JR西日本500系
概要
500系はJR西日本が1992年に試作車を製造し、1996年から量産車を製造した新幹線電車である。試作車は350km/h運転を目指して製造された6両編成の試験電車であり、WIN350の愛称が与えられた。各種試験を繰り返し、1996年に廃車された。
量産車は東海道・山陽新幹線「のぞみ」用に16両編成9本投入され、山陽新幹線内において最高速度300km/hの営業運転を実現した。2010年に東海道新幹線の運用を終了し、2008年から一部廃車と短編成化のうえで8両編成8本が山陽新幹線の「こだま」に使用されている。
外観の特徴
1993年に製造された試作車は天井が低い小型の車体が特徴である。両端の先頭車の形状が異なり、博多方の500-901(以下、試作形A)は平滑な前面形状、東京方の500-906(試作形B)は運転台部分が張り出した形状である。塗装は紫と白のツートンに青帯(●試作色)である。
1996年から1998年に製造された量産車(量産形)は円筒状の車体で先頭車の長いノーズ特徴である。塗装はライトグレーをベースとして窓下に青帯と屋根上と前面が水色の塗装(以下、●標準色)である。特別塗装として、2015年にV2編成が「500 TYPE EVA」として紫色をベースとしてエヴァンゲリオンをイメージした塗装(●EVA色)、2018年以降は「ハロキティー新幹線」としてピンク色を基調とした塗装(●キティー色)に変更された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 現存 | 試作形A/●試作色 |
A02 | 消滅 | 試作形B/●試作色 |
B01 | 現存 | 量産形/●標準色 |
B02 | 消滅 | 量産形/●EVA色 |
B03 | 現存 | 量産形/●キティー色 |
各バリエーション解説
A01 | 試作形A/●試作色 |
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試作車の500-901の姿。平滑な前面形状が特徴である。廃車後は鉄道総合技術研究所風洞技術センター(滋賀県米原市)に保存された。
A02 | 試作形B/●試作色 |
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試作車の500-906の姿。運転台部分が張り出した前面形状が特徴である。廃車後は博多総合車両所に保存された。2024年に解体され、この姿は消滅した。
B02 | 量産車/●EVA色 |
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「500 TYPE EVA」に改造されたV2編成の姿。2015年に山陽新幹線全線開業40周年と「エヴァンゲリオン」テレビ放送開始20周年を記念して、乗車中にエヴァンゲリオンの世界観を体感できる列車「500 TYPE EVA」に改造された。2018年に運行を終了し、この姿は消滅した。
B03 | 量産車/●キティー色 |
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「ハローキティー新幹線」に改造されたV2編成の姿。2018年に「ハローキティー新幹線」として改造され、現在もこの姿で使用されている。