JR東海/西日本700系
概要
700系はJR東海とJR西日本が1997年から製造した新幹線電車である。0系や100系を置き換え、東海道・山陽新幹線の高速化を図った。
JR東海が製造した量産先行車である9000番台(C0編成→C1編成)、16両編成の0番台(C編成)、JR西日本が製造した16両編成の3000番台(B編成)、山陽新幹線内の「ひかり」向けに製造した8両編成の7000番台(E編成)が存在する。
N700系の投入により、C編成は2012年から廃車が生じている。C編成の一部はJR東海からJR西日本に転籍している。現在はC編成とB編成が東海道の「こだま」を中心に使用されているが、2019年度末までに東海道新幹線から撤退する予定である。なお、E編成は山陽新幹線の「こだま」を中心に今後も使用が継続される予定である。
外観の特徴
塗装の差異
700系に施される塗装は以下のとおりである。
●標準色
0番台(C編成)に施される塗装。300系に準じた白ベースに青帯であるが、太帯と細帯が反転している。
●標準色(西)
3000番台(B編成)に施される塗装。標準色と同じ塗装であるが、先頭部に「JR西日本」と表記がある。
●レールスター色
7000番台(E編成)に施される塗装。グレーをベースに窓回りを黒、側窓の下帯が黄色である。
車体構造の差異
製造時期による車体の特徴から以下の通りに区分できる。
●試作形
1997年に製造された量産先行車が該当する。C0編成として落成された当時は、乗務員扉が300系に準じた形状であること、先頭車の水切りが一直線状のものであることが特徴であった。1999年に量産化改造を受け、乗務員扉は量産車に準じたものに変更、先頭車の水切りは乗務員扉と客扉が一体型のものに変更され、量産車に近い外観になった。改造後も差異があり、先頭車水切りが量産車に比べてやや高く設置されていることが特徴である。
●前期形
1999年から2001年6月にかけて製造された0番台と、3000番台、7000番台の全車が該当する。客扉に窓が乗務員扉の窓と同じ高さであることが特徴である。
●後期形
2001年8月以降に製造された0番台が該当する。客扉の窓が従来より高い位置に変更され、曲面ガラスが採用されていることが特徴である。
水切り形状の差異
製造時期により先頭車の水切り形状に差異がある。
●分割型
B1~B3編成とE16編成の先頭車が該当する。乗務員扉と客扉の水切りが独立している。当初はC編成の前期に製造された編成もこの形状であったが、後に一体型に交換された。
●一体型
C編成の全編成とB4~B15編成、E1~E15編成の先頭車が該当する。乗務員扉と客扉の水切りが一体になっている。
塗装×特徴まとめ
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 試作形/●標準色 |
A02 | 現存 | 試作形/●標準色 [量産化改造] |
B01 | 消滅 | 前期形/●標準色 [分割型雨樋] |
B02 | 消滅 | 前期形/●標準色 [一体型雨樋] |
B03 | 現存 | 後期形/●標準色[一体型雨樋] |
C01 | 現存 | 前期形/●標準色(西) [分割型雨樋] |
C02 | 現存 | 前期形/●標準色(西) [一体型雨樋] |
D01 | 現存 | 前期形/●レールスター色 [分割型雨樋] |
D02 | 現存 | 前期形/●レールスター色 [一体型雨樋] |
各バリエーション解説
A02 | 試作形/●標準色 [量産化改造] |
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量産化改造後の量産先行車の姿。1999年の量産化改造により、先頭車の乗務員扉と水切りが量産車と同一のものに変更されている。改造により変更された水切りの位置が量産車より高いことが特徴である。C1編成として2013年まで使用され、現在は723-9001がリニア・鉄道館に保存されている。
B02 | 前期形/●標準色 [一体型雨樋] |
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前期形の0番台の姿。改造により、先頭車の水切りは一体型に変更されている。前期形の0番台は2017年までに廃車され、この姿は消滅している。