年2月
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F11 展望形B/やくも色Ⅱ

特急「スーパーやくも」用のクロ380-6・7のリニューアル後の姿。2007年から2010年にかけて、「ゆったりやくも」の愛称で再リニューアル改造が施された。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クロ380-7
後藤総合車両所出雲支所 クロ380-7
撮影場所 直江駅付近   撮影日 2024年2月
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F21 展望形B/Sくろしお色

特急「スーパーくろしお」用のクロ380-1~5の改造当初の姿。1998年以降のリニューアル改造に伴う塗装変更でこの姿は消滅した。

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F31 展望形B/くろしお色Ⅱ

特急「スーパーくろしお」用のクロ380-1~5の塗装変更後の姿。2015年までに廃車され、この姿は消滅した。

吹田総合車両所日根野支所 ヒネHD604編成
吹田総合車両所日根野支所 ヒネHD604編成
撮影場所 美章園駅   撮影日 2015年8月
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G01 サロ形/●国鉄色

サロ381形の落成時の姿。ピラーつきの横長の側窓が特徴である。改造や塗装変更により、この姿は消滅した。2022年2月に特急「やくも」の車両にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 サハ381-231
後藤総合車両所出雲支所 サハ381-231
撮影場所 出雲市駅   撮影日 2024年2月
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G11 サロ形/Sやくも色Ⅰ

特急「スーパーやくも」用の予備編成に組み込まれたのサロ381-23の姿。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。

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G21 サロ形/やくも色Ⅰ

特急「やくも」用のサロ381形のリニューアル後の姿。1997年から1998年にかけてリニューアル改造が施された。2007年から2010年にかけて塗装変更とリニューアルが施され、この姿は消滅した。2023年11月に特急「やくも」の車両にリバイバル塗装が施され、現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 サハ381-228
後藤総合車両所出雲支所 サハ381-228
撮影場所 出雲市駅   撮影日 2024年2月
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G22 サロ形/やくも色Ⅱ

特急「スーパーやくも」用のサハ381形のリニューアル後の姿。2007年から2010年にかけて「ゆったりやくも」の愛称で再リニューアル改造が施された。同時に格下げ改造が実施され、サハ381形200番台に改番された。現在もこの姿で使用されている。

後藤総合車両所出雲支所 クハ381-140
後藤総合車両所出雲支所 サハ381-228
撮影場所 岡山駅   撮影日 2019年12月
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G31 サロ形/Sくろしお色

特急「スーパーくろしお」用のサロ381形の姿。1989年からグレードアップ改造が施され、この姿になった。1998年以降のリニューアル改造でこの姿は消滅した。

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G41 サロ形/くろしお色

特急「スーパーくろしお」、「くろしお」用のサハ381形のリニューアル後の姿。1998年から1999年にかけてリニューアル改造が施され、サロ381形は格下げ改造でサハ381形0番台に改番された。2014年までに廃車され、この姿は消滅した。

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