国鉄0系

国鉄0系

《最終更新》 2020.01.08

概要

0系は国鉄が1964年から製造した初代の新幹線電車である。1986年にかけて東海道・山陽新幹線に投入された。民営化後はJR東海とJR西日本が承継し、東海道新幹線で1999年まで、山陽新幹線で2008年まで使用された。現在は全車両が廃車され、一部が博物館などに保存されている。


外観の特徴

車体構造の差異

製造年次により改良が行われ、車体構造に差異が生じている。特に大きな変化を伴う改良では番台区分が行われている。

0系0番台◆前期形
1964年から製造された0番台が該当する。座席2列分におよぶ大型の側窓が特徴である。


0系1000番台◆中期形
1976年から製造された1000番台が該当する。側窓は1列ごとの小窓に変更された。


0系2000番台◆後期形
1981年から製造された2000番台が該当する。側窓は1000番台と同じく小窓であるが、拡大されたシートピッチにあわせて横幅が拡大されている。前面窓のサッシが変更され、一部が開閉可能になった。


◆21・22形3900番台
1988年に0番台のグリーン車から改造された先頭車が該当する。21-3901と22-3901の2両のみが存在した。側窓は前期形のグリーン車に由来する大窓でありながら、先頭部は2000番台に準じている。


改造による差異

◆光前頭
1964年に製造された車両は前面の連結器カバーが半透明のアクリル製であり、前照灯の光が漏れることで点灯する構造であった。ところが、破損が相次いだことから、順次FRP製に変更された。1965年以降に製造された車両は落成時からFRP製が採用された。


2.3.塗装の差異

0系に施された塗装は以下のとおりである。


0系●原色
全車両の落成時の塗装。クリーム10号をベースに窓回りを青20号で塗装している。小さな変化ではあるが、1995年頃にベース色が白3号に変更されている。後年まで使用されたJR西日本の車両は、リニューアル改造に伴って塗装変更され、この塗装の0系は2003年頃に営業線から消滅した。ところが、0系新幹線の完全引退が発表された2008年に、リニューアルが施された車両の一部がこの塗装に変更され、同年末の完全引退まで使用された。保存車両の大多数がこの塗装である。


お召し塗装(1次)
1966年4月以降のお召し列車としての運行時に施された塗装。1966年4月にお召し列車として使用された編成には、警備上の識別を目的として前面スカートに白いアクセントが追加された。1971年に装飾が変更され、この姿は見られなくなった。


お召し塗装(2次)
1971年8月以降のお召し列車としての運行時に施された塗装。1971年8月にお召し列車として使用された編成には、前面灯具まわりに青帯のアクセントが追加された。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は見られなくなった。


ウエストひかり色
JR西日本のアコモ改善施工車に施された塗装。窓下に白帯を加えた、100系に準じた塗装が特徴である。1988年から改造された「ウエストひかり」編成に採用され、1996年以降はアコモ改善が施された「こだま」向けの編成にも採用された。2002年以降、フレッシュグリーン色に変更され、この塗装は消滅した。21-7038はこの塗装でカワサキワールドに保存されている。


フレッシュグリーン色
JR西日本の2-2シート車両に施された塗装。晩年の「こだま」で使用された車両は2-2シートに改造されており、2002年からこの塗装に変更された。ベース色は淡いグレー、窓回りを濃いグレーと窓下にフレッシュグリーン色の塗装である。2008年に一部編成が原色に変更、他編成の廃車によってこの塗装は消滅した。


塗装×特徴まとめ

 
 
●原色
お召し(1次)
お召し(2次)
ウエスト
グリーン
前期形
前期形
中期形
後期形
3900番台
光前頭
 
A01 A02 B01 C01 D01
A03  
A04 B03
B02 C02
C03  

バリエーション一覧

No.
現状
特徴

各バリエーション解説

A01 前期形/●原色 [光前頭]

1964年に製造された前期形の製造時の姿。前面の連結器カバーが半透明のアクリル製であり、光前頭が機能していた。早期にカバーが交換されてこの姿は消滅したが、鉄道博物館に保存されている21-2がこの姿で展示されている。

鉄道博物館 21-2
鉄道博物館 21-2
撮影場所 鉄道博物館   撮影日 2016年4月
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A02 前期形/●原色

前期形の姿。この姿の車両は2000年までに営業線から撤退したが、各地に保存車が多数ある。京都鉄道博物館とリニア・鉄道館の保存車もこの姿である。

リニア・鉄道館 21-86
リニア・鉄道館 21-86
撮影場所 リニア・鉄道館   撮影日 2022年9月
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A03 前期形/お召し塗装(1次)

前期形のお召し仕様の姿。1966年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。スカートにV字の白い装飾が加えられていた。1971年以降は装飾が変更され、この姿は消滅している。

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A04 前期形/お召し塗装(2次)

前期形のお召し仕様の姿。1971年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。前面灯具まわりに青帯が追加されていた。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は消滅している。

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B01 中期形/●原色

中期形の姿。この姿の車両は2003年までに廃車されている。廃車後、新下関乗務員訓練センターで2008年まで使用されたQ3編成もこの姿であり、現在はこのQ3編成の22-1047が博多総合車両所に保存されている。

博多総合車両所 22-1047
博多総合車両所 22-1047
撮影場所 博多総合車両所   撮影日 2019年12月
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B02 中期形/ウエストひかり色

中期形のアコモ改善施工車の姿。1989年に「ウエストひかり」編成に改造され、この姿が登場した。1996年以降も2-2シート改造を伴うアコモ改善が施され、施工車はこの塗装になった。2005年に廃車され、この姿は消滅している。

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B03 中期形/お召し塗装(2次)

中期形のお召し仕様の姿。1971年以降にお召し列車として使用された際はこの姿であった。前面灯具まわりに青帯が追加されていた。1981年にNH16編成がこの姿で使用された。後にお召し列車の装飾が廃止され、この姿は消滅している。

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C01 後期形/●原色

後期形の姿。廃車やアコモ改善工事の施工により、この姿の車両は2003年までに消滅した。2008年にアコモ改善工事施工車であるハカR61、R67、R68編成が原色に戻され、同年末の完全撤退まで使用された。22-2029が日本車両製造豊川製作所、22-7007が大阪府吹田市、21-7008が川崎重工業兵庫工場で保存されている。

博多総合車両所 ハカR61編成
博多総合車両所 ハカR61編成
撮影場所 小倉駅   撮影日 2008年6月
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C02 後期形/ウエストひかり色

後期形のアコモ改善施工車の姿。1988年に「ウエストひかり」編成に改造され、この姿が登場した。1996年以降も2-2シート改造を伴うアコモ改善が施され、施工車はこの塗装になった。廃車と2002年からフレッシュグリーン色に変更され、この姿は消滅した。21-7038がカワサキワールドで保存されている。

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C03 後期形/フレッシュグリーン色

塗装変更後の後期形のアコモ改善施工車の姿。アコモ改善施工車は2002年からフレッシュグリーン色に変更された。2008年に一部編成が原色に復元され、この塗装の車両は2008年6月までに引退し、この姿は消滅した。

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D01 21・22形3900番台/●原色

グリーン車から先頭車に改造された21-3901と22-3901の姿。側窓は前期形のグリーン車に由来する大窓でありながら、先頭部は2000番台に準じている。ハカR23編成に組成されていたが、1998年に廃車され、この姿は消滅した。

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