JR貨物EH500形
1.概要
EH500形はJR貨物が1997年から製造した交直流電気機関車である。首都圏から東北本線を経由して北海道まで一貫して牽引できる機関車として設計された。勾配区間に対応するため、2車体を連結したH級の大型な機関車である。試作車である900番台が1両と量産車である0番台の81両が製造された。
当初は東北本線の黒磯以北から津軽海峡線で使用されたが、2016年の北海道新幹線の開業に伴って津軽海峡線から撤退し、現在は東北本線と首都圏を中心に使用される。また、2007年から山陽本線の関門トンネルでも使用され、さらに2011年以降は鹿児島本線の一部にまで運行区間が拡大された。
2.外観の特徴
製造時期によって車体形状や塗装に差異がある。
試作車として1997年に製造されたEH500-901(以下、試作形)は、量産車と比べて雨樋の位置や屋根のカーブ、細めの前面帯が特徴である。
2000年から量産車が製造され、車体形状や車体色が変更された。初期に製造されたEH500-1・2(初期形)は前面灯具の位置が低いことが特徴であり、EH500-3~9(前期形)は前面灯具の位置が上部に変更された。また、2001年8月以降に製造されたEH500-10~14(中期形)は車体色が変更され、前面の塗装パターンも変更された。2002年4月以降に製造されたEH500-15~66(後期形)は前面のライトケースの形状が変更された。さらに、2010年以降に製造されたEH500-67~81(最終形)は運転席側面窓まわりの塗装が変更された。
現在のところ、改造による大きな差異は生じていない。
3.バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 現存 | 試作形 |
A02 | 現存 | 初期形 |
A03 | 現存 | 前期形 |
A04 | 現存 | 中期形 |
A05 | 現存 | 後期形 |
A06 | 現存 | 最終形 |
4.各バリエーション解説
A02 | 初期形 |
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2000年3月に製造されたEH500-1・2の姿。前面灯具の位置が低いことが特徴である。現在もこの姿で使用されている。
A03 | 前期形 |
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2000年3月から2001年1月にかけて製造されたEH500-3~9の姿。前面灯具は白帯上に変更されている。現在もこの姿で使用されている。
A04 | 中期形 |
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2001年8月から2002年3月にかけて製造されたEH500-10~14の姿。このグループ以降は車体色が試作形に準じたものに変更され、前面の塗装パターンも変更されている。前面灯具は前期形に準じたものである。現在もこの姿で使用されている。
A05 | 後期形 |
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2002年4月から2009年にかけて製造されたEH500-15~66の姿。このグループ以降は前面灯具の形状が変更されている。現在もこの姿で使用されている。
A06 | 最終形 |
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2010年から2013年にかけて製造されたEH500-67~81の姿。このグループは運転席側窓上の塗装パターンが変更されていることが特徴である。現在もこの姿で使用されている。