国鉄200系
概要
200系は国鉄が1980年から東北・上越新幹線の開業にあわせて製造した新幹線電車である。東北・上越新幹線の延伸に伴って増備が続き、民営化後もJR東日本によって増備された。1991年にかけて700両が製造された。
性能や用途により編成構成は多様であった。当初は最高速度が210km/hであり、12両編成のE編成として投入された。1983年以降は240km/h走行に対応した車両がF編成(一部はE編成)として投入された。E編成は1993年までに240km/h走行に対応したF編成に変更、または短編成化により10両(のちに8両)のG編成に変更された。なお、F編成のうちF80編成は長野新幹線乗り入れ対応、F90~F93編成は上越新幹線の一部区間における275km/h走行に対応していた。G編成は1999年まで、F編成は2007年までに廃車された。
1990年と1991年には2階建ての中間車両が製造され、F編成の一部が16両(当初は13両)のH編成に変更された。H編成は速達の「やまびこ」(通称「スーパーやまびこ」)を中心に2004年まで使用された。なお、一部は12両に短縮のうえで2005年まで使用された。
また、1992年にはF編成の一部が併結運用に対応した8両(のちに10両)のK編成に変更され、2001年までは山形新幹線や秋田新幹線との併結列車に充当された。1999年から2002年にかけてK編成の一部にリニューアルが実施され、リニューアル車は2013年まで使用された。
外観の特徴
1985年までに製造された車両(以下、前期形)は0系に似た形状であり、1987年に製造された車両(後期形)は100系に準じた形状である。1988年から1992年にかけて中間車の一部に先頭車化改造を実施し、改造による先頭車の外観は後期形に準じている。1990年と1991年にはグリーン車と個室を備えた2階建ての中間車(2階建)が製造された。
落成時の塗装は、前期形は白をベースに窓回りと裾部を緑とした塗装(●標準色Ⅰ)であり、後期形と2階建ては標準色の窓下に細帯を追加した塗装(●標準色Ⅱ)である。なお、前期形のうち1990年から1991年までH6編成に組成された車両は細帯があり、後期形のうちF編成の車両は細帯なしであった。
改造による変化として、1990年頃に前期形の先頭車を対象として、運転席の側窓が開閉式から固定式に変更された(運転席側窓固定)。また、1999年から2002年にかけてK編成を対象にリニューアルが施され、内装のほか、先頭車の前面窓の改造や塗装変更(●新塗装)が施された。
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 消滅 | 前期形/●標準色Ⅰ |
A02 | 現存 | 前期形/●標準色Ⅰ [運転席側窓固定] |
A03 | 消滅 | 前期形/●標準色Ⅱ |
A11 | 現存 | 前期形/●新塗装 [リニューアル] |
A12 | 現存 | 前期形/●標準色Ⅰ [リニューアル] |
B01 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅰ |
B02 | 消滅 | 後期形/●標準色Ⅱ |
C01 | 消滅 | 2階建/●標準色Ⅱ |
各バリエーション解説
A02 | 前期形/●標準色Ⅰ [運転席側窓固定] |
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運転席側窓改造後の前期形の姿。1990年頃に運転席の側窓が開閉式から固定式に変更された。リニューアルの対象外の車両はこの姿のまま使用されたが、2007年までに廃車された。現在は新幹線総合車両センターと鉄道博物館に計3両が保存されている。
A03 | 前期形/●標準色Ⅱ |
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1990年頃のH6編成の姿。H編成は後期形の先頭車で構成されていたが、組成直後のH6編成のみ前期形の先頭車であった。塗装は標準色(細帯)に変更され、前期形では唯一であった。1991年にH6編成が後期形の先頭車に変更され、この姿は消滅した。
A11 | 前期形/●新塗装 [リニューアル] |
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リニューアル後の前期形の姿。K編成の一部を対象として、1999年から2002年にかけてリニューアルが実施された。外観上は前面窓の改造や塗装変更が特徴である。リニューアル車は200系が全廃される2013年まで使用された。現在はJR東日本総合検修センター内にて新潟県中越地震で被災したK25編成の1号車(221-1505)が当時の姿を再現して保存されている(非公開)。
A12 | 前期形/●標準色Ⅰ [リニューアル] |
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標準色に変更されたリニューアル車の姿。2007年にK47編成が落成時の塗装である標準色に変更された。リニューアル車にこの塗装が施されたのは唯一であった。2013年の廃車までこの姿で使用された。現在は同編成の1号車(221-1510)が新津鉄道資料館に保存されている。