国鉄0系
概要
0系は国鉄が1964年から製造した初代の新幹線電車である。1986年にかけて東海道・山陽新幹線に投入された。民営化後はJR東海とJR西日本が承継し、東海道新幹線で1999年まで、山陽新幹線で2008年まで使用された。現在は全車両が廃車され、一部が博物館などに保存されている。
外観の特徴
車体構造の差異
製造年次により改良が行われ、車体構造に差異が生じている。特に大きな変化を伴う改良では番台区分が行われている。
◆前期形
1964年から製造された0番台が該当する。座席2列分におよぶ大型の側窓が特徴である。
◆中期形
1976年から製造された1000番台が該当する。側窓は1列ごとの小窓に変更された。
◆後期形
1981年から製造された2000番台が該当する。側窓は1000番台と同じく小窓であるが、拡大されたシートピッチにあわせて横幅が拡大されている。前面窓のサッシが変更され、一部が開閉可能になった。
◆21・22形3900番台
1988年に0番台のグリーン車から改造された先頭車が該当する。21-3901と22-3901の2両のみが存在した。側窓は前期形のグリーン車に由来する大窓でありながら、先頭部は2000番台に準じている。
改造による差異
◆光前頭
1964年に製造された車両は前面の連結器カバーが半透明のアクリル製であり、前照灯の光が漏れることで点灯する構造であった。ところが、破損が相次いだことから、順次FRP製に変更された。1965年以降に製造された車両は落成時からFRP製が採用された。
2.3.塗装の差異
0系に施された塗装は以下のとおりである。
●原色
全車両の落成時の塗装。クリーム10号をベースに窓回りを青20号で塗装している。小さな変化ではあるが、1995年頃にベース色が白3号に変更されている。後年まで使用されたJR西日本の車両は、リニューアル改造に伴って塗装変更され、この塗装の0系は2003年頃に営業線から消滅した。ところが、0系新幹線の完全引退が発表された2008年に、リニューアルが施された車両の一部がこの塗装に変更され、同年末の完全引退まで使用された。保存車両の大多数がこの塗装である。
●お召し塗装(1次)
1966年4月以降のお召し列車としての運行時に施された塗装。1966年4月にお召し列車として使用された編成には、警備上の識別を目的として前面スカートに白いアクセントが追加された。1971年に装飾が変更され、この姿は見られなくなった。
●お召し塗装(2次)
1971年8月以降のお召し列車としての運行時に施された塗装。1971年8月にお召し列車として使用された編成には、前面灯具まわりに青帯のアクセントが追加された。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は見られなくなった。
●ウエストひかり色
JR西日本のアコモ改善施工車に施された塗装。窓下に白帯を加えた、100系に準じた塗装が特徴である。1988年から改造された「ウエストひかり」編成に採用され、1996年以降はアコモ改善が施された「こだま」向けの編成にも採用された。2002年以降、フレッシュグリーン色に変更され、この塗装は消滅した。21-7038はこの塗装でカワサキワールドに保存されている。
●フレッシュグリーン色
JR西日本の2-2シート車両に施された塗装。晩年の「こだま」で使用された車両は2-2シートに改造されており、2002年からこの塗装に変更された。ベース色は淡いグレー、窓回りを濃いグレーと窓下にフレッシュグリーン色の塗装である。2008年に一部編成が原色に変更、他編成の廃車によってこの塗装は消滅した。
塗装×特徴まとめ
●原色 |
●ウエスト |
●グリーン |
バリエーション一覧
No.
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現状
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特徴 |
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A01 | 現存 | 前期形/●原色 [光前頭] |
A02 | 現存 | 前期形/●原色 |
A03 | 消滅 | 前期形/●お召し塗装(1次) |
A04 | 消滅 | 前期形/●お召し塗装(2次) |
B01 | 現存 | 中期形/●原色 |
B02 | 消滅 | 中期形/●ウエストひかり色 |
B03 | 消滅 | 中期形/●お召し塗装(2次) |
C01 | 現存 | 後期形/●原色 |
C02 | 現存 | 後期形/●ウエストひかり色 |
C03 | 消滅 | 後期形/●フレッシュグリーン色 |
D01 | 消滅 | 21・22形3900番台/●原色 |
各バリエーション解説
A01 | 前期形/●原色 [光前頭] |
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1964年に製造された前期形の製造時の姿。前面の連結器カバーが半透明のアクリル製であり、光前頭が機能していた。早期にカバーが交換されてこの姿は消滅したが、鉄道博物館に保存されている21-2がこの姿で展示されている。
A02 | 前期形/●原色 |
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前期形の姿。この姿の車両は2000年までに営業線から撤退したが、各地に保存車が多数ある。京都鉄道博物館とリニア・鉄道館の保存車もこの姿である。
A03 | 前期形/●お召し塗装(1次) |
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前期形のお召し仕様の姿。1966年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。スカートにV字の白い装飾が加えられていた。1971年以降は装飾が変更され、この姿は消滅している。
A04 | 前期形/●お召し塗装(2次) |
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前期形のお召し仕様の姿。1971年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。前面灯具まわりに青帯が追加されていた。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は消滅している。
B01 | 中期形/●原色 |
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中期形の姿。この姿の車両は2003年までに廃車されている。廃車後、新下関乗務員訓練センターで2008年まで使用されたQ3編成もこの姿であり、現在はこのQ3編成の22-1047が博多総合車両所に保存されている。
B02 | 中期形/●ウエストひかり色 |
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中期形のアコモ改善施工車の姿。1989年に「ウエストひかり」編成に改造され、この姿が登場した。1996年以降も2-2シート改造を伴うアコモ改善が施され、施工車はこの塗装になった。2005年に廃車され、この姿は消滅している。
B03 | 中期形/●お召し塗装(2次) |
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中期形のお召し仕様の姿。1971年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。前面灯具まわりに青帯が追加されていた。1981年にNH16編成がこの姿で使用された。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は消滅している。
C01 | 後期形/●原色 |
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後期形の姿。廃車やアコモ改善工事の施工により、この姿の車両は2003年までに消滅した。2008年にアコモ改善工事施工車であるハカR61、R67、R68編成が原色に戻され、同年末の完全撤退まで使用された。22-2029が日本車両製造豊川製作所、22-7007が大阪府吹田市、21-7008が川崎重工業兵庫工場で保存されている。
C02 | 後期形/●ウエストひかり色 |
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後期形のアコモ改善施工車の姿。1988年に「ウエストひかり」編成に改造され、この姿が登場した。1996年以降も2-2シート改造を伴うアコモ改善が施され、施工車はこの塗装になった。廃車と2002年からフレッシュグリーン色に変更され、この姿は消滅した。21-7038がカワサキワールドで保存されている。
C03 | 後期形/●フレッシュグリーン色 |
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塗装変更後の後期形のアコモ改善施工車の姿。アコモ改善施工車は2002年からフレッシュグリーン色に変更された。2008年に一部編成が原色に復元され、この塗装の車両は2008年6月までに引退し、この姿は消滅した。
D01 | 21・22形3900番台/●原色 |
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グリーン車から先頭車に改造された21-3901と22-3901の姿。側窓は前期形のグリーン車に由来する大窓でありながら、先頭部は2000番台に準じている。ハカR23編成に組成されていたが、1998年に廃車され、この姿は消滅した。